裏切り者との再開

今日は俺がアリシヤの執事になったのを祝うパーティーが開催される日だ。パーティー開催はここベルレン公爵の屋敷であり、広間にたくさんの料理が並べられていた。


「ん~、とってもおいしいわ!」


そう言いながらアリシヤは用意されている料理をつまみ食いして、美味しそうに食べている。それを見たエリナが注意する。


「アリシヤお嬢様。落ち着いて食べてください、ほら口の周りに付いてますよ」


エリナはそう言うとアリシヤの口周りにある食べかすを白い布で拭き取る。

てっきりつまみ食いをしている事を注意すると思っていた俺は、そこかよ!と思わず心の中でツッコんでしまった。


「アリシヤお嬢様、マスフェスさん、そろそろお時間になります」


「そうね。マスフェス、貴方にサプライズがあるから楽しみにしててね♪」


エリナが俺とアリシヤに言ったら、アリシヤが俺にサプライズがあることを告白してきた。

突然の事に動揺するが、俺は紹介する時に呼ばれてパーティー会場に登場する事になっているので、広間の外で待機した。


「皆さん、本日はお越しいただき誠にありがとうございます」


アリシヤはドレスのスカートを少したくしあげ、軽くお辞儀をしながら丁寧な挨拶をし、パーティーが始まった。


「早速ですが、私の執事を紹介します。マスフェス、入ってきなさい」


「失礼します」


アリシヤの合図と共に、俺はドアを開けてパーティー会場へ入場する。会場には貴族や商人などで、20人程の来賓が用意された椅子に座っていた。


「そんな馬鹿な!」


来賓の中から怒声が鳴り響き、周りはざわつきだし、俺は怒声を出した本人を見て驚愕する。

なんと怒声を出したのは俺を裏切って殺そうとし、俺の復讐対象でもあるトレーダだったのだ。

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