第382話 お揃い装備を目指して!
瑠衣は、エノク達と花月庭園というカフェに入る。
「凄い和の雰囲気だね。中庭綺麗!」
エノクは、ワクワクした雰囲気である。
「確かに、鯉とか泳いでて綺麗だな。」
「和菓子が美味しい、名店喫茶みたい。」
よく見ると、いろんな学校の生徒の姿もある。
「僕、抹茶が苦手だけど大丈夫かな?」
不安そうなエノクに、落ち着いた雰囲気の瑠衣。
「和菓子が有名だけど、ちゃんと洋菓子もあるから安心して。あんこやきな粉は、大丈夫でしょ?」
「うん、大丈夫。流石、瑠衣。」
エノクの言葉に、3人で席に移動する。
「何食べようかな。」
「お、これ美味しそう!」
春都は、メニューを指差して笑う。店員さんが、微笑ましくチラ見して通り過ぎて行く。
「で、本題だけど。明日、アメリカサーバーに9時前に集合しない?で、オリジナルギフトが作れるクエストをやらない?全8項目、サーバー移動ありでかなり面倒なやつ。お揃い装備を、その職業じゃなくても作れるんだけど。どう思うかな?」
瑠衣の言葉に、2人は顔を見合わせて笑う。
「何それ、面白そうだね。けど、いいの?」
何故、そう聞くかと言うとこのクエスト…。一度受けたら、クリアする迄時間がかかるし終われない。更に言えば、一人一回しか出来ないクエストだ。
もし、誰かに誘われても二度と出来ないのだ。
「大丈夫だよ。メンバーのお揃いは、仲間に作って貰っているんだ。メンバーお揃いは、その人に任せないと拗ねちゃうから無理だけど。個人の友達ならば、大丈夫だと思う。で、2人はどうする?」
頬杖をついて、落ち着いた雰囲気で微笑む。その頼もしい雰囲気に、思わず笑顔になる2人。
「行こうぜ!」
「おー!」
瑠衣は、優しく頷くと運ばれて来た餡蜜を食べる。その後に、イベントの話や小ネタや知りたい情報を話して行く。いつの間にか、周りの席に人が集まっていたが気にしない。楽しく話してゆっくりする。
家に帰り、明日の注事項を話して通話を切った。
取り敢えず、楽しみ過ぎて7時にログインするエノク。そんな、るんるんなエノクをマッシュとブレイブは少しだけ驚いて優しく見守っている。
「今日は機嫌が良いんだな。」
「うん、友達とクエストに行くんだ。」
すると、素晴らしいほど明るい笑顔で言う。
「そうか、その友達は大丈夫な人なのか?」
「というか、兄さんも一度会ってるよね。」
その言葉で、無愛想な落ち着いたエノクの友達を思い出す。そして、それなら大丈夫か?と思う。
ルイスは、葛葉の姿でアメリカサーバーへ。ブレイブ達は、目を丸くして葛葉を見ている。
「やっぱり、助けてくれたのは君なんだね。」
思わず、嬉しそうに笑う。
「偶然ですよ。私、商人ですから。」
葛葉は、困った様に笑うとため息。
「それより、何か人が集まって来てない?」
「さて、どうなんでしょう。」
目を逸らし、扇子で口元を隠す葛葉。
「もしかして、意外と葛葉って有名なの?」
その言葉に、扇子を閉じて素晴らしい笑顔。
「違います。そもそも、私は商人ですから。」
周り含め、ブレイブ達は心の中で思わず突っ込む。
《嘘つけ!ナチュラルに、何言ってんだお前!》
「あれ、今日はその姿なんだ?」
その言葉に、セカンドキャラだと全員が気づく。
「こらこら、これでもお忍びなんですよ?」
葛葉は、冗談っぽく怒って笑う。
「あ、なるほど。遊びに行くだけ、言った感じ?」
ハルトは、納得した雰囲気である。確かに、グレン達に話すと乱入して来そうだ。ルイスだと、乱入されやすいので葛葉で来たのだろう。納得である。
「お忍びねぇ…。バレてるけど?」
思わず、にやけた雰囲気で呟くハルト。
「大人達を、完全に撒くのは不可能です。」
頭が痛そうに、深いため息を吐き出す葛葉。
「2人とも、どうかしたの?」
キョトンと、2人を見るエノク。
「いえ、何でも。では、予定より早いですが。」
気を取り直し、深呼吸をして微笑む。
「クエスト行くぞぉー!」
「おー!」
すると、ブレイブが近づく。
「まさか、お狐様がエノクの友達とはな。やっぱり所属は、breezeだったんだな。弟をよろしくな。」
マッシュ達も、安心した雰囲気である。
「やっぱり、葛葉って有名なの?」
「気のせいです☆」
頑張って、気のせいと言ってみる。
「なるほど、まあ僕も日本サーバーの有名人はマッキーさんとルーカスさんしか知らないな。ルイスさん?って人も、有名らしいけど。分からないや。」
あ、危なかったのです。ルイスで来てたら、本当の意味で詰んでしまったのですよ。たぶん、遠慮して遊んでくれない可能性も高くなるでしょうし。
せ、セーフなのです!
「取り敢えず、クエストを受けに行きますよ。」
葛葉の言葉に、2人は頷くと行って来ますを言う。ブレイブ達は、優しく見送る。そして、何で居るのかわからないがbreezeの大人組とジェネシスメンバーがお見送りに来ているのだった。
「スタートは、アメリカサーバーだったよな。」
ハルトの言葉に、頷きながら歩くのだった。
「街の中で、占い師のお姉さんに話をかけます。」
街の中でも、とても視線を感じるが無視して行く。さあ、話を掛けた所でクエスト開始である。葛葉達は、獣王国へといそいそと急ぐのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます