第341話 蠍座 ♏︎ 攻略

英雄オリオンを、その毒針で死に至らしめたサソリが星座となったものとされてます。女神アルテミスは、彼女を強姦しようとしたオリオンに対してサソリを遣わして毒針で殺させたのだとか。別の話では、オリオンの項目では「どんな野獣でも倒すことができる」と言い放った事に怒った女神ガイアが放ったサソリとしています。今でもオリオンはサソリを恐れて、東の空からさそり座が現れるとオリオン座は西の地平線に逃げ隠れ、さそり座が西の地平線に沈むとオリオン座は安心して東の空へ昇ってくるといいます。トラウマですかね?


さて、ここからはゲームの話。蠍座は、水属性でノンアクティブ。とてと、情熱的な性格のメスです



女神からの刺客

素早い動きで槍の様に毒針で攻撃する。カウンター不可能で、当たると移動速度低下と毒異常になる。また、この毒は継続ダメージで5秒の間が開きつつ最大5回のダメージを受ける。受ける回数は、毒針を受けた回数で決まる。人によっては、即死だ。


なるほど、初心者達はかなり危険ですね。そして、物理型ですし魔法攻撃耐性持ちでも有ります。要するに、『私と、死ぬまで殴り合いましょう!男なら物理で、情熱的にね!』って感じでしょうか?


毒は、卑怯だと思うのですが…蠍ですからね。


「水属性なんだよな?」


グレンは、苦笑してため息をつく。


「そうですね、だから水魔法も使えるはずです。」


ルイスも、困った雰囲気で苦笑している。



英雄殺しの毒

毒針の雨が降り注ぎ、プレイヤー達に全ステータスダウンのデバフ。それと、毒異常と水属性継続ダメージを与える。このダメージには、コンボ判定がありあたれば当たるほどダメージ量が増加する。弱点属性には、2倍のダメージを与える。


「火属性は、結構多いからなぁ…。面倒だ…。」


トキヤは、思わず呻く。


「グレン達は、下がらせた方が良いのでは?」


ルイスは、考える雰囲気である。


「そうっすね、グレンは炎属性っすし。2倍ダメージとなれば、かなり苦戦を強いられるはずっす。俺が、前に行けばカバー出来るんじゃないっすか?」


ルーカスは、考える雰囲気で腕を組む。


「そうですね、相性は大切なのです。となると、編成やら指揮のやり方を変えなければですね。取り敢えず、リーダー達と後で話してみようと思います。さてと、僕も少し考え事をしちゃいますね。」


ルイスは、真剣に言ってから暫く無言で考える。


「OK!取り敢えず、リーダーを集めて来るな。」


マッキーは、思わず乾いた笑いを浮かべている。


「はい。すみません、よろしくお願いしますね。」


ルイスは、ハッとしてマッキーに笑いかける。



暗殺蠍

素早い動きで、プレイヤーをほんろうし物理的に攻撃する。一定確率で、当たってしまうと気絶する。気絶すると、一部のスキルがランダムで封印。


「速いのか…。」


マッキーは、考える様に呟く。


「面倒だよね、動き回られるのは…」


セロンは、深いため息を吐き出している。その場の全員が、苦笑しながらうんうんと頷く。


「ふむ…、そうですね。」


ルイスも、考える表情を消して暢気に笑って言う。


「ルイス、この速さは対応可能か?」


マッキーは、苦笑してルイスを見ている。


「まあ、烏丸さん達と暗殺組が上手く動ければ、無効化は有り得ると思います。初めて組むので、緩衝材に僕が入れば何とかなると思いません?」


そう、少しお茶目に言うルイスに笑うリーダー達。


英雄のトラウマ

その、情熱的な性格で敵を怯ませ威圧する。具体的に言えば、移動速度低下や行動制限系のスキル。


「これ、固定スキルなのかな?」


グレンは、キョトンとして呟く。すると、ハルトはそうじゃね?と言う。2人は、苦笑して無言に。


「まあ、もうさ…さして問題ないかな。うん。」


セロンも、頷く。メンバー達もである。



範囲攻撃:毒波

針を地面に刺し、毒水を大量に流してくる。当たれば、MPが削られる。しかも、暫く解除出来ない。スキルキャンセル不可能で、スキル解除までMPを回復する事が出来なくなってしまう。MPを削り切ると、HPまで削り出すので要注意である。


「MPは、嫌だなぁ。スキル撃てなくなる。」


トキヤは、苦々しく呟く。


「これ、本当にクリアできるのかよ。」


マッキーは、冷や汗ながらに言う。


「まあ、やるだけやってみましょう。。」


微笑み、考える雰囲気のルイス。


特殊スキル:砂漠の脅威

透明化し、砂に紛れて奇襲する。砂にもぐっている時、蠍座は無敵で攻撃してもカウンターをくらう。カウンターをくらうと、無防備状態になり奇襲を受けると即死する。また、奇襲時にバリアブレイクと防御貫通の効果が有るので、防御行動は無意味。


