第282話 会議室にて…

取り敢えず、ギルドの会議室に通されました。どうやら、まだ全員は揃っては居ない様です。取り敢えず、お知らせを見て案件を頭に入れるルイス。


「よう、ルイス。最近は、同盟で暴れてるか?」


「ルッツさん、こんばんは。それと、暴れるのがうちの通常みたいに言うの止めてください?」


挨拶してから、冗談っぽい雰囲気で笑うルイス。


ルッツ

日本サーバー、三大同盟の3番目に大きい同盟『大漁丸』の盟主。とても気さくで、明るい性格。曲がった事が嫌いで、正々堂々と真正面からぶつかるのが好きな戦闘クラン《海船》のリーダー。


「すまん、すまん。けど、最近は暇だったしな。」


ルッツは、豪快に笑いながら言う。


「革命とかは、参加しないんです?」


「英語がな…。翻訳機能だと、すれ違いとかも出るって聞くし。ルイスは、英語は出来んの?」


ルイスが、革命の話題を振ると苦笑するルッツ。


「少しですが。うちには、英語ペラペラな大人が居ますから。頑張って、勉強しました。」


ルイスが、苦戦したと笑いながら言えば、ルッツもそうかそうかと笑う。すると、女性が来る。


「やっほー、面白そうな話をしてるわね?私も、混ざっても良いかしら?儲けそうな、良い案件?」


「シェフェンさん、こんばんは。」


シェフェン

日本サーバー、三大同盟の2番目に大きい同盟『フェアリーハート』の盟主。少し天然で、弾けるような明るい性格。お金大好きで、賭け事や儲け話が好き。商人クラン《輝夜》のリーダー。


「革命って、やっぱり美味しいかしら?」


真剣な雰囲気で、ルイスを見ている。


「ぶっちゃけ、勝てばもの凄く美味しいです。負ければ、大損で絶望的ですが。一種の賭け事だと、思うと想像しやすいですかね。」


ルイスは、考える雰囲気で2人に説明する。


「ちなみに、今の所ルイスは負けなしだ。」


マッキーが笑いながら言うと2人は驚く。


「今の言葉を、正しく訂正するのならば。負けなしではなく、いかに自分の賭けを革命の軌道に乗せるかです。小細工は、勿論ですが策士の駆け引きで、いきなり立場逆転してしまいますし。現に、最初は後手に回ってしまい、かなり苦労しましたから。」


ルイスは、軽く苦笑しながら言う。しかし、2人は尊敬の眼差しでルイスを見る。運営さん達も、革命には力を入れているのか話を聞いている。


「俺も、チャレンジしてみっかな?」


考える様に、呟くルッツ。


「私も、気にはなってたのよね…。」


シェフェンも、思考を巡らせる。


「初心者には、キツイと思います。推奨も、200レベルからですし。それに、革命によってルールも変わります。それだけは、注意してくださいね。」


少しだけ考え、シェフェンは聞く。


「ねえ、革命の動画とかないの?」


ルイスは、全力で視線を逸らす。


「無いですね。」


「嘘が、下手かよ!」


素早く、ルッツが突っ込みを入れる。周りから、笑い声が聞こえる。そして、少し考えてから。


「そうです、公式さんがそれこそ出している動画が有るのですよ。ダイジェストみたいな…」


ルイスは、思い出した様に頷く。


「マッキー、こいつ何したの?」


「ノーコメント!ってか、俺に振るな!」


ルッツは、マッキーに暢気に聞く。マッキーは、どう答えるか迷ってから断る雰囲気で言う。


周りからは、賑やかな笑い声がする。


「相変わらず、いろいろやらかしているのね…。」


呆れた雰囲気で、ルイスを見るシェフェン。


「ち、違うのです。これは、適材適所なのです。」


苦しい言い訳だが、周りは優しく笑いスルーする。


「取り敢えず、日本サーバーは今日も平和だし、海外の革命に乗り込むしかねーか。」


暢気に、笑うルッツ。


「僕は、暫くは遠慮したいですね。というのも、かなり疲れるんですよね…革命って。もう、少し前に参加してお腹いっぱいなのですよ。」


ルイスが、深いため息を吐き出して言えば、名も無き同盟のメンバーも同意する様にうなずく。


「大変なんだな。」


「そうですね。」


ルッツの言葉に、ルイスは頷いて笑う。


「ちょっと、私も調べてみようかしら。」


暫くすると、ギルドマスターのベルトンが来る。


「やあやあ〜、待たせたね。」


『黙れ、クズ…』


ルッツとシェフェンを含む、全員が威圧する。


「はーい、すみません。取り敢えず、楽しそうに話している所に申し訳ないね。今回は、緊急なんだけど報告してた仮実装について、協力して欲しい。」


ベルトンは、ふざけた雰囲気を一変させて後半を言う。取り敢えず、怒りをおさえ座り直すルイス達。マッキー達も、無言で話を聞く雰囲気になる。


「うん、ありがとう。それじゃあ、説明するよ。」


ベルトンは、運営を見れば運営さん達は頷く。そして、今回ルイス達に試して欲しい詳しい内容を説明する。そして、質問等をして会議は終わる。


「それでは、皆さん協力をお願いします!」


運営さん達が、頭を深く下げる。そして、運営さん達は素早く撤収して行った。残るプレイヤーたち、それとギルドマスターであるベルトン。


「そうだ、ギルドでもイベントしようかな?」


「やめろ、クソギルマス!」


ベルトンの何気ない一言に、殺意すら感じる雰囲気で止めるプレイヤー達。この、ギルマス本当に碌なことしないのだ。βでさえ、振り回されて来たのだから、この態度も仕方ないと言えるだろう。


「えぇー…、残念だなぁ〜。」


少しだけ、落ち込んだ雰囲気のベルトン。


「クソイベ反対だ!」


ルッツは、挙手しながら言う。


「ゴミ報酬反対よ!」


シェフェンも、台パンしながら言う。


「クズシナリオ反対です!」


ルイスは、不機嫌そうに言う。そして、最後にその場の全員が同意して騒ぐ。ベルトンは、苦笑する。


「分かった、分かった。取り敢えずは、保留にしとくよ。じゃあ、僕は忙しいからここで。」


そう言うと、逃げる様に去るベルトン。


「何とか、阻止しねぇーと…」


苦々しく、頭を掻くルッツ。


「何か、何か作戦はないの?」


焦った雰囲気で、思考を巡らせるシェフェン。


「副ギルマスのエルナさんに、ギルマスを止めて貰うか…。秘書のロイネさんに、監視させるしか無理でしょうね。あ、奥さんのルミスさんなら止められるかも?奥さんの事、溺愛していますしね。」


ルイスは、真剣な雰囲気で考えをまとめる。それが無意識に、言葉に出てしまい注目を集める。


『それだ!』


全員が、思わず叫ぶ。


「取り敢えず、俺は秘書さんを探す!」


ルッツは、素早く会議室を出て行った。同盟の大漁丸メンバーも、素早く会議室から出て行く。


「副ギルマスは、任せても良いかしら?」


シェフェンは、ルイスを見て聞く。


「はい、大丈夫ですよ。」


ルイスが、ゆっくり頷けばシェフェンは、同盟のフェアリーハートを連れて会議室を出た。


ルイスは、深いため息を吐き出す。


「それでは、僕達も動きますかね。」


ルイスも、ゆっくり立ち上がり会議室から去る。


ちなみに、ベルトンは秘書に妨害され奥さんには雷を落とされ、更には副ギルマスから大量の仕事を押し付けられる羽目となる。阻止成功!

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