自称弟子
「ヒット!……ふん、楽勝だな」
冒険者の少年は魔法を使い、剣で三匹のゴブリンを殺して、自慢気にアリシヤを見ながら言った。
※[ヒット]は対象物に強い攻撃を当てる魔法で、剣の場合は対象物を力強く斬る。
「ビスマル、凄いわ!」
「易々とゴブリンを倒せるなんて、流石は剣豪の弟子ね!」
冒険者の少女二人は冒険者の少年が、ゴブリンを倒したことを大袈裟に褒めている。
どうやら冒険者の少年の名前はビスマルという名前のようだ。
剣豪の弟子だって? ちょっと気になるな。
そう思い俺は冒険者の少女に聞いてみると、少女はめんどくさそうに答える。
「なぁ、一体誰の剣豪の弟子なんだ?」
「はぁ、そんなのも知らないの? 剣豪のマスフェスよ。まぁ、あんたみたいな底辺が知ってるわけないか…」
はぁ? 俺の弟子だと? そもそも俺には弟子なんていないんだが。
「そうなの?」
「いや、俺に弟子なんていない」
アリシヤに聞かれ、俺は小声でアリシヤに言った。
そんな時、目の前の木々からオークが姿を現した。ビスマルのさっきまでの威勢は消え、オークに怯えて後退りしながら呟く。
※ゴブリンは小人のような姿で、オークは巨人のような姿。
「お、オークだ…」
「だ、大丈夫よ! ビスマルにかかればオークなんて楽勝でしょ!」
冒険者の少女がオークに怯えつつも、ビスマルに言った。
「む、無理だ! そ、そうだ、こいつを囮にしよう!」
ビスマルはそう言うと俺をオークの前に突き飛ばした。
アリシヤはオークに少しも怯えてなく、むしろ楽しそうに俺を見てくる。
俺は剣を鞘から抜いて、襲いかかってくるオークの首を剣ではね飛ばす。
はね飛ばしたオークの首がビスマルの目の前に落ち、ビスマルは「うわぁぁぁ!」と情けない声で叫んだ。
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