第274話 壁を壊したくて

さてと、トキヤさん達は行ってしまいました。さてと、これからどうしましょうか。


「失礼する。これから、お前はどうする?」


「取り敢えず、裏切り者を追い出します。」


ルイスは、真剣な雰囲気で言う。


「……取り敢えず、リーダー達が呼んでいる。」


男は、頑張って言っている。


「え?」


ルイスは、驚いて一瞬だけ固まる。


「取り敢えず、伝えたからな。」


そう言うと、男は去って行った。ルイスは、少しだけ考えてから立ち上がる。そして、伸びをする。


どうせ、嫌味や批判を言われるのでしょう。


本当、付き合ってられないのですよ。


取り敢えず、狐になって散歩しながら考え事をするのです。どうせ、僕が居なくてもあちらのリーダー達が、上手くやるでしょう。取り敢えず、防衛がやばそうな場合だけ参加します。そうしましょう。


「リル、ソル…お散歩という名の見回りに…」


言葉の途中で、コチラに向かって来るリーダー達を見つける。ルイスは、無言で子狐になる。すると、リルとソルがルイスを隠す様に座る。


「あいつ、逃げやがった…。防衛、俺達に丸投げかよ!いろいろ、話し合いしたかったのに…。」


「まあ、ずっと嫌味な事しか言ってなかったし。」


苦笑して、部屋を出て行くリーダー達。ルイスは、キョトンとしてから首を傾げる。


んー?えっと、話し合い?いや、だって僕は要らないし好きにやらせて貰うって、自信満々に言ってたじゃないですか。それに、コチラがやる事なんて限られていますし。さてと、お散歩なのです。


トキヤさん達、大丈夫でしょうか?


ちょっとだけ、心配なのですよ。取り敢えず、バーズさんに協力して貰いながら動きます。


裏切り者を、見つけました。


「取り敢えず、除名をお願いします。」


「分かった。」


さてと、気づいて激怒してますね。まあ、二つのクランから除名されたのですから。クランボーナス、メンバーボーナスが貰えなくなるのは痛いはず。


割に合わないと、イベントエリアから抜けました。


そして、終わる頃にエリアに入って参加ボーナスを貰う予定なんでしょうね。ですが、彼らは知らない様です。革命イベントに、2日は居ないと参加ボーナスは貰えません。更に言うのであれば、イベントエリアから出ると参加日数がリセットされます。


ふふっ、これで彼らは大赤字になります。


さてと、裏切り者は追い出せましたし、ダメージも与えました。彼らも、立場的にバーズさんに強く言えないはず。取り敢えず、もう参加日数もリセットされましたしエリアには来ないでしょう。


トキヤさん達、上手くやってくださいね?




取り敢えず、ルイスに言われた通りに中立軍に入ると美女が現れた。そして、俺達を転移させた。


一応、イベントエリアになっている。


「あれが、災厄の魔獣…」


マッシュは、険しい雰囲気である。


「あっち、心配過ぎて集中できない…。」


トキヤの言葉に、思わず苦笑するレイドメンバー。


「大丈夫だ。あいつらも、大人気なかったと反省していたからな。あとは、ルイスしだいかな。」


ブレイブは、困った雰囲気で笑う。


「それこそ、失敗して我らが盟主様を呼ぶ羽目にはならない様にしなきゃな。じゃあ、やるか。」


マッキーは、ノリノリで言えば同盟メンバーは明るく笑う。それだけで、不穏な空気はなくなる。言い換えれば、それだけ仲間達はルイスの事を信頼しているのだ。そして、絶対に迷惑をかけたくない。


その、30分後…


「やっぱり、ルイスも来て欲しかったかも!」


悲鳴混じりに、先程の言葉を撤回するマッキー。


「エグい、エグい…。このままだと、死ぬ!」


トキヤも、息を吐き回避しながら叫ぶ。


「どうする、このままだと…ルイスゥー!」


グレンは、泣き言を言いながら叫ぶ。ルーカスは、言葉を話す余裕も無いのか無言である。ちなみに、龍人達は既に死んで蘇生が間に合ってない。


「撤退!一度、立て直すぞ!」


トキヤの言葉に、撤退する。グレンは、チャットするか迷う雰囲気である。トキヤ達は、苦笑する。ルーカスは、真剣な雰囲気でチャットする。




ルイスは、チャットを見て真剣に考える。


「やっと、見つけ…」


「ちょっと待て、今は話しかけるな。」


ルイスを、見つけた男を隣の男が止めた。全員が、真剣にチャットを見て考え込むルイスに見惚れる。それ程に、ルイスから頼もしい雰囲気が出ていた。ルイスは、疲れた雰囲気で息を吐き出せば、全員が我に戻り歩き始めた。ルイスは、キョトンとする。


「おや、どうかしました?」


「それは、こっちの台詞だ。」


ルイスは、あちらの現状を教える。


「それで、お前はどうする?」


「どうしましょうかね。」


ルイスは、明るく笑っている。しかし、男達とて引かない。ルイスは、キョトンとしている。


「チッ、俺達も仲間だろ?1人行動やめろ!」


「おいこら、仲良くしたいんじゃ無いのかよ。」


すかさず、突っ込みを入れる隣の男。


「僕が居なくても、防衛は出来てます。なので、僕も参戦しちゃいましょうかね。楽しそうですし。」


ルイスは、年相応の無邪気な雰囲気で言う。


「大変だ、でかいの来た!」


防衛の見張りの1人が、慌ただしく走って来る。


「またか、あれ倒すの時間かかるんだよな…。」


「魔物も来てるんだよ。」


ルイスは、落ち着いた雰囲気で指輪を外した。


「では、行く前に大掃除でもしましょうか。」


龍人姿のルイスに、全員が驚くのだった。

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