4 ヒーローへの条件
翌日。
暫定メンバーも含めて、『トッケン』の全部員が、空き教室にて一堂に介していた。
といっても
また、
粛々とした空気に包まれる中。
ここに部員達を呼び寄せた張本人、
普段、
しかし、今日はというと対象的に、実に凛々しく、晴れ晴れとしていた。
「皆さん。
今後の部活に関する、大事な話をする
精悍な表情の
が、ギャラリーはさして驚きを見せなかった。
予想はしていたが、どうやら
昨日、揉めた連中が広めたのか。
はたはた、昨日の部室での一件を聞かれたか。
「突然ですが……私は、意見を採用……いえ。サイ用しました。
と思えば、今度は特撮を観ている者にしか分からないネタを使い始めた。
分かり切っていたが案の
「では、リントに分かる言葉にフォームチェンジしましょう。
簡単に言えば……私は、ヒロインとヒーロー、二つの側面を、両立する決意をした、という
オーディエンスの視線を釘付けにしつつ、
「ヒロイン。
例えるならば、それは甘いスイーツ。
女子ならば誰もが夢見る、魅惑のフレーズ。
この私とて、例外ではありません。
しかし」
勢い良く振り返り、相変わらず演技めいた調子と振り付けで、
「それだけでは、私は到底、
私の心は、もっと熱く、優しく、強く、明るく、眩しく、楽しく、
そう……特撮を」
愛の告白でもしているかの
「という
乙女でありながらヒーローでもあろうとする、エモ
名付けて……『
教卓に置いていたマイクを豪快に掴み、ハウるのを承知でボリューム全開に猛る
それでも
「あらあら。
鍛え方が足りませんねぇ。
これ
を怠らなければ、余裕で耐えられるでしょうに。
お可愛いこと」
「あんたねぇ!!」
「何が言いてんだよっ!!」
好き放題に振る舞われ、痺れを切らす暫定メンバー面々。
一方、
「簡単な
ゲームをしましょう。
正確には、特撮好きならゲーム感覚で
言い
すると、ボードが勝手に反転……する
「失礼しました。
あなた方みたいに、聞き分けのない、悪いホワイトボードでして」
「そういうこっちゃないわよ。
ま、そいつ
やはり、
そう思った
「さて。気を改めて、概要をお話します。
同様に、1作から書けるキャラも1人だけです。
その要領で、あなた方には
合格点、
開始時刻の3時半から、下校する30分前までの、2時間で」
「はぁ!?
作品が被らないまま、ヒーローを100人も書けってのぉ!?」
「んなもん、無理に決まってんだろ!!」
「やってられっかよ、馬鹿らしい!!」
「そんなの、受ける義理、
当然の
が、
その顔は下に向けられており、前髪に隠され、表情は見えないが、明らかにピリピリ、ヒリヒリ、ビリビリしていた。
「……まだやってもいないのに『無理』とか抜かす、実にヒーローらしくないのは、どなたですか?
いや……それに関しては百万歩、譲って許して差し上げます。
ただ……あなた」
「ひぃっ!?」
まるでグリー◯の
「『馬鹿らしい』……ですって?
撤回してください。
さぁ、早く。
さもなくば、これから皆さんに差し上げる罰の他に唯一、キッツいペナルティも無償でプレゼントして差し上げますよ?」
罰、ペナルティ、そして
この3コンボにより、男子生徒は問答無用で教卓の前に移動、撤回及び謝罪し、ビクビクしながら着席した。
「さてと」
いつの間にかキビシーデ◯
元ネタを知っていただけに、初期部員である
「受ける義理は
これまで数日にも渡って、あなた方が行っていたボランティア活動は、実は自作自演だったと。
ゴミを散らし、黒板に落書きし、掲示物をビリビリにし、ボールや用具を片付けないでいたのは、他でもない。
あなた方自身だったのだと」
ガタッと、一斉に机が震え、教室を揺らした。
その反応を見て、得意気になって来た
「気付いていましたとも。
だって、不自然じゃないですか。
別に文化祭や体育祭といった、祭りの後でもないというのに。
そして何より、それだけの規模の掃除を
真実は、ただ一つ。
あなた方が、タカヤマサンダーだからです」
「それ、ちょっと違わない?」
「
同一人物なんですから」
「以上の理由により、あなた方には受験資格はともかく、選択権も拒否権もありません。
特に3年生の先輩方は、卒業間近である以上、困りますよねぇ。
まぁ、そんな大事な時期に、受験や就活が必要
もし不合格だった場合も、甘んじて受け入れてください。
といっても当然、私はなーんの責任も持ちませんけど。
あなた方の悪事とは
「初っ端から
ヒロインを装う
「椅子から離れたら敗者、座り続けたら挑戦と見做します。
さ、さ。どーぞ、お選びください。
はたまた開き直り、足搔き、かぐや姫の無理難題より幾ばくか
10秒間だけ待って差し上げますので、どうぞ、お好きな末路を選んでください」
「いや、無理難題吹っかけてる自覚は
余計に恐ろしい上にタチ悪いわね。
言葉の節々に
「
だから逐一、ツッコんでくれてます!?
