第298話 復興作業

取り敢えず、ゲレティー様のお言葉で教会の人達が名指しで断罪されました。これから、復興に入る訳でありますが。ここは、協力していきましょう。


「ラズさん、神殿の治癒師で3人グループ作ってください。同盟メンバーを2人ずつつけるので、怪我人の救助や治療を巡回しながらして欲しいのです。勿論、ポーションはbreezeの物を支給します。」


「かしこまりました。直ぐに、行動いたします。」


同盟メンバーは、ルイスの言葉を待っている。


「ルイス、オレ達にも指示くれや。」


他のプレイヤー達も、笑顔で協力を申し出る。


「ありがとうございます、助かるのですよ。」


ルイスが、嬉しそうな雰囲気で感謝を告げる。しかし、プレイヤー達は当たり前だろ?っと笑った。


「ルイスさん、実はお願いが有ります。」


生産ギルドのマスター、レベルカが来る。


「住民に、炊き出しをしようと思うのですが、生産ギルドの倉庫が荒らされておりまして。食糧は全て全滅、素材も燃やされたりと被害が大きいのです。そこで、breezeの食糧庫から少し分けて貰えれば助かるのですが。その、返せるものがなく…。」


つまり、食に困る住民の為に炊き出ししたい。けれど、食糧庫が襲われて全滅だから食糧を分けて欲しい訳ですね。良いですよ、うちの食料庫は地下なので無傷なのです。お店の物も、全てアトリエに避難させたのでお店は空っぽでしたし。お店の建物以外は、無傷なのですよ。さてと、それでは指示を。


「キリアさん、バロンさん。」


「「了解しました。」」


2人は、優しく頷いてお店に向かう。


「誰か、手伝いと護衛を。」


「なら、僕達が行こうかな。」


セロンが、暢気に笑ってメンバーに指示を出す。


「はい、よろしくお願いします。」


ルイスは、のほほーんと笑って言う。


「崩れた建物の撤去を、他はお願いします。建築スキル持ちは、撤去が終わった場所から建築を。出来れば、冒険者ギルドと生産ギルドを優先して、そこに住民達を避難させたいですね。大丈夫です?」


すると、全員がOKと笑う。ギルドマスター達も、驚いてから優しく笑う。ルイスは、ぼそりと言う。


「復興寄付、何処に渡せば良いのでしょうか?」


「それなら、ベルトンさんが良いでしょう。」


ルイスは、ゴールドの入った袋をどさっと渡す。すると、同盟メンバー達も次々に復興資金を寄付。そして、他のプレイヤー達もそれに続いた。


外国人プレイヤー達も、申し出たが断られていた。


「料理スキル持ちは、炊き出しの手伝いを!」


ルイスは、再び指示を出す。皆んな、協力的で自主的に動いてくれるのでとても楽だ。


「リーダーは、副リーダーと巡回。臨機応変に、人手が足りない場合はフォローとかを。何か有りましたら、復興活動掲示板にて書いてください。こちらで、なるべく早く指示を出して対応します。」


ルイスの言葉に、全員が頷いて動き出した。


「ルイスは、ここで指示出しやら調整やら頑張ってくれ。トキヤは、フォローすれば良いしな。」


マッキーは、そう言うと瓦礫の除去に向かった。


「暫く、お店は開けないな。」


「物を避難させてて、正解でした。お店は、壊されてしまいましたけど。思い入れがあるだけに、とても悲しいですが今は顔に出さない様にします。」


ルイスは、苦笑して掲示板を見て指示を書く。


「お疲れ様、冷たいお茶を持って来たよ。」


ベルトンは、お茶をルイスとトキヤに渡す。


「ありがとうございます。先輩は、炊き出しに言ってください。勿論、イメージ回復の為に…。」


ルイスは、考える雰囲気で言う。トキヤも、隣でそれが良いと頷いている。ルイスは、無言になる。


「先輩って、やめてくれる?僕の事は、ベルトンで良いよ。それと、聞きたいんだけど…何処まで踏み込んだ?アレが、君に近づいたんだし教えて?」


頷いてから、心配そうに真剣に聞いていた。ルイスは、素っ気ない雰囲気で見た本の題名を告げる。


「聖人殉職者カルテと、世界手記それと化身衝突戦記の3冊です。それ以上は、やばそうなのでやめました。最小限の知識で、充分なのですよ。」


すると、少しだけ落ち着いてから安堵に笑う。


「偉い!ちなみに、内容は他の人には?」


ルイスは、顔を上げて呆れた雰囲気だ。


「あんな事、言える訳がないです!絶対に、教えたら僕以外のメンバーにも干渉して来ますよね?」


ベルトンは、真剣に頷いた。


「やれやれ、僕は忘れる事にしました。」


冷たいお茶を飲み、深いため息を吐き出す。


「うん、それが良いよ。取り敢えず、僕は炊き出しに行ってくる。ルイス君、ありがとう。」


そう言うと、ベルトンは爽やかに笑って去った。ルイスは、トキヤを見るとトキヤは言う。


「あの子供、そんなにやばいのか?」


「存在としては、やばくないです。しかし、思考がやばいですね。無自覚に、恐ろしい事をします。」


「そっちか、太刀が悪いな…。」


トキヤは、それだけ言うと関わらないと決めた。


復興作業は、予定よりも早く5日間で終わった。


後残るは、breezeのお店だけである。ルイスは、建築士に希望と前の店のデータを渡した。そして、そのままアトリエに帰るのであった。


ベットに入り、ログアウトするのだった。

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