5 Faith ー信念、信頼、確信ー
誤解その1
誤解その2
誤解その3
誤解その4
誤解その5
誤解その6
誤解その7
誤解その8
誤解その9
そもそも、今回の試練の主目的は、早合点しがちな
誤解その10
以上が、今回の件で発覚した、
前述の通り、紛らわしい言動が多かったというだけで、本人に悪気は微塵も無かった。
よって、今回の諸悪の根源は、脚色し、でっちあげ、3人をその気にさせ先導、扇動した張本人であり愉快犯、
が、ここまでされないと
「いや、思いっ切り
「先生、煩い」
「
「見苦しいですますわよ、先生」
「恥を知ってください、先生」
「ツキ
歩きで。一人で」
部屋に運んで
彼等の横では、『絶許』『おま罪』『カチドキワミ』『カズラバ星人』『スイプリ』と、同じく怒り顔の
余談だが。
全員が、万全に休息を取り、お昼になってから、真の種明かしを開始。
「
「別に、あんたにはさほど、非は無いわ。
これからは、きちんと
「うん。
ありがと、『
それまで上品にケーキを食べ進めていた
「あ、あああああ、あんた……!!
今……っ!!」
「うん。『
それに」
忠誠を誓い
「『
今まで、あんまり話せなくって、ごめん。
これからは、
「〜っ!!」
突然のデレ、そしてコンタクトにより、
満面朱を注ぎ目を閉じつつも、キブンガーでウインクさせてる辺り、歓迎はしているらしい。
「ひ、
「私は、どうしたんだい?
「割と早くから、呼んでるよね?
二人共」
「そういうんじゃございませぬよぉ、
いけずですわぞぉ!!」
「その切り返しは、風紀委員長として、男として、感心せんぞ?」
「まぁ……
『
「あいやっ!!
畏まり仕りましたでごぜぇやんさぁ!!
こちらこそ、お世話になるですえ、『
「
よくぞ呼び捨てにしてくれたね。
普段は、礼節を重んじるが。
我々の仲では、無礼講が最適解だ、『
敬礼し、満足し、食べ
遠征中というだけあって、節制していたのだろう。
「最後に……『ヒロ』」
姿勢を直し、
「今まで、ごめん。
助けてくれて、ありがと」
「こ、こちらこそっ!」
キャラブレに近い変わり
「ふーん。
『ヒロ』ねぇ」
モクテルを飲みつつ、
彼女は、
「驚いた。
「別に。
俺は元々、信頼度や性格、距離感によって、相手との接し方を変えるタイプだから。
それに沿っただけ」
「ふーん。
まぁ、それはさておき、嬢ちゃん
ヒロ……だと、紛らわしいか。
この子、本当に甘えん坊だから」
と、言われても……。
そう、
確かに
だが、これまで彼と過ごして来た2ヶ月もの時間で持たされた印象と、どうにも結び付かない。
生徒会長であるが故に、先に事情を小耳に挟んでいた、
「ちょっと。
勝手な事言わないでよ、
そんな簡単にいかないよ。
皆が
俺だって、別に器用じゃないし。
今まで通りで、別に平気だよ」
などと思っていたら、本人からフォローが入った。
これを受け
即座に、彼の横に並び立つ。
「ご安心を!
「以下同文」
「お任せあれでごぜぇやす!!
この身に代えても
「ですので、
ふんすふんすする
クールに微笑み、髪をかき分ける
キブンガーを点灯させ、『合点』『承知』と主張する
竹刀を抜き、ポーズを取る
同じく竹刀を構え、
そんな5人の姿を見て、思わず涙が出る程に、
「みたいね。
私も、これから力になるわ。
その
「それ、って……!」
「もしかして……!?」
呑んでいたグラスをテーブルに置き、一同の期待の眼差しを受けながら、
「
お嬢ちゃん
この、
異論がある者は、今の内に名乗り出な。
徹底的に、論破してくれるわ」
「ハハ〜!!」
感極まり、即座に跪く
2人に続きはしないものの、即座に頭を下げる
顔を上げたタイミングで、不意に
「ところで。
外国に行った、先生と結婚したからですか?」
「いいや。
早い話が、『見解の相違』『解釈違い』よ。
互いに、どうしても許せない、譲れない、度し
だから、喧嘩別れみたいになったのよ」
「……その、原因とは?」
「『ハルリン派』か、『ハルコヨ派』か。
それで、闘争になった。
「あ〜……」
まさかの、それでいて共感しか
同じく
きのこか、たけのこか。
あんこか、カスタードか。
海か、山か。
そばか、うどんか。
夏か、冬か。
業界に至っては、それ程までに熾烈を極める。
「……?
はて?
一体、
「詳しくは、分からんが。
どうやら、軽々しく触れない方が無難らしい。
恐らく、火傷では済むまい。
この場は、受け流しておこう」
5人は、それ以上は口を噤んだ。
そこら辺は、もっと親しくなり、折を見てから、存分に語り尽くすと、暗黙の了解で決まった。
2人には今度、部活でレクチャーするとしよう。
こうして、新たに頼もしい協力者を得て。
一行を載せた車は走る。
余談だが。
帰りの車の本来の持ち主である
無論、忘れられたのではなく、意図的に。
※
紆余曲折を経て、
個別練習の名の元に訪れていた
「ねぇ。
演技見る必要、
「
ちゃんと、
「そんなの、凡百だよ」
「私にとっては、大切なオンリーワンです!
だから、
真正面から言い切り、再び台本と向き合い、煮詰まる
それは、どこか楽しそうで、それ以上に、誇らしそうで。
きっと、どれだけ否定しても無駄なのだと、
「……ねぇ、ヒロ。
俺と話してて、楽しい?」
「ん〜?」
思わぬ質問を受け、起き上がる
そのまま、少しの逡巡、熟考も
「控え目に言って!
ネタをアレンジし、断言する
それを受け、噛み締め、
自分の言葉、話、感情
それらには、
今まで、そう思っていた。
だから意図的に、自分の感想を発信せずにいた。
そうした所で、誰も興味を持ってくれないと決め付けていたから。
相手が楽しんでくれないなら、自分だって同じだから。
でも、違った。
認めてくれる人が、ちゃんと
こんなにも
なら……もう、
この思いを、確信しても。
彼女みたいに、自分も。
正直になっても、許されるかもしれない。
「……ヒロ」
「
「好きだ。
君の
10年前に出会った、君の
あれだけ引っ掻き回しといて。
こんな
でも、これが、自分の中の、純然たる真実。
確かに、
だって彼女は、「自分を好き」だと、言ってくれたから。
結局の所、
自分でも、呆れ果てそうだ。
けど、考えてもみれば、当たり前なのではなかろうか。
そんな、憧れの的である彼女が、自分と再会してくれて、近くに
あまつさえ、「本当の自分自身」の象徴たる、自分の物語を、「最高」だと、言い切ってくれた。
これで惚れないなんて、想いを告げないだなんて。
そんなの、ただの怠慢、愚鈍、天邪鬼に他ならない。
「え……?
……え〜!?
もしかして
「
後輩の様子を見に行ってた、ツキ
てか、やっぱり気付いてなかったんだ。
まぁ、無理も
でも、冷静に考えれば、
そうでもなきゃ、『ハンパイア』なんて知らないし、インスパイアだって書けないよ。
あのDVD、『トッケン』の部室か、OBやOGの自室
そもそも、知る
「た、確かにっ!!」
責める
だが、ショックを隠し切れない。
調子
自分
だから、思い知らせてやる。
自分は、本気なのだと。
近付き、回り込み、顎クイし。
「ヒロ。
キスして、
「えぇ!?
そんな、いきなり!?
てか、『甘えん坊』って、これぇ!?」
「好きなんでしょ?
こういうの」
「言いましたけどっ!?
確かに、『ギャップ萌え』とか、言いましたけどぉ!?
こっ、心の準備がぁっ!?」
「
「ま、待ってくださいっ!
断じて、嫌ではっ!!
私も、
せめて、芋ジャーなどではなく、もっとマシな格好の時に!」
「それ、俺は悪くないよね?
ヒロの責任だよね?」
「特訓ったら、こうじゃないですかっ!?
あと、こんな展開になるなんて、予想だにしないじゃないですかっ!?」
「ごめん。
もう、するね」
「最早、確定、やる前提っ!?
謝罪と現状が伴ってない!?
じゃ、じゃせめて、歯磨きかリブレッスだけでもっ!?」
「無理、待てない」
「わ、私の、ファースト・キスがぁっ!!
乙女の、純真がぁっ!!
でも、嫌いじゃないぃぃぃぃぃっ!!
やっぱ
両手を、
蒸気した瞳で、彼女を見詰め。
揺らめくカーテンと、月明かりに見守れられながら。
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