どんな壁に当たろうと、互いに励まし合い、健闘を讃え合い、切磋琢磨し合う、真の仲間とか、そういう
激アツ友情誕生イベ、キタコレですか!?」
「あんたが一々、ツッコミ不可欠な言動しか取ってないからでしょうが。
そんで、その、嫌な思い出しか
あんたの
「
「それは、何?
『ツンデレなツッコミ』って
そう。
だから
足で素振りを開始した
「それで?
二人がコントを繰り広げている間に約束の時間が経過。
全員が座ったままなのを確認した
「まさか、ただボーッと見物とさせようってんじゃないわよね?
それとも、
「まさか。そんな
ただ、お三方に加勢して
これから私が
「あんた……よくもまぁ、
で? 具体的には、何をさせようっての?」
「簡単です」
ビシッと三人を指差し、
「私と共に、個人で100点を取ってください。
各自30分の持ち時間で、4人での交代制
思い出と記憶と熱量だけを武器に、ひたすらに書き連ねて
当然、自分の番が回る前に、予習復習するのも反則です。
なので、待機時間から皆さんは、
ホーム画面を見る
待ち時間中は、他の受刑……受験者
それと、カンニングは避けたいので、試験中はヘッド・フォンの着用を義務付けさせて
また、特別措置として。
バトン・タッチし受験者が代わってからは、キャラが被るのは有りとします。
しかし、フォームまで一致するのは無しです。
それまでは、各作品につき、1人、1つまでです。
ですが、それだけだと多少、厳しいかもしれないので、変身しないキャラや敵役、ゲスト枠、人間以外の機械、ロボなども
最期に、私達が1人でも100点を
超法規的措置として
ただ、それだけです。
ね? 簡単でしょ?」
確かに、ルール自体は簡単である。
ただ、ヒーローやマシンの名前を、ひたすら
問題なのは、テストの難易度、縛りの多さとキツさ。
そして何より、この
それどころか、そもそも生まれる道理が皆目、
こんな悪条件、呑む
勝ち目なんて、1ミリたりとも
暫定メンバーの、誰もが思った。
「……はぁ。かったるい」
予想通り、この状況下で
「あんたねぇ……我儘も大概にしなさいよ。
この、エゴイスト。
そんなに気長に待ってられる
だったら、こっちも我を通させて
言い
一触即発。
不戦勝も止む無しか。
幽霊部員
「
そして、その期待は、
一喜一憂する面々を
数秒置いてから我に返り、反論する。
「い、いえ!
皆さんが1週間も
それが、筋って
それに私は、一刻も早く
「知らないわよ、そんなの。
あんたの言葉を借りるなら、『身から出た錆』よ。
こっちは今、急に入った料理熱が迸って、どうにもウズウズしてるのよ。
早く包丁を持たないと、気が触れそうなの。
でも、
教室の外に
「し、しかしっ」
近寄らせていた
「言った
『
「……え?」
振り返りも目配せもせず、自身の背後を親指で指差す
その先には、「まかせて」と言わんばかりに腕を顔の横に広げポーズを取り、やる気を示している
そして、普段より少しだけ
語らずとも、伝わっていた。
家族として、仲間として、部員として、受け入れられていたのだと。
「そういう
って
「よくやってくれたわ。ヒーロー。
「〜っ!!
ひゃ……ひゃい〜……」
ボイスドラマみたいなイケボ声を至近距離でお見舞いされ、すっかり魅了された
目をハートマークにしつつ、頭をフラフラさせながら、大人しく
どうやら、「
それでも足りず、ジャンプする
そんな愛娘の応援に
「
正義は、
この世に、悪の栄える
さぁ……かかってらっしゃい。坊や
調理の前に、
「おー、おー。
やってるねぇ、若者諸君」
緊迫した状況の中、緩い口調とテンションで現れたのは、
明らかに寝起きの
「先生。
遅いです」
「いやぁ、すまん、すまん。
部室で休んでたら、つい、寝ちまって……。
まっ、
こーして間に合ったんだし」
「……良し悪しは、先生が決める
相変わらずの適当っ
そんな彼女の心境を
それまでの締りの
「心配しなさんなや。
可愛い後輩に頼まれたんだ。
任された以上、きっちりお役を果たしてみせらぁ」
話し方は変わらないものの、明らかに変わったトーンから、確かなやる気を覚える
一方、
腕と足を組み、全員を見ながら
「そこの嬢ちゃんに頼まれたんでな。
4人の採点は、俺がさせて
公平を期す
それに俺ぁ、『トッケン』のOBで、現役の特オタだ。
特撮方面への明るさなら、後輩
ってぇ
全員、異論ぁ
まぁ、
確認こそしているが、曲げる
そんな態度で、
「
特撮に詳しいのであれば、誰が務めようと、
「熱いねぇ。
じゃあ、その熱が冷め止まない
トップ・バッターなのも手伝い、代表して受け入れた
彼女と話しつつ、
「よーい……始めっ」
普段より多少、気持ちの入っている
3人を除く皆が一斉に、ペンを進め始めた。
強気な宣言通り、試験開始するや
どうせ虚勢、ブラフだろ。
そう舐めてかかっていた
そして、15分で100のキャラ、フォームを書き終え、10分で最終確認を済ませ、5分で
最高のスタートを切った
その、文句の付けようの
仲間から特撮アイテムを渡された
そんな状況で、
「見事なりっ!!
では、次こそ私が」
腕を
そんな彼女の頭を撫で励ました
そして、
「
名前を、呼ぶ。
それだけのアクションで
そして、
普段、口数こそ全く
いや……少し前に高校生になった時分で、こんなガチ勢の格好が
ともすれば彼女こそが、最強の戦士なのかもしれない。
「おい! 俺、クウ◯な!」
「っざっけんな!
「じゃあ
トッキュウレッド!」
「
横浜流◯!」
「ハイエナ共!
タイプだけで、決めんな!
あと、やるならやるで、名前も一応、確認しろ!
万が一にも間違ってたら、お陀仏だぞ!?」
「てか、それ以前に作品、被ってんじゃねぇか!」
「ちょっと!
何よ!? その言い方!」
「お前
そんなダークホ・ースの底力を思い知る
協力なんて
こんな調子で
「ひーっひっひっひーっ……順調ですねぇ。
裏が
「……」
連中のカオスな状況を高みの見物しつつ、底意地の悪い、魔女みたいな笑みを浮かべる
彼女の言わんとする部分を察してはいるものの、
そうこうしてる
二人に向け、キブンガーの両目、自身の両手でサムズアップした。
「グッジョブ!!
では、今度こそ私が」
再び
「
考えてみて。
最初から本題に入り、
その結果。
「……確かに」
「あと、『
今の
「確かに!!
やはり真打ちは、遅れてやって来るという
ヒーローが何たるかを、よくご存知です!!
