第392話 また会う日まで!

取り敢えず、日本サーバーに到着しました。


「さてと、俺ポーション買いたいんだけど。」


という事で、帰って来ましたbreezeに。


花園に案内し、ルイス姿になります。もう、バレているので問題ないでしょう。しっかり、口止めもしましたから。ここで、リルとソルが来ました。


「わーい、久しぶりのもふみ!」


そんなルイスに、微笑ましそうなシュゼ。無言で、驚くエノク。気にした様子もなく、報酬確認するハルトであった。そして、暫くしてルイスも座る。


「前、日本で葛葉…ルイスみたいなヒーローが居るって言ったでしょう?さっき、思い出したんだ。」


エノクの言葉に、ルイスはティーカップを持ったままにキョトンと見返す。シュゼは、お菓子をもぐもぐと食べながら聞き耳を立てている。ハルトも、気になったのかウィンドを閉じてお菓子に手を出す。


「ルイスは、アンパンマンみたいだね。」


アンパンマン…。愛と勇気だけが友達の彼ですか。


アンパンマンを知らず、ウィンドを開き検索するシュゼ。思わず、吹き出しそうになり口もとを押さえるハルト。何とも、微妙な雰囲気なルイス。


「彼は、とてもクールで良いやつなんだ!」


「「え?」」


ルイスとハルトは、同時に思わず言ってしまう。


「クール?えっと、そんな要素あったか?」


ハルトは、おずおずとエノクに対して聞く。もしかしたら、別のアニメと勘違いしているのかもと、思わず思ってしまったのだ。シュゼは、アニメを見ているのか無言である。ルイスも、苦笑を浮かべる。


「困ってる人が居れば、素早く助けて身を犠牲にしてお腹を満たしてくれるよね。僕の場合は、心を満たしてくれるけど。それと、あんぱんを渡しているでしょ?僕に何かあると、お菓子をくれたり遊びに誘ってくれるでしょう?見返りも求めないし、もう大丈夫と確信してから離れてくれる。君はとても優しくて、クールな気遣いの出来る良い親友だよ。」


そう、心からの笑顔で言う。ルイスは、無言で驚いて固まる。ハルトは、ニヤニヤと無言で報酬整理に戻る。シュゼも、無言で優しく笑うのだった。


「あ、ありがとうございます。」


何とか、声を出して言う。


「だからかな、2人に会えないのがとても寂しいんだ。勿論、二度と会えない訳じゃないのは分かってる。けど、2人には日本に来てからいろいろ助けて貰ったから。何も出来ずに、帰る事になるのが悲しい。せめて、もう少し時間が有れば良いのに。」


ポロポロと、泣きながら言うエノク。


「エノク、別に僕は気にしてませんよ。別に、会おうと思えばこっちで会えますし。LINEだって、交換してますよね?時間なんて、作ろうと思えば後からでも作れるんですから。気負う必要も、悔やむ必要もありませんよ。もっと、気楽に行きましょう?」


ルイスは、優しい微笑み明るい口調で励ます。


「そうそう、この世界ではいつでも会えるんだ。」


ハルトも、明るく笑うと言う。


「さて、そろそろ最後の行きましょうか?」


全員で、頷き合い進んで行った。


「さてと、タイムアタックみたいだな。」


シュゼは、考える雰囲気である。


「取り敢えず、狩りまくるぜ!」


「おー!」


ハルトとエノクは、元気よく言う。


「アシストと回復は、僕にお任せなのです!」


暢気に笑って、攻撃力バフを掛けていく。後は、ひたすらに攻撃するのみ。制限時間で、最速記録を追い抜くとボーナスのある敵が1体出て来る。当然ながら、他の敵よりHPは多めでスキル持ちである。


