第321話 作戦終了と和やかな時間

魔物達を討伐し、あとは儀式場所で神々が儀式をするだけの状態。ルイスは、プレイヤー達に戦闘準備する様に言う。ついでに、追加でプレイヤーの増援を送る。物資関係も、そのプレイヤー達に任せる。


「さてと、大丈夫そうですね。」


増援到着の報告を、素早く流し読みしつつ呟く。


「貴族達の横槍は、ゲレティー達が向かったよ。」


精霊王は、暢気に座りながら笑う。


「助かります。子供なせいか、どうしてもこの世界の貴族に舐められやすくって…困っていたんです。取り敢えず、不安要素は無くなりましたね。」


ルイスは、本当に嬉しそうに微笑む。


「そうだね。まあ、何とかなるでしょ…」


精霊王は、落ち着いた雰囲気で頷く。


ちなみに、ここに奇襲しに来ていた貴族が居たのだが、精霊王の指示で大精霊達が撃退していた。ルイスは、指示に専念していたので見逃していたのだ。


仮にこの場に、彼らが来れても瞬殺確定なので、特に問題は無いので万事OKなのだ。


「では、全ての増援の到着を確認しました。これより、最終作戦になります。皆さん、気を引き締めて参りましょう。それでは、作戦開始です!」


浄化の儀式を始めると、魔物が溢れてくる。


プレイヤー達は、戦闘を開始する。次々に、浄化され閉される門。抵抗が少なく、何とかなると思っわれていたが…抵抗する門がある。そして、黒い影が現れる。トキヤ達は、神々を見る。


神々は、大丈夫だと真剣に頷く。


出て来たのは、ゴシック服のロリ。しかし、明確な殺意を放っている。そして、低い声音で言う。


「聞いて良いかな、クリフォト様を満たした雌豚はどこ?嗚呼、嫉妬しちゃう!殺して引きちぎって、ぐちゃぐちゃにしちゃうんだから。教えろ!」


トキヤは、険しい雰囲気で神々を見ている。


「アンヴィ、帰るぞ…」


首根っこを掴み、後ろから現れた男が引きずる。


「ヤダヤダヤダ!クリフォト様は、僕達が満たす予定だったの!それを、横取りしてぇー!殺す!」


駄々っ子な、アンヴィをため息をついて引きずる。


「お前なぁ…。見た感じ、あの女から満たすつもりを欠片も感じなかった。恐らく、偶然なはず。」


疲れた雰囲気で、欠伸をしてなお歩く。


「パレスは、何とも思わないの!?」


「思わん。面倒な事は嫌だし、クリフォト様が元気なら良いんじゃない?取り敢えず、眠いし帰る。」


ため息を吐き出して、トキヤ達を見てから言う。


「あんたらの姫様に、感謝はしてる。だから、今回は大人しく帰るとする。けど、次はどうかな。」


そう、意味深に微笑むとパレスはアンヴィを引きずって去った。そして、門は閉じて浄化された。


「ルイス、やばい奴に興味を持たれたな。」


『僕じゃなくて、イスカが…ですよ。』


トキヤの声に、ルイスの疲れた声が聞こえる。


「気付いてたな。あの、パレスってやつ。」


『はい、パレスがクリフォトに同行してましたからね。それに、マーレイ様が僕の事を《彼》そしてグレンが僕の事を《ルイス》と呼んだので…。』


ルイスは、落ち込んだ雰囲気である。


「すまん…。それに関しては、俺のミスだな。」


グレンが、申し訳ない雰囲気で言う。


「けど、バラす気配が無かったな。姫様って、言ってたし。それも含めて、満たしたお礼ってか?それと、クリフォトって誰だよ。ルイス、説明しろ。」


『ゲレティー様の父親と同じ存在です。踏み入るのは、とても危険ですから関わらない様にお願いします。引き摺られて、戻れなくなりますよ。』


その言葉だけで、トキヤは納得した。


「お前が、1番やべぇーんだよな…。」


『まあ、僕は線引きが出来てるので。大丈夫だと、ゲレティー様達の言葉も受け取ってます。』


ルイスは、真剣な雰囲気で言う。全員は、やばい存在だと認識した。トキヤは、ため息を吐き出す。


「お前、最近さ…隠し事が、多くないか?」


『その方が、魅力的だと思いません?』


ルイスは、ちょっぴりお茶目な雰囲気で言う。


「……いざとなったら、ちゃんと頼るんだぞ?」


トキヤは、言葉を飲み込んで言う。


『その時は、勿論どどーんと頼るのですよ。』


ルイスは、無邪気な雰囲気であっさり流していく。トキヤは、ルイスのその態度で決意が固いと察してしまった。それは、マッキーも同じ様である。


「取り敢えず、作戦は完了だし戻るな。」


『はーい、皆さんの帰りをお待ちしてるのです!』


通話を切り、移動を開始するトキヤ達。帰ると、ルイスが宴会の準備をしていた。神々も混じり、楽しそうに酒盛りなどをしている。


「お兄ちゃん氏の、女姿見たかった…。やっぱり、デカかった?美人だった?良い匂いした?」


その言葉に、ルイスは思わず蒸せてしまう。


「おまっ…、何つー事を聞いてんだよ!」


トキヤは、思わず叫んでいる。


「俺も見たかったっす…」


ルーカスも、落ち込んだ雰囲気。


「中間くらい?美人だった、匂いは分からん。」


グレンは、暢気に答える。


「あー、お姉ちゃん氏の胸に飛び込んで、匂いを堪能しようと思っていたのに…。まったくぅ…」


レイは、欲望を思わず吐き出している。


「変態かよ!」


トキヤは、素早く突っ込みを入れる。


「あわよくば、胸を鷲掴みに…」


「アウトォー!」


マッキーは、素早く頭にチョップする。


「あ痛っ!もう、痛いなぁ…冗談よ。たぶん。」


ルイスは、ガタガタと震えている。


「ルイス、どういう育て方してんだよ?」


グレンは、困惑した雰囲気で言う。


「い、いや…アメリカ留学するまでは、まともで良い子だったんですよ?その、アメリカでいったい何が。と言うか、どうリアクションすれば…」


オロオロする、ルイスにレイは笑っている。


「それは、秘密かなぁ〜。」


「ちょっと、お兄ちゃんは心配ですとだけ。」


ルイスは、疲れた雰囲気で言うのだった。

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