悪役令嬢はあどけない!
「さすがは剣豪のマスフェスね!」
アリシヤはビスマル達に聞こえるように俺を褒めた。
ビスマルは悔しいのか歯ぎしりをし、冒険者の少女が不満そうに言う。
「こんな奴が剣豪のマスフェスの訳ないわ!」
「そうよ、きっと貴女は騙されているのよ!」
騙されてるって…俺が本物のマスフェスだぞ…。
ビスマルは立ち上がると俺に向かって怒った口調で言ってくる。
「オークを倒したくらいで調子に乗るな!」
は? オークを倒せないあげく、怯えてた奴なんかに言われても全然説得力ないし。
「そんな事はどうでもいいから先に進もうよ」
アリシヤがあどけない笑顔で言い、ビスマル達は惚けた表情をした。
なんて愛らしいんだぁ~、って俺まで惚けてどうする!
俺はそう思い頬をつねって正気を取り戻すが、それを見て心配したのか手を後ろに組んで隣を歩いているアリシヤが上目遣いで言ってくる。
「眠いの? マスフェス」
クソ! どうしてこんなに可愛すぎるだ!
俺はそう思いつつ、頬を赤らめながらアリシヤに言う。
「だ、大丈夫だ。頬が痒かっただけだよ」
「そう、なら良かった!」
アリシヤはニコッとしながら言った。
まったく、こんなにも可愛い嬢ちゃんがあんな悪趣味を持ってるなんて信じられねえな。
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