交渉成立
「マスフェス? もしかしてあの剣豪のマスフェスなの?」
「あぁ、そうだが。何で俺の事知ってるんだ?」
アリシヤは俺の名前を聞くと興奮しながら言ってきた。俺はなぜ俺の事を知っているのか気になったのでアリシヤに聞いてみた。
「当たり前じゃない、剣豪はこの国に七人しかいなくて、その強さは兵士100人の戦力に匹敵するのよ! けどどうして剣豪の貴方が暗殺なんてしようと思ったの?」
アリシヤは俺の暗殺でもしようかなという呟きを聞いていたようで、不思議そうに聞いてくる。
「仲間に裏切られたからだ…」
「どうして裏切られたの?」
俺が俯きながら言ったら、アリシヤは裏切られた理由について興味を持ったようで俺に聞いてきた。
「強すぎるからって言ってたよ」
「何それ? 理不尽ね…マスフェスは裏切った仲間に復讐しようと思わないの?」
アリシヤは仲間に裏切られた理由を聞いて、少し怒ったような表情をしながら言った。
「相手は貴族だ、逆らったらどうなる事か…」
「それなら、公爵家の私に仕えれば良いじゃない。貴方は裏切った仲間に復讐でき、高い給金と寝床が手に入り、私はマスフェスを雇える。どっちも良いことしかないわね、どうかしらマスフェス?」
アリシヤは目を輝かせながら言った。トレーダの家の爵位は男爵でアリシヤの公爵の方が権力が強かった。
正直、金と寝床さえあればどうでも良かったので俺にとっても良い話だった。
「分かった、俺は嬢ちゃんに仕える事にするよ」
「やった、嬉しいわ!」
アリシヤは跳び跳ねながら喜んでいた。復讐か…てっきり出来ない事だと諦めていたが、出来るとなると何だか楽しみになってきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。