裏切り者の惨めな姿

「な…だ、誰だお前は!」


姉さんを名乗る女性は剣を折られたからか焦っており、金髪のポニーテールの女性に怒鳴りながら叫んだ。


俺は何故か金髪のポニーテールの女性からは、懐かしさのある殺意を感じる。


この殺意は…まさか、ラフィン姉さん? 間違いない…この殺意といい、この美しい後ろ姿はラフィン姉さんだ!


トレーダは冒険仲間で、ラフィン姉さんを名乗る女性の剣が、一瞬の内に折られてしまったことに動揺しているようで、ラフィン姉さんを見ている。


「ラフィン、久しぶりね」


突然、アリシヤが俺の隣に来て、ラフィン姉さんに言った。


するとラフィン姉さんを名乗る女性は俺を指差しながら狂ったように叫び出す。


「生きる価値もない薄汚い下民を苛めて何が悪い!」


う…そこまで言われるとさすがに傷付くぞ、俺…。


ラフィン姉さんを名乗る女性が俺を罵ると、ラフィン姉さんの殺意が溢れ、握っていた剣を投げ捨てて、ラフィン姉さんを名乗る女性の頭を鷲掴みして、力強く地面に打ち付ける。


地面に打ち付けられたラフィン姉さんを名乗る女性は、口から血を吐いて倒れたまま動かなくなった。


「ひいぃぃ! ば、化け物!」


トレーダはそう言って倒れているラフィン姉さんを名乗る女性を見捨てて、鼻水をたらし、小便を漏らしなが逃げて行った。


トレーダの逃げる姿はあまりにも無様な姿だったので俺は、笑いを堪えるので必死だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る