男にモテても嬉しくない
この前の一件から翌日、俺とアリシアは冒険者ギルドで飲み食いしていた。
どこから広まったのか知らないがこの前の一件が冒険者の中で広まり、冒険者ギルドに来てから度々、俺を勧誘しにくる奴がいた。
男性の冒険者が三人俺の元に来るとリーダー格であろう筋肉質な男性が俺に話しかけてくる。
「なあマスフェスさんよぉ、俺達とパーティーに入らないか?」
「すまないが俺はどこのパーティーにも入るつもりはないよ」
そう言って俺が断った途端に筋肉質な男性が怒って俺の胸ぐらを掴みながら言ってくる。
「てめぇ…せっかく俺様が誘ってやってんのに断るとは良い度胸してんなぁ!」
「それはお前の方だ、身の程をわきまえろ」
俺はそう言ってとっさにテーブルに置いてあるフォークを手に取り筋肉質な男性の目に寸止めする。
そしたら、筋肉質な男性は驚いて、黙り込んでしまい大人しくなってしまった。
「あ、兄貴…」
筋肉質な男性の仲間であろう男性がそう言って、呆然としている筋肉質な男性を連れて戻っていった。
するとアリシアはニヤニヤしながら俺を見て言ってくる。
「良かったわね、モテモテじゃないの♪」
「はぁ、良くないよ。誘ってくるのは男ばっかしで女なんて誘っては来やしない。誰か良い女が俺を誘ってくれたら良いのになぁ…」
「良い女ならここにいるじゃない♪」
「どこにいるんだ?」
俺がそう言った途端にアリシアは怒った顔をして頬を膨らませ、力強く俺の足に蹴りを入れてくる。
「痛い! 何すんだよ嬢ちゃん」
「マスフェスなんて知らないもん!」
アリシアはそう言ったら俺から顔をそらしてしまった。
何だよ、そんなに怒って。
俺がそう思っていたら男女二人の冒険者が近寄って来た。
また勧誘か…。
そう思い俺は男女二人の冒険者に言う。
「俺に何の用だ? パーティー勧誘ならお断りだ」
すると男性が微笑みながら俺とアリシアに言ってくる。
「いえ、この前のお礼をしに来たんです」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。