傭兵戦1

元いた場所に戻るとビスマルがいなく、冒険者の少女が慌ており、俺とアリシヤを見ると走って近付いてきて言ってくる。


「どうしよう、ノイスが見当たらないの! それに探しに行ったビスマルも戻って来ないのよ!」


「それは大変ね。じゃあ、私とマスフェスで探してくるね」


アリシヤは驚くこともなく、冷静に動揺している冒険者の少女に言った。


「行くよ、マスフェス」


アリシヤはそう言うとビスマル達を探しに歩きだし、俺はアリシヤの後を追う。


あいつら一体どこに行きやがったんだ?


俺はそう思いながら気になった事があったのでアリシヤに聞いてみる。


「嬢ちゃん、あいつらはこっちにいるのか?」


「感よ♪ マスフェス、ほら、あそこにいるじゃない」


アリシヤはそう言うと木々の間を指差す。


感かよ! って、本当にいたのかよ。


俺はそう思いながらアリシヤの指差した方を見ると探していた冒険者の少女が無惨な姿で倒れていた。


こいつ、確かノイスっていったか。 そんなことよりも何でこんなに無惨な姿に…。


冒険者の少女はおそらく死んでおり、体のあちこちに切り傷があり、服は裂かれて乱暴をされた形跡があった。


「これは酷いな…」


俺がそう言うとアリシヤがノイスに近付いて言う。


「そうね…おそらく舌を噛きって自殺したようね」


確かにノイスの口からは血が垂れており、血は固まっていなく、切り傷の血もほとんどが固まっていなかった。


ん? 血が垂れているだと…じゃあ、ノイスが死んでからあまり時間が経っていない、もしかしたらまだ近くに襲った奴が!

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