攻撃スキルなら、良いのだがバフと回復スキルが面倒である。なので、全力で率先的に攻撃していく。


全部で、15ステージで対象レベルは300。


全力案件で、かなり難易度の跳ね上がりの落差が激しい。なので、こちらのペースが崩れやすいのだ。


単純ゲーと見せかけた、頭脳と忍耐力が試される最高に悪趣味なゲームである。ましてや、重戦士役職が2人で機動力は低い…。それを、しっかり把握した上でどう調整し活かしていくかが問題である。


しかしながら、お互いに気を許し合う仲なので…


「回復?知らねーな、火力あげてくぜ!」


ニヤリと笑って、盾を振り回すハルト。


「デバフ解除しまーす。」


ノホホーンと、落ち着いた雰囲気で異常解除。


「火力なら、自信ありだ。力比べしようか?」


剣を片手に、好戦的な笑顔で突っ込むシュゼ。

 

「取り敢えず、周りが邪魔!消えてよね!」


大剣で、地面ごと吹き飛ばすエノク。


結論、完全勝利!


そして、武器の秘伝書をゲット


さてと、帰って来たアメリカサーバー。勿論、葛葉の姿ですよ。取り敢えず、4人でデザイン。


首装備は、紺色のネクタイ。

(※メンバー、イメージカラーのネクタイピン付き)


足装備は、黒いブーツ。

(※実は、鉄板が入ってて防御力が高い)


頭装備は、エノクの希望で王冠。

(※ネタに走っております)


手装備は、白い手袋。

(※袖で隠れるが、金色で植物の刺繍が)


肩装備は、マント。

(※表は赤く裏は黒いリバーシブルマント)


上半身装備は、薄い黒シャツと白いベスト

(※襟と胸ポケットに、金色の刺繍がされている)

(※ワンポイントのオリジナルマークが小さく刺繍)


武器装備は、短剣。

(※装飾品みたいな美しい見た目だが火力高め)


そして、誰も入れない部屋を借りて装備チェンジ。ワイワイと、ふざけながらも写真のポーズを確認する。全員の希望で、ルイス姿で写真を撮る事に。


写真を数枚撮り、そのあとワイワイガヤガヤとテンション高めにふざける。王様ごっこみたいな風に。


そして、また会う日まで!と言い…


それぞれのホームへ、別れを惜しみながらも帰って行った。ホームに戻り、葛葉からルイスに戻る。


ゆっくり座り、この2日間の思い出を思い出すかの様にお互いに撮った写真を眺める。寂しいと、エノクは言っていたが寂しいのはルイス逹もである。


ルイスは、寂しそうな雰囲気でウィンドを見る。


そして、小さく息を吐き出して振り切る雰囲気でウィンドを閉じた。本当に、楽しかった思い出だ。


ルイスは、ゆっくり紅茶を飲みログアウトした。




そして、ついに別れの日が来てしまった。その日は学校で、お見送りが出来なかった。せめて、休みならば空港で送り出す事も出来ただろうに…。


それから、2週間くらい連絡が途絶えた。


きっと、新しい環境に慣れる為に、忙しいのであろう。瑠衣は、無言でスマホをスリープモードに。


そして、2週間頃に写真が貼られた。


深夜だが、瑠衣は枕元に手を伸ばしてLINEを開く。眠たいが、この時間だと緊急かもしれないと。


そして、送られた写真を見て微笑む。


リアルのシュゼ…ヨハン君と、ピースで写真を撮っている。後ろに、3人ほど人が居るので、あちらでも楽しく過ごせてそうだ。数枚きてたので、指でスライドさせて他の写真も確認していく。


どれも、とても楽しそうで安心する。


寮で、歓迎会してもらったり。ふざけて、暴れる楽しそうな写真もある。瑠衣は、起き上がり返事を打ち込む。春都は、寝ているのか既読がつかない。


それもそうだ、深夜なのだから。


返事には、既読がつかない。きっと、楽しい時間を過ごしているのだろう。瑠衣は、嬉しくなった。


そして、枕もとにスマホを置いて寝るのだった。

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