第317話 とある国への対応
ルイスは、のんびりとしていた。今回は、breezeや名も無き同盟が率いている訳ではないからだ。
なので、ルイスものんびりと待機中している。
カロ達は、落ち着いたのか同盟メンバーに呼ばれていった。リリアも、優しい女性陣に囲まれている。
ルイスは、巫女服で本を読んでいる。
「ルイス、助けてくれ!」
グレンが、フリフリな魔法少女服の日焼けた、ハゲゴリラマッチョに追われている。
「太陽の女神様、ご機嫌よう。」
「あら、こんにちは。」
少しだけ、嬉しそうに立ち止まる。
「女神様は、恋する乙女の味方ですわよね?」
ルイスは、少しだけ照れる演技をする。
「そうね、恋する乙女ほど可愛いものはないし。」
太陽神は、楽しそうに笑う。
「ですが、彼には恋人が居るのですの。勿論、私ではありませんわ。女神様は、恋人ユンゼさんを不安にさせて、笑顔を曇らせてしまっているのです。」
ルイスは、困った様な悲しみの雰囲気で言う。雷に撃たれた雰囲気で、その場に固まりユンゼに駆け寄る太陽神。そして、優しく抱きしめて謝っている。
「俺の彼女に、抱きついてんじゃねー!クソ神!」
そう言って、神様を引き剥がしてユンゼを庇う様に抱きつくグレン。ルイスは、思わず笑ってしまう。先程の乙女さは、全くない素の笑顔である。
「ルイス、笑い過ぎだろ…。」
「烏丸さん、しっかり撮れました?」
ルイスは、振り返るという。
「ばっちりでござる。」
サムズアップして、烏丸はいい笑顔である。
「ちょっ、消せよ!こら、待ちやがれ!」
烏丸は、素早く逃げグレンも暗殺者になって追う。
「待てと言われて、待つ馬鹿は居ないでござる。」
「やーめーろー!こら、待ちやがれ!」
ルイスは、困った様にため息を吐いて、読書の続きを始めようとしている。すると、中学校メンバーがわらわらと来て話しかけて来る。ルイスは、本を直してから年相応に、のんびりと会話に混じる。
「また、みんなで何かしよーぜ!」
ユウユウが、暢気に言えば他の人も続く。
「お、馬鹿騒ぎ学園の追加動画か?」
「行くなら、何処に行くよ?」
すると、トモは考える雰囲気で言う。
「おれ、神狼フェンリル行きたい。」
すると、グレンが戻ってくる。
「なら、即死回避のアイテム必須だな。」
「何で?」
グレンの言葉に、ユウユウは聞く。
「道連れという特性があり、死に際にプレイヤー達に即死の呪いをかけて死ぬんです。勿論、普通に当たれば全滅してクエスト失敗となります。」
ルイスは、笑顔で説明する。
「なるほどぉ…」
すると、ルッツとシェフェンが来る。
ルッツ
日本サーバー、三大同盟の3番目に大きい同盟『大漁丸』の盟主。とても気さくで、明るい性格。曲がった事が嫌いで、正々堂々と真正面からぶつかるのが好きな戦闘クラン《海船》のリーダー。
シェフェン
日本サーバー、三大同盟の2番目に大きい同盟『フェアリーハート』の盟主。少し天然で、弾けるような明るい性格。お金大好きで、賭け事や儲け話が好き。商人クラン《輝夜》のリーダー。
「ルイスぅー!ごめん、失敗したわ!」
シェフェンは、泣きそうな雰囲気である。
「おやおや、何があったんです?」
すると、ルッツが説明する。代表が、女だからと話を受け付けないどころか、無理難題を押し付けようとして来たと。ルイスは、優しく相槌を打つ。
「言ってやれば、良かったのに…貴方達男が、だらしなく頼らないから女である自分が、出しゃ張るしかなくなったのだと。そこで、引くから舐められるのです。でも、良く苦手分野で善戦しましたね。」
アドバイスしながらも、優しく微笑むルイス。
「だが、このままだとやばいぞ。」
ルッツは、真剣に考えている。どうやら、ダンジョン近くの宿屋が法外な値段だったり。ダンジョンの入場料を、取る動きが有るのだという。
「なら、撤退して良いです。」
「だが!そうなれば、大変になるぞ?」
ルッツは、驚いてルイスをみる。
「宿屋は、住民の意思。入場料は、国の意思です。助けようとする、僕達の妨害をするのならば、助ける必要はありません。それで、滅んでも国のせいですから。ギルドに、手回しをお願いします。」
すると、カロとリリアは頷き走り去った。
「さてさて、今頃は国は大混乱。どう、責任を取るんでしょうね。撤退完了して、国は騎士を派遣しましたね。けど、少な過ぎます。宿屋まで、魔物が出て来て暴れたみたいですね。死者は、いませんが建物は全壊。口論が、絶えないみたいです。」
ルイスは、チャットを見ながら鼻唄。
「失礼します!代表の方に、お話が!」
「代表は、交渉に失敗したので私となりました。貴国は、私達を拒んだので助力を断念する事にしました。ですので、速やかにお帰りください。」
ルイスの拒絶に、騎士は絶望の表情をする。
「貴国が、責任の所在を明らかにし、こちらに誠意を持って謝罪すれば考えます。ですが、はっきりともの申しますと貴国のイメージは最悪とだけ。私達は、代表ですが個人への強制力は御座いませんからね。最悪、助力は無いと思っていてくださいな。」
すると、騎士は深く頭を下げて帰って行った。ルイスは、腹黒い微笑みでニコニコしている。
「ルイス、何を考えている?」
「ちょいと、お灸をすえただけじゃ駄目ですね。」
ルイスは、深いため息を吐き出す。
「ん?どういう事だ?」
「階級が、1番下の騎士。しかも、1人しか居なかったでした。まだ、舐めていますね。取り敢えず、ギルドや大きな組織への手回しは終わりました。」
カロとリリアから、手紙を受け取り流し読み。そして、満足そうに頷いて笑うルイス。神々も、興味深い雰囲気でルイス達を優しく見守っている。
「それで、どうするんだ?」
「暫く、放置します。ここで、手助けする素振りを見せると、後々に僕達以外のプレイヤーが困る事になります。だから、ここは我慢するしか無いのですよ。取り敢えず、近くの国を助けながらです。」
すると、全員が頷いている。中学校メンバーと、話の続きはLINEグループでする事にして解散する。そのまま、クランの代表達や参謀達と作戦会議をしていく。ルイスは、真剣に考えているのだった。
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