第361話 攻略とトラブル
さて、水瓶座の攻略なのです!
メソポタミアでは、アッカドの英雄とエンキが結びついた一杯になった瓶を抱えた姿が原型と考えられています。バビロニア人は定期的に発生する洪水と関連したみずがめ座には、あまり良いイメージを持っていなかったようです。また、エジプト天文学でも、ナイル川の洪水と関連付けられ、春になって水を汲むために瓶を川に投げ入れ洪水が起きるとされていました。ギリシア神話の洪水を乗り切ったデウカリオーンとも関連付けされてます。
ギリシア神話では、不死の酒ネクタールを給仕するガニュメーデースの持つ水がめ(酒器)であるとされて。星図には、水を流す水がめとそれを持つ男性の姿として描かれ、流れ出した水はみなみのうお座の口に注ぎ込んでいます。ちなみに、みなみのうお座と魚座は別の星座ですね。後で、話します。
さて、ここからはゲームの話。水瓶座は、風属性でノーアクティブ。独創的な男性らしいです。
いやその、物なので性別云々は関係ないのです。
ですが、水瓶を持つ人物が男なので関係はあるのでしょうか?天秤座とは違い、持ち主も敵として現れるので、厄介だと言えるでしょうね。うんうん。
そして、やはり水場なのですよ。水瓶を抱えた、美青年が真剣な雰囲気で立っています。
本体は、水瓶なので男性を倒しても意味がなく。かと言って、水瓶を攻撃しても男性に邪魔される。そして、守られている以上は水瓶はノーリスクで猛威を振るえる訳なのです。やれやれ、困りました。
しかも、風属性なのに水属性スキル有り…。
もう、2属性BOSSとか嫌いです!この段階で出すと言う事は、これからも多属性持ちが増えるという事です。僕達は、持てても2属性。しかも、厳しい条件つき。希少品アイテムによる、存在の反転です。
そのアイテムも、イベント限定ですしね。
まだ、解放されてない国もあるのに…。このままでは、プレイヤーもキツくなってきます。運営さん、何も対策とかしない訳ではないとは思いますが。余りにも不穏すぎます…。現にこのイベントのリタイア率は、運営の出した予想より多いのですから。
頭の痛い案件ですね。
おかげで、2属性使える一部の人にヘイトが向いているのですよ。かくいう僕も、光と闇を使えるのでヘイトを貰っているのです。まあ、運営さんが厳しく取り締まっているから、被害は少ないのですが。
面倒かつ、厄介極まりないのです!
今も、BOSS部屋前で待ち伏せしたり。おこぼれを貰おうと、勝手に一緒に入り込んできたり。勿論ですが、そんな人を運営が許す訳もなく退場です。ついでに、ルイス達もBOSS部屋の外に出されてしまう。なので、最初からやり直しなのだ。ちなみに、消耗品は返ってくる。しかし、気力は削がれる。後は、進路妨害や難癖をつけて来たりと迷惑な…。
流石に、喧嘩を吹っかける馬鹿は居ませんが。
さてと、スキルを確認しましょう。考えてても、仕方ない…というか、どうしようもない事なので。
「ルイス、凄い不機嫌だな。」
「まあ、いろいろあったしな…。」
心配そうなマッキーの言葉に、トキヤは苦笑してから素早く通報ボタンを押している。これ以上は、編成限界になったので誘えない。ルイスとて、いろいろと考えて普段ならやらない編成限界まで、プレイヤーを編成させたり…かなり動いているのだ。
ちなみに、運営にその動きは感謝されている。
何なら、違う同盟にも声を掛けていたりする。しかしながら、それでも追いついていないのだ。
というか、高難易度なのに弱い人が行こうとしてトラブルが起きている。所謂、寄生プレイヤーが多いのだ。それに、足を引っ張られて攻略も進まず。
「ルイス、どうやらこのイベント参加規制が入るみたいだ。一定の強さないと、入れなくなるみたいだな。これで、妨害者が居なくなる。良かった!」
グレンは、嬉しそうに笑う。
「レイ達は、欲しい武器は手に入れてますか?」
すると、全員が欲しい武器を持ってると頷く。ルイスは、安堵した様に息を吐いて優しく微笑む。
ちなみに、ゲットした武器は消えない。
理由としては、苦労して手に入れた物を無効にする訳にはいかない。その事で、トラブルを起こす様なら、運営から厳しいペナルティーを受ける。と書かれている。という訳で、一気にプレイヤーが間引かれて消えていく。全員が、安心した雰囲気。
運営が、ここまでするという事は、何かあったんでしょうね。デスペナルティーも、通常よりきつめになってます。いや、勝てばデスペナルティーは無かった事になると書いてありますけど。
蒼夜さん、かなり激怒していらっしゃる…。
公式のコメントに、それが滲み出ています。本当にいったい、何をしたらここまで激怒させるのやら。
詳細は、書かれてませんね。
まあ、良いです。消えたメンバーも、目的は達成してましたし。何も不満は無いと、笑顔で去りましたからね。あとは、僕達が全てクリアすればランキング的にも報酬が良くなります。そうすれば、去ったメンバーの為にもなりますからね。
取り敢えず…
「とても疲れたので、一旦引きましょうか。」
ルイスの言葉に、全員が無言で頷くのだった。
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