悪役令嬢に拾われる

目が覚めると、夜になっていて辺りは暗くなっていた。体の痺れが収まっていて俺は取り敢えず立ち上がって、落ちている剣をしまって松明を作る。


トレーダの野郎、覚えてろよ。と思いながら俺は松明で周りを照らして森の外へと向かう。

無事、森から出ることが出来きて俺は町に帰る。良く考えたら、本当は今すぐにでもトレーダに復讐したいのだが、トレーダの家は貴族なので止めておいた方が良い。


冒険ギルドや衛兵にトレーダに裏切られた事を言っても貴族の権力で、逆に俺が悪者にされて罪人に成りかねないので却下だ。


また、新しい冒険者パーティーを作ったりしても、トレーダに俺が生きているのがバレてしまったら貴族の権力で何らかの濡れ衣を着せられて罪人にされかれないので、これも却下だ。


「はぁ、どうすっかなぁ。いっそ暗殺でも請け負うか?」


「なら、私に仕えないかしら?」


裏道で歩きながら、呟いていると後ろから声をかけられ、俺はとっさに振り向いた。そこにはドレスを着た美少女が立っていた。


「嬢ちゃん、悪い冗談は止めときな」


俺は少女がからかっているのだと思って言ったら、嬢ちゃんは真剣な顔をしながら俺に言う。


「冗談じゃないわ。私はベルレン公爵家、次女のアリシヤよ。あなた名は?」


「マスフェスだ」


俺はアリシヤが貴族、それも大貴族と言われているベルレン公爵家の令嬢だという事に驚いた。

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