第325話 楽しい時間
ルイスは、深いため息を吐き出して、ゆっくりティーカップを手に取る。そして、飲みながらウィンドウを操作して、同盟メンバーのログイン状況を確認する。まだ、トキヤとグレンはログインしてない。
「ルーカスは、お仕事が忙しいのでしたね。」
ルイスは、そう呟いてティーカップを置く。
「ルイス様、新作のケーキなのですが。」
キリアが、そう言ってベリータルトを置いた。バロン達も、ゆっくりとソファーに座り、ルイスも優しく微笑むとケーキを食べる。嬉しそうなルイス。
「これ、とても美味しいですね。」
ルイスの無邪気な笑顔に、キリアは微笑む。
「ルイス様は、苺が好きみたいなので。」
「ん?はい、そうですね。苺というか、果物は好きですよ。と言っても、一般的な果物しか食べた事が有りませんが。お肉より、果物が好きです。」
本当に、嬉しそうなのでキリアも思わず嬉しくなってしまう。バロン達も、無言で優しく微笑む。
「そう言えば、ルイス様の好き嫌いって知らなかったんだよな。基本的に、何でも嬉しそうに食べてくれるし。美味しいって、笑いながら言うからさ。」
バロンは、苦笑している。
「ふむ、気遣ってくれるのはありがたいです。ですけど、苦手な食べ物でも皆んなが作ってくれたら、何だか食べれそうな気がしません?なんて…」
ルイスは、少しだけお茶目な雰囲気で笑う。キリア達は、少しだけ驚いてからまた嬉しそうに笑う。
「もう、何か言ってて恥ずかしくなって来ました。どうするんですか、この雰囲気は…むぐぐ。」
少しだけ、顔を赤くするルイスに賑やかに笑う住民メンバー。ルイスは、恥ずかしさケーキをもぐもぐと食べている。また、キリア達は優しく微笑む。
すると、足音がしてトキヤが部屋に入って来る。
「ルイス、早かったんだな?」
トキヤは、爽やかに笑って言う。
「はい、自動更新にしてたのでアプデが出来る時点で、即更新とダウンロードしてくれるのですよ。まあ、電波が悪いと停止しますし、回線が混み合うとエラーが起きたりするのですが。トラブルもなく、上手く行きました。本当に、ラッキーでしたね。」
ルイスは、落ち着いた雰囲気で笑う。
「そうか。俺も、仕事量を増やされてうっかり更新を忘れてた。まあ、早めに入れて良かったが。」
少しだけ、疲れた雰囲気で笑うトキヤ。
「お仕事、お疲れ様です。トキヤさんも、ケーキ食べません?キリアさんが、作ってくれたのです。」
「あ、いるいる。キリア、ありがとうな。」
トキヤが笑えば、キリアは笑顔で頷く。
「はぁ〜、幸せです。」
ルイスは、ケーキを食べながらゆるゆるに呟く。
「そうだ、ルイス。レイが、最終目標クリアした。それで、報酬の話なんだけど今良いか?」
トキヤは、ケーキを食べつつ思い出した様に言う。
「はい、大丈夫ですよ。」
まあ、トキヤさんですし無理難題はないですね。
ルイスは、ニコニコとティーカップを手に持つと、のんびりとした雰囲気でトキヤを見る。
「指定した日を、4日間だけ予定を空けてくれないか?リアルで、遊びに行こうと思ってな。」
4日は、長いよなぁ…。さて、ルイスはどうする?
「なるほど、良いですね。」
4日?とても、長いですね。時期的に、海とか山でしょうか?海水浴?キャンプ?うーん…、分かりませんね。何にせよ、夏休みは暇なので大丈夫なのです。取り敢えず、予定に書き込んでおきましょう。
忘れたら、大変ですからね。
「分かりました、予定に書き足しますね。」
ルイスは、ノホホーンと笑って頷く。
結局、何処に行くんでしょう?まあ、何処でも良いのですが。準備もありますからね…。
「ああ、よろしく頼む。」
よーし、勝った!というか、ルイスの事だし海とか山を考えてそうだな。そう考えると、ルイス達のリアクションを楽しむのも良いかもしれないな。
トキヤも、頷いて書類を手に取って読む。
「ちなみに、グレンやハルトも誘ったっすよ。」
ルーカスは、入って来ながら言う。
「おや、予定より早く来れましたね。それと、2人が来るなら暇にはならなそうですね。」
良かった、2人が居るなら更に安心ですね。
ルイスは、カリオストロに呼ばれて一時退室。
「まあ、居ても居なくても暇にはならんと思うけどな。どうせなら、子供全員を喜ばせたいし。」
トキヤは、小さく聞こえない様に呟いた。
「そうっすね。リアクションが、楽しみっす。」
ルーカスも、微笑むとケーキを貰って食べる。
「すみません、薬草が足りないので出掛けます。」
ルイスは、装備を確認しながらバタバタと言う。
「分かった、行ってらっしゃい。それと、ルイスの考えだけど。まあ、俺達も頑張る…すまない。」
紙を置いて、真剣な雰囲気のトキヤ。ルイスは、無言で嬉しそうだ。そして、出掛けて行った。
「ありがとうございます。」
そう、言いながら足早に。
暫くして、グレンもログイン。しかし、ログインに時間がかかり過ぎた為に、直ぐにログアウトした。
トキヤは、そんな慌ただしいグレンを見送り、優しく微笑むのだった。ルーカスも、心配そうにグレンを見送り戦利品の整理を再開するのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます