第314話 緊急依頼

ルイスは、ログインするとトキヤが真剣な雰囲気で走って来る。ルイスは、キョトンとして何かあったのかと急いで駆け寄る。トキヤは、困った表情。


「ルイス、お前宛に大量の手紙が来てる。そして、ベルトンが緊急依頼をしたいらしい。」


少しだけ、悩む様な雰囲気。


「緊急依頼?珍しいですね、予兆なしですか。」


ルイスは、考える雰囲気で足を速める。トキヤも、隣で頷いている。そして、苦笑してから言う。


「あるいは、俺達が見落としていたか…だな。」


「取り敢えず、話を聞いてから考えます。」


ルイスは、部屋に入るとベルトンが、カロに攻撃されている。ルイスは、無言で立ち止まってしまう。


「毎回、厄介事を持って来やがって!」


カロは、激怒した雰囲気である。


「厄介事…。」


ルイスは、思わずカロの言葉を呟く。


「確かに、厄介事を持ち込んだのは事実だよ。けれと、最終的な決定権はルイス君にある。」


ベルトンは、困った様な申し訳ない雰囲気。


「取り敢えず、お話だけ聞きましょう。聞いたら強制とか、面倒な場合はお断りしますけど。」


「そんな事、しないよ。君達とは、出来るだけ仲良くしたいし。敵対は、絶対的に避けたい。僕自身、本音を言えば君達に嫌われたくないからね。」


ベルトンは、優しく笑うと事の始まりを話し出す。


最初に、異変が起きたのはエルフ国の未開放ダンジョン。国が、ダンジョンとして成り立つのか、調査中のダンジョンだった。最初は、変異種やイレギュラーだと思っていた。しかし、国の調査隊は全滅した事がプレイヤーによって報告された。


そして、複数の国でその異常事態が発生していた。


力のあるギルドや同盟が、中心となり調査と出来るならば解決をして欲しい。これは、ギルドだけでなく国からのお願いでもある。勿論、拒否権もある。


「イレギュラーじゃない?それって…」


ルイスは、思わず青ざめる。トキヤも、険しい雰囲気である。かつて、この現象で数多の国が地図から消え去った。そして、この現象は太古より神々の試練だとされていた。実際は、ダンジョンの暴走。


「新たに、ダンジョンマスターが生まれたのか?」


トキヤは、険しい雰囲気のまま言う。


「実は、僕も1つ入ってみたけど居なかった。」


ベルトンは、真剣な雰囲気である。トキヤは、驚いて固まる。そして、深刻そうな雰囲気で考える。


「国々は、どう考えて居るんですか?」


「それは、手紙を見て判断してくれるかい。国々の会議に、参加したけど大変だったよ…。」


ベルトンは、疲れた様に笑って言う。


「取り敢えず、見てみますね。」


ルイスは、手紙を無言で読んで行く。トキヤは、ルイスが読み終わったものから読む。ちなみに、ルイスは表情が変わらない。トキヤは、時折だが激怒を隠さずにいた。ルイスは、手紙から目を離して。


「礼には礼を、しっかりと返します。こちらを、舐めてかかるなら捨て置くだけです。それで、国が滅ぶのならば…この先、生き延びても国は長くは続きません。寧ろ、民から恨みをかうでしょう。」


ルイスの言葉に、全員が頷く。ルイスは、手紙に視線を戻してから、不愉快そうに深いため息。


「取り敢えず、同盟メンバーに話してみます。」


「ありがとう。とても、助かるよ。」


ルイスは、左側に重ねた国の手紙をベルトンへ。


「この手紙は、断らせてください。可愛い子供達に、危害を加えるなどの脅しなど、不愉快な内容の手紙でしたので。それと、敵対宣言もします。」


「分かった、次の国会議で返却と伝言は伝える。」


ベルトンは、真剣に頷いてから立ち上がる。


「我々の為に、親切かつ紳士に向き合ってくれてありがとう。感謝の言葉しか、浮かばないよ。」


ベルトンは、深く頭を下げて感謝を示す。


「まあ、先輩のお願いですからね。」


腕を組み、うんうんと頷くルイス。


「だから、その先輩ってやめなさい!」


そこで、メンバー全員の力が抜けたのか笑う。ルイスは、いつもの雰囲気に戻りチャットを打つ。


その5分後、緊急依頼と聞いて素早く集まるリーダー達。そして、話し合いし準備を開始した。




ルイスは、始まりの街にある未開放ダンジョンに向かう。ルイスにとっては、雑魚だが初心者向けではないダンジョンになっていた。そして、最奥に着いて無言で調べる。すると、血の痕がある。


ルイスは、誰かやられたのかと周囲を見渡す。


骨は落ちてない、調べてもここにプレイヤーが来た痕跡はない。ルイスは考えてると足音がする。


「血の痕だな、しかもまだ新しい…」


カリオストロは、落ち着いた雰囲気で言う。


「カリオストロ、着いてきていたんですか?」


「今回の案件、面倒そうだ…。」


ルイスの言葉を無視して、カリオストロは壁に向かい歩き出す。ルイスは、目を丸くしている。カリオストロが、壁をすり抜けて行ったから。


「ここは、ダミー部屋だったと…」


ルイスは、更に奥に進み呟く。


「そうだ。かなり、高度な隠蔽術だな。」


カリオストロは、待ってたのか歩き出す。


「これは…」


ルイスは、思わず動揺する。


「確定だな。ダンジョンの暴走は…」


カリオストロは、目を背けながら言う。


「「何者かによって、故意に起こされている。」」


2人同時に、呟くのだった。


儀式した痕跡が、かなり残った部屋を見渡した。そして、ベルトンを呼び出した。ベルトンは、部屋に入ると青ざめて険しい雰囲気である。


「ルイス君、これやばいかも…」


「聞きたくないですが、聞きましょうか。」


ルイスは、深いため息を吐いて言う。


「これ、この世界最も残酷かつ最悪とされる、禁忌の呪いの1つだ。今の僕では、浄化不可能…。」


ルイスは、無言で頭が痛そうに現実逃避。


「神様の試練、ヤバすぎません?」


「過去に、数多の国々を滅ぼしただけはある呪いだからな。俺も、目にするのは初めてだが。」


カリオストロが、珍しく嫌そうな顔をしている。ルイスは、ゲレティーと話してみようと決意する。


そして、取り敢えずベルトンが何かの魔法を使い、解散するのだった。ルイスは、教会に急いだ。

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