第312話 犬猿タッグ

ルイスは、手を組み深刻な雰囲気である。目の前には、正座をしてオロオロするトキヤとレイ。


「2人とも、今回はやり過ぎなのです。」


ルイスは、少しだけ低い声音で言う。


「「ごめんなさい…」」


同時に、謝る2人にルイスはため息。


「次にしたら、僕もいろいろ考えるのですよ。それにしても、何で2人とも正座しているんです?」


ルイスは、後半に疑問をぶつける。


「いや、何となく?その、無意識にだな。」


「うんうん、お兄ちゃん氏が怒るとそうなる。」


ルイスは、座る様に言うと話出す。


「今日から、2人にはタッグを組んで貰いたいのです。そろそろ、タッグバトルコロシアムが始まるので。それを、目標にして頑張ってくださいね。」


ルイスの言葉に、苦笑する2人。


「所謂、教育期間ってことか?」

 

「はい、その通りです。いくつか、クリアしないといけない基準や目標があり、達成したらご褒美を貰える様にしてみました。チャットに、送ります。」


それを見て、トキヤは素早くチャットを見る。無理のない範囲で、常識的かつ難易度も悪くない。何より、報酬があるのはモチベーションが上がる。


「タッグバトルコロシアムに、出るかは自由なんだな。まあ、レイは絶対に出ないと駄目だけど。」


「対人戦は、慣れていた方が良いと思うのです。」


ルイスは、真剣な雰囲気でトキヤに言う。


「だな。取り敢えず、分かった。」


そう言うと、レイについて来る様に言うのだった。レイは、キョトンとしてついて行くのだった。


「じゃあ、暫くは個人で動く感じっすか?」


「はい、イベントもありませんし。」


ルーカスの言葉に、ルイスが頷く。グレンは、友達と狩に行っている。ルイスも、最近はリル達と何処まで戦えるかチャレンジをしている。


チャットが、急激に動き出す。


「あらま、早速の弱音ですか。」


「まさか、トキヤさん…」


トキヤが、レイを虐めてるのかと固まるルーカス。しかしながら、ルイスは2人の性格をよく知っている。なので、ルーカスの反応に思わず笑う。


「トキヤさんは、こういう頼まれ事に私情は挟みません。純粋に、指導しています。レイは、自由奔放な性格ですし、最初にこうなるのは予想内です。」


ルイスが、苦笑しながら言えば納得する。


チャットは、まだまだ続く。トキヤも、打ってるので文面も長かったりする。トキヤのは、どういう訓練や指導をしたのか、わかりやすく書かれている。


レイは、やってみて上手くいかない事を愚痴として書いている。トキヤは、それを見て言葉では言い表せない部分を読み取っているのだ。現に、対応したコメントと映像リンクが貼られたりしてる。


ルイスは、大丈夫そうだとひとまず安心。


さて、いつまで待つかと苦笑するのだった。


カロ達は、ルイスを見ている。自分達には?という事なのでしょう。素早く、考えて作るルイス。2人は、気合い入れて駆け出すのだった。

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