スピード型物理暗殺者である。


「間違いなく、暗殺系じゃねーかよ!」


マッキーは、思わず叫んでしまった。


「バリアブレイクと防御貫通はえぐい!」


トキヤも、苦々しく言う。


「アサシンキルを、狙ってるよね?」


セロンは、困った雰囲気で笑った。


「まあ、無敵貫通じゃないだけマシですよ。」


ルイスは、落ち着いた雰囲気で冷静に呟いた。トキヤは、ルイスを見ると考える雰囲気である。


「これクリアしたら、一度撤退しないか?」


「そうだな、強すぎで疲れたし息抜きしたい。」


トキヤの言葉に、マッキーも疲れた雰囲気で同意。


「それは、いいですね。皆さんも、疲れてますし。万全な状態で、ボス戦したいですもんね。」


ルイスは、嬉しそうに微笑む。


《たぶん、初心者メンバーは限界だろう。ルイスだって、初心者とメンバーを気遣いながら、上手く調整したりして精神的に疲労しているだろうしな。》


トキヤは、周りを見ながら心の中で呟く。そして、疲れを見せない笑顔なルイスに無言でため息。


《とっきー、ナイス判断だぜ。》


マッキーは、無言で笑う。


「では、殴り込みましょうか!」


『おう!』


全員が、武器を構えて走り出した。


ルイスと烏丸が先頭で、スキル女神からの刺客に対応する。後ろに、メンバーが居るので回避は出来ない。なので、2人で同時に短刀で受け流す。槍の如き毒針の攻撃を、正面から受け止めるのはパワー負けするからだ。また、カウンターが出来ないスキルなので、受け流すか回避しか無い。タンクに受けて貰うには、スピード負けするし毒を受けかねない。


よって、メンバーで素早さ特化した2人が指名。


「ルイス殿、申し訳ない。」


「気にしないでください、合わせます。」


敵から視線を外さず、短く会話して短刀を構える。


「すげぇ…、あのスピードで息ぴったり。」


ハルトは、驚いて呟けばグレンは落ち着いて言う。


「いや、あれはルイスが合わせてる。」


「マジ?」


ハルトは、驚いてグレンを見る。


「マジ。てか、どう見てもさ…ユウユウ達とふざけている時より遅いだろ。アイツら、スピードもそれなりに上げてるし。逃げ足だけは、早いからな。」


グレンは、呆れた雰囲気で笑えば納得するハルト。


「ルイス殿!」


蠍座の予備動作に、危機感を感じて叫ぶ烏丸。


「聖結界!」


英雄殺しの毒が、メンバー全員を襲うが、それより先にルイスの聖結界が毒針の雨を防ぐ。マッキーは素早く、バフを指示してルイスをカバーする。他の結界を使えるジョブも、ルイスの結界の下に結界を使っていく。全員がギリギリまで、密着する。


何枚か、結界が砕けたがノーダメージである。


「皆さん、ナイス判断です。」


ルイスの安堵した声に、思わず全員が笑顔になる。


「気を抜くな、まだ終わりじゃない!」


トキヤの声に、ルイスは素早く回避して暗殺蠍を避ける。回避途中に、もう一度針が来るが短刀で受け止めて、わざと吹き飛ばされる事で距離を取る。


それでも、迫る蠍針を素早く短刀で2回受け流す。


「誰か、ルイスからタゲ奪え!」


マッキーは、焦った雰囲気で言う。


「「おう!」」


そう言って、2人ほどタンクが走って行く。しかしながら、余程にノーダメージにされた事がお怒りなのか、タゲがなかなか外れてはくれない。


他のメンバーも、武器を構えてタゲ取りに向かう。


「仕方ないですね、受けてあげますよ。」


ルイスは、わざと攻撃を受ける。


「ルイス!?」


マッキーは、思わず驚いて叫ぶ。


「まあ、長引けば不利になるからな。気絶は、入らんかったしスキル封印も無いから大丈夫だろ。」


トキヤは、困った雰囲気で笑うと落ち着いて言う。


「あ痛たた…」


ルイスは、小さく呟くと素早く回復が飛んでくる。


英雄のトラウマで、行動制限されるが忍耐や防御スキルで乗り越え、初心者達は素早く蘇生する。


範囲攻撃:毒波を、聖結界で対応しようとすると、スキルを待機状態にしてしまう。このままでは、耐久戦になってしまう。しかし、MPが削れるのは困る。スキルキャンセルが、出来ないのが痛い。


「絶対に、運営やってるだろ!」


「これ、リタイアが絶対にでるだろ…」


同じ意見が、ちらほらと見られる。


「さてさて、三班に分かれて誤発を誘発させましょうか。勿論、ヤバイと思ったら逃げて良いです。」


「やるしかないか…」


ルイスの言葉に、頷くマッキー。


「俺とセロン、それと烏丸がリーダーな。それと、ルイスは聖結界を待機させてくれ。ガイア、ルイスのサポートを頼む。2人は、離れてくれ。」


頷くと、ルイスとガイアは離れる。そして、フェイント攻撃に誘発されて毒波を発動させる蠍座。


勿論、ルイスとガイアの結界で無事である。


「此処からは、無敵のお時間です。」


ルイスは、短刀を鞘に戻して旗を取り出し微笑む。


「カウンターは、受けたく無いので、引っ込んだら攻撃をやめてくださいね。それと、水魔法を打てる人は水をばら撒いてください。そうすれば、敵が透明であっても見分けられますからね。湿った砂は、サラサラでは無いので穴が戻りにくいです。それにです、乾いた砂より湿った砂の方が音がします。」


リリアは、素早く水撒きを開始する。


こうして、奇襲されても無敵なのでボコボコに。


特殊スキル:砂漠の脅威を攻略完了。


「ふぅ…、皆さんお疲れ様でした。」


そして、装備修復や耐久回復のため帰るのだった。











作者のコメント


皆さん、ただいまです。よろしくお願いします



とある、ガオさんとルイス達の脳内会話


ルイス「ガオさん、日にち間違えてます。」


作者ガオ「え、何か間違えてた?」


トキヤ「休みが5日で水曜日書けば6日だろ。」


作者ガオ「あ…。えっと、あれだよ。昨日の分って今から投稿すればよくない?」


グレン「つまり、今から今日の分を書くのか?」


ルーカス「絶対に間に合わないっす。」


作者ガオ「明日の朝に今日の分はだします。」


breezeメンバー『まあ、頑張って。』


作者ガオ「うむ、睡眠欲との戦いだね。」

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