お見逸れしました!!」
「お褒めに預かり、光栄です。
隊長殿」
「た、たいちょ……!?」
しかし
少し驚いた
余談だが、裏方ばかりの司令官ではなく、変身する機会に恵まれる側の隊長をチョイスする辺り。
特撮、そして
何はどうあれ、こうして隊長殿が退いたので。
「
教卓の前に立った
相変わらず、何を考えているのか読み取り
普段と違って虚ろな印象は無く、その表情からは
そう……偽部員達《たち》が、
ここに来て暫定部員達は、
人数で圧倒的に勝っている以上、こちらに分が
しかし、その実、こちらは知識も協調性もゼロで、おまけに負ければバッド・エンド一直線。
これは、もしかしたら。
いや……ひょっとしなくても。
自分達は今、これまで
などと不安に襲われている
「お待たせ、
「お疲れ様です、
さぁ……
うぉぉぉぉぉ!! 思う存分、荒れますよー、止めて遊ばせー!!」
捲った腕をブンブンと振り回し、教壇を登り、闘志を漲らせる
そこに溢れんばかりの特撮熱も混ぜ、一気に答案用紙へと、余さず注いで行く。
ここに来て偽部員達は、暗黙の了解により、うだつと生産性が上がらない
スマホと運のみを武器に、ひたすら無心に名前を書いて行く方法へとシフトした。
重複している名前は、向こうに除外させれば、
そうして、
約束の5時半まで、持てる力と、若さを爆発させるのだった。
「終了ー。
はい、全員、ペン置いてー」
相当みっともない
しかし、何はともあれ、これで最悪の未来は回避した。
そう、一同は安堵し、油断した。
だからこそ、
書き終えて
「皆さん、お疲れ様でした。
敵ながら、天晴でした。
まだ皆さんにも、欠片ばかりの人間性は
誰の
そんな
彼女が今日イチ、満面の笑顔で、こんな
「ーーそれでは、第2試験と行きましょう。
皆さんの選んだキャラ、フォームの推しポイントを、それぞれ1行ずつ、書いてください。
何食わぬ顔で、
これを受け、
「何よ、それ!?」
「聞いてねぇぞ!!」
「いえ。私は確かに、言いましたよ?
『先ず、皆さんに書いて欲しい』と。
その先にも控えているのを見抜けなかった、皆さんの読解力、想像力、モチベの低さ。
そこに原因、落ち度が
確かに、何か裏、続きを予感させる言い回しではあった。
ただ、前日の
それでも
が、
「そもそもの話。
あなた
あなた
こちらとしても1つ
それに対して、あなた
だって私達は、あなた
あなた
にも
こちらとしては、こうして社会復帰する
舐めていた。
完全に、
無理ゲーに付き合わされ、かと思えば
彼女を打ち負かそうなんて、単なる思い上がり以外の何物でもなかった。
そう痛感させられ、申し立てようとした異議を失いかける暫定部員
が、それでも底意地の悪い連中は、屈服しようとしない。
「じゃあ、
そこまで言い張るなら、お
100個分も、アピールポイントの用意、
どうやら向こうにも、そこそこには頭が切れる側が
この機を逃してなるものかと、「そうだ、そうだ」「やってみろ」と、乗じる面々。
こんな時にばかりきちんと連携する敵に
答案用紙を眺めていた
「里中ちゃんに、ツクヨ◯に、滝川◯羽か。
特に、山本千◯と佃井皆◯の大ファンと見た。
スーアクも、めちゃ入れてるし。
電王(高◯)さんって、
「予想済みでしたが、
レオの頃のセブン◯ー、ファイヤーウインダ◯、キングジ◯ーSC、ウルトリ◯、マック◯ライナー……。
全作品から、全ての戦隊ロボやバイクを網羅してます……。
美しい……」
「で、
「はいっ♪
私、光落ちした悪役が大好物なんですよぉ♪
特に、闇落ちしてから光落ちしたキャラが♪
ですから、ナダやチェイス、ウルザード○ァイヤー、黒騎士なんかは、もうっ、もうっ、もうぅっ……♪
ワクワク、満開だぁっ♪
「はいはい、
で、
その割には、他の3人が書きそうなのは、意図的かつ上手く避けてるなぁ」
「当然です♪
「本人が無関心なのを
突如として展開される、オタク感剥き出しの会話。
それにより、幽霊部員
彼
自分
自分
ガバッと口を開け飛沫を上げ、自分達を飲み込まんとする激しい荒波が、もう、
「ふ、不正だ……」
言い逃れも
「お
俺達に内緒で、自分達だけで計画練って、互いに100個、用意してたんだろ!
