第276話 ゆっくりのんびり

ルイスは、サーバーを渡り歩き買えるレシピや貰えるレシピを集めて行く。結論、1週間と少しがあっさり経過していた。残り3日、何をするか迷う。


「むぅ…、レシピコンプがこんなに早いとは。」


取り敢えず、コーヒーを飲みながら呟く。


ダラダラ…のーんびり…


おや、日本サーバーでお花見イベントですか。ふむふむ、また皆んなでお花見したいですね。そうです、素材集めしてお花見スイーツを作るのです!


ふんふん、ふふーん♪


ルイスは、上機嫌で料理を作っている。春には、従姉妹が入学して来る。どうやら、叔母さんが海外在日期間が過ぎて帰国するらしい。それに、従姉妹である麗奈がついて来る様なのですよね。あはは…


ちなみに、麗奈と時矢さんは弓道場に通っていて、麗奈いわく超えたい壁だったらしいです。


しかし、どんなに追いつこうとあっさりと抜かれてしまい。時矢は、麗奈の事を煩く喧嘩を打って来るガキと認識しているとしって、不貞腐れてしまったのだ。見れば、喧嘩している事には間違いない。


ルイスは、良く仲裁役をしていた。


と言うもの、時矢に取って瑠衣は可愛い弟の様な存在で。麗奈にとっては、幼い日に自分を孤独から救い出してくれた、太陽の様なお兄ちゃんだから。


だから、瑠衣が出れは素早く解決したのだ。


瑠衣は、勿論だけど大した事をしたつもりはない。麗奈が、長い日時の間に寂しくない様に、毎日の様に家に通い家事をしていただけだ。たまに、お外に遊びに誘い気分転換も一緒にしていた。


だから、麗奈は瑠衣にとても救われていた。


だからこそ、救いたいとも思っていた。瑠衣が、幼い頃から孤独だった事実を知ったから。


しかし、瑠衣が荒れなかったのは母方のお爺ちゃんである、誠司お爺ちゃんが毎日の様に来てたから。そして、木漏れ日喫茶でお菓子を奢ってくれてた。だからこそ、亡くなった時はとても悲しかったのだが。そこから、瑠衣は一人になってしまった。


瑠衣は、お爺ちゃんを真似て家を訪ねていた。


勿論、麗奈の母親は感謝しかなかった。おかげで、娘に嫌われることも無視される事も無く、早く帰れば3人で料理をする事もあったからである。


こういう経緯から、麗奈は瑠衣を尊敬していた。しかし、親の都合でアメリカへ行ってしまった。


ルイスは、味見をしながらのほほんと笑う。今年の花見は、一緒に出来なさそうですが、FLLを始めるらしいので暇にはならなそうだと。


しかも、雪音とは小学生の頃の先輩後輩の関係。


いろいろと、賑やかになりそうですね。っと、思わずため息混じりに微笑む。ルイスは、アメリカサーバーにまだいる麗奈…レイとの出会いを楽しみにするのだった。しかし、意外とそれは遠い様だ。


何故なら、マッシュ達のクランに仮加入しているから。ルイスは、思わずクスクスと笑う。


「ルイス、楽しそうだな?」


グレンとルーカスが、部屋に入って来る。


「はい、今年も楽しみが多くて困ります。」


ルイスが、機嫌が良さげに微笑めば、2人も思わず笑う。ルイスは、道具を片付けると振り向く。


「ルイスの兄貴、暇そうなら春イベやるっすよ。」


「わざわざ、迎えに来てくれたんですか?」


ルイスが、少しだけ驚いた雰囲気で言えば。


「勿論だ。でっ、帰れそうか?」


グレンは、笑いながら首を傾げる。


「心残した事が、あるのなら手伝うっすよ?」


ルーカスも、頑張る雰囲気で笑いながら言う。


「それでは、目標は達成しましたし。僕のお家に、僕の帰る場所に帰りましょうかね。」


そう言うと、サーバー移動して日本サーバーに帰るのだった。これから、楽しい日々が始まる。


ルイスは、笑わずにはいられなかった。




とある日、LINE…


麗奈:お兄ちゃん氏、従姉妹のピンチであります。


瑠衣:ん?また、トラブルです?


麗奈:え、何でわかったの?エスパー?


瑠衣:昔から、変わってませんね…その癖。


麗奈:取り敢えず、お兄ちゃん氏 help me!


瑠衣:それで、どうかしたんです?


麗奈:えっと、VRの設定の仕方が…


瑠衣:それなら、雪音さんに聞けば良いのでは?


麗奈:え、先輩もFLLやってるの?


瑠衣:はい、そうみたいです。


麗奈:ありがとう、そうする。


瑠衣は、やれやれとスマホをスリープモードに。そして、ゆっくりと木漏れ日喫茶から出るのだった。

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