第283話 仮実装お試し
取り敢えず、運営さんと再度に打ち合わせして、仮実装を体験する事になりました。ここで、衝撃的な事実が分かったのです。本部ギルマス、本名ルドカリムというらしいです。え、誰ですかね?
ここで、疑問が出て来ました。
前のギルマス、ベルトン…その、瓜二つの容姿を持つルドカリムはいったい何者なのか…。
ちなみに、察しているかもしれませんが…既に、ベルトンは死んでいました。副ギルマスや秘書も、何か知っている雰囲気でした。
けれど、はぐらかされました。
取り敢えず、人違いとはいえきっちりと謝罪。
ルドカリムは、軽く笑いながら許す。ちなみに、ギルド本部からクエストを出す時は複数人で、会議して決めるとも優しく伝えた。運営さんも、前の運営が良くなかったからそうなっただけと説明した。
「3人の盟主さん、今の僕はベルトンだ。だから、入れ替わっている事は秘密にして欲しいんだ。」
無言で、頷く3人にルドカリム…いや、ベルトンは嬉しそうに笑った。ルイスは、胸騒ぎがする。
「取り敢えず、解散ぁーん♪」
2人は、素早く帰ってしまうが立ち止まるルイス。
「うーん?ルイス君は、帰らないのかい?」
ベルトンは、苦笑しながら聞く。
「何でしょう、こう…言葉に出来ない不安が…」
「駄目だよ。それ以上、君は踏み込むべきじゃないと思うんだ。踏み込めば、戻れなくなるよ?」
ベルトン…ルドカリムは、真剣な雰囲気で言う。
「まあ、君が聖帝の称号を取るなら別だけど。」
それで、察してしまった。この人は、神聖者達を襲った悲劇を知っている。プレイヤーが、神聖者になるには聖帝の称号を持つ事も、条件に入っているからだ。直感や真実の瞳などの、危機察知や看破系のせいで引っかかるし、分かってしまうのだ。
「もし、入れ替わりがバレたら…どうなります?」
ルイスは、冷や汗ながらに聞く。
「……君の想像にお任せするよ。」
いつもより、低い声音で意味深な微笑み。つぎの瞬間に、ルドカリムはいつもの表情になる。
「さぁ、帰ろ!可愛い、僕の奥さんが待ってる。」
「そうですね。僕も、癒しが欲しいです。」
ルイスは、疲れた雰囲気で言う。ルドカリムは、ルイスがあっさりと乗った事に一瞬だけ驚く。
「では、僕はこれで失礼するのですよ。」
手をひらひらと振り、振り向く事なく帰るルイス。
ルイスが居なくなってから、ルドカリムは深いため息を吐き出す。そして、ゆっくり手袋を外すと左手を見る。その手は、醜く真っ黒くなっていた。
「ゲレティー様、何とか乗り切りました。」
1人で、心苦しそうにポツリと呟くのだった。
さて、お試しなのですよ!
まずは、ゲリラ戦イベントですね。
イベントフィールドに、入った途端に仮サーバーが落ちて、フィールドダウンという真っ暗状態になりました。そのまま、白い部屋に強制ワープ。どうやら、全員は無理そうですね。さてさて…
「取り敢えず、入れる人数を把握したいですね。」
ルイスは、考える雰囲気で言う。
「OK!2人ずつ、入ればわかるだろう。」
ルッツが、頷いて仲間に指示を出す。
だいたい、50人で動きがカクカクに。60人で、フィールドダウン。70人で、サーバーが落ちた。
「サーバー強化が、必要かな?」
シェフェンが、可愛いらしく首を傾げる。
「必要だろ、ゲームどころじゃねぇー。」
ルッツは、苦笑しながら言う。
「ルールとゲームせいは、問題ありませんが。エネミーとbotとプレイヤーの3パターンですか。」
ルイスは、考える雰囲気である。
新レイドは、敵が強過ぎるので調整確定だ。新機能も、バグ等の注意点も特に無さそうである。
そして、成長武器…
これは、いろいろと問題となった。パワーバランスや、ベテランプレイヤー不利などだ。新しい要素、なので、実装は夏に見送られた。こうして、報酬を受け取り帰ることになるのだった。
ルイスは、無言で調べ物をしていた。そして、探していた内容を見つめ、小さく呟いた。
「革命が起きそうですね…」
ルイスは、嫌そうに苦笑したのだった。
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