じゃなきゃ、こうも都合良く進む
「確かに、そうですね。
ここまで上手く
『もし私達が、真性の特オタでなければ』。
という大前提を度外視したら、の話ですけど」
全く動揺する素振りを見せず、
「常日頃から
あなた
『好きなジャンルから、100人、100個選出しろ』。
そう言われたら自ずと、より思い入れ、
これは、どこも不思議ではない、至って普通の流れ、大自然の摂理なんですよ」
「誇張してるけどな」
「とどの
互いを理解するまで0.05秒の、最高、最強の仲間なんですから。
あなた
勝敗を決したのは、ただそれだけの、原点にして頂点の理由です」
早い話、
それでも
自分達は、もう……罪を認めざるを得ないのである。
「まぁ。といっても」
何もかも潰えた、
「私とて、鬼ではありません。
私が目指しているのは、
何だかんだと反抗しつつも、最後までこの場に残った皆さんに敬意を表し、ご褒美を与えます。
そもそも皆さんは、人間として生を受けた時点で、この部活はともかく、社会や誰かにとっては不可欠なんですから。
今度こそ、
これから私が言う
さすれば皆さんを、今回に限り、無罪放免とします。
皆さんの罪は、この場に
ファント◯を生み出そうとしていた全員が、
皆が、瞬時に取ったのだ。
これから
「『我、
病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も。
皆を愛し、敬い、慈しみ。
強く、優しく、正しく。
罪を憎んで、人を憎まず。
共に助け、励まし、分かち合い。
世の
希望、絆、情熱、勇気、夢を常に絶やさず。
生き直す
「……」
それに、
が、この根っからのヒーロー脳、悪意の無い悪魔、天然の熱血天使、
彼女は、その理由が見当も付かず、ただ首を傾げるのみだった。
「どうしました?
罪を償いたくないんですか?
さぁ、早く読み上げてください。
「!?」
そんな、まさか、と
しかも、一枚一枚、手書きで。精魂込めて。
書道を嗜んでいるだけあって、その文面の美しさに負けない、
よく見ると、そればかりか、オリジナルのサイン、全員の名前まで記してあった。
あぁ、違う。
この場に来てから、ではない。
彼女と出会ってしまった時点で、
ならば、
彼女は本気で
「さぁ!!
その鼓動、湧き上がる勇気を信じ、今こそ強く、熱く、高く
輝くコスモの、光るオーラパワーの、青春爆発ファイヤーな若さの、天に輝く五つ星たる気力の、燃えるレスキュー魂の、荒ぶるダイノガッツの、熱き疾き高き強き深き眩しき果てなき冒険スピリッツの、ニキニキでワキワキな激気の、聞ぃぃぃぃぃておっどっろっけぇっな史上最強のブレイブの、時をかける希望ことダイノホープの、お祈りじゃない勝利のイマジネーションの、熱いなこれ燃えて来たぁな忍タリティの、充満するジューマンパワーの、正義に仕える気高きソウルの、テンションマックスで全開のキラメンタルの命ずる、叫ぶままに!!
永遠なる愛を!! 燃え盛る情熱を!!
キラめく未来は、銀河を貫く伝説は、生ける神話である自分達の瞳の中だと!!
それこそ、皆さんが新たに更生し生まれ変わる指針、ヒーローへの条件なんです!!
あなた達は、世界中に一人しか
自分に嘘を
力強い勇気を、分かち合うのです!!
生まれた時に皆、等しく与えられているのです!!
いざ、ご唱和ください!!
さぁ、さぁさぁっ!!」
キラッキラな笑顔を浮かべ、瞳を爛々と輝かせ、息を荒げ。
あたかも狂気染みた教祖かの
整合性を維持しながら懐かしいフレーズを織り交ぜた怪文書を雄弁に語る。
どこまでも純真無垢な少女、
彼女の奇行、暴走を止める
その果てに、恥ずかしさがカンストした例の文面を全て読まされ、退部も確約させられ。
元幽霊部員
この日を
余談だが、教徒達によって彼女の正体が瞬く間に広められた
ーーなどといった展開には、なる
「さ……さーせんしたぁっ!!」
「もう勘弁してくださぁい!!」
「あんた
断末魔に近い叫びを上げつつ、一斉に逃げる幽霊部員達。
至極当然の反応、末路である。
「……あれ?」
現状が飲み込めず、可愛らしく小首を傾げ、振り向き
「私、
答えられるだけの気力と蛮勇を有する人は、誰も
これにて、一件落着。
それまで、休み時間の度にアプローチを受けていた、当の本人である
翌日からは静かな毎日を過ごすも、その変貌
「これで、今日から空き時間はずーっと、皆さんとの特撮トークに充てられますね♪
クラスも一緒ですし♪」
と、最終的、トータル的には、ただただポジティブに捉えるのみだった。
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