第267話 会議

ルイスは、小さく息を吐き出し、ゆっくりと目を閉じる。すると、ドアが開きジェイド達が部屋に入ってくる。トキヤ達は、無言でなるべく音を出さない様に座る。ルイスは、ゆっくりと目を開きキョトンとしている。グレンは、小さく欠伸をしている。


「考え事は、終わったか?」


トキヤは、暢気に紅茶を注ぎながら言う。


「はい、大丈夫ですよ。会議は、どうでした?」


ルイスは、落ち着いた雰囲気で笑いかける。


「俺の言葉は、信じられるがお前は信用できないってさ。だから、お前を外す様に言われた。」


トキヤは、少しだけ苛つきを滲ませる。


「なるほど、お前に革命ポイントをこれ以上は稼がせないぞと。良いでしょう、此方としても好都合なのです。自由に、動き回れちゃいますし。」


ルイスは、楽しそうな微笑みでクスクスと笑う。


「やはり、何かするつもりなのか?」


「強いて言うなら、商売と情報操作でしょうか。勿論、罠有りの交渉商売ですけど。今回も、たんまりと稼がせていただきます。私は、商人ですから。」


ルイスは、葛葉の口調で意味深な微笑みを浮かべている。ジェイドとヴァンは、思わず青ざめる。イギリスサーバーでの、出来事がフラッシュバックしてしまったのだ。ルイスは、何事も無かったかの様に紅茶を飲み干し、安心させる笑顔を2人に見せる。


「お忘れですか?今回は、僕…敵では無いです。」


「ふっかけても、奴らは買いはしないだろ?」


ルイスは、無言でニコニコとしている。


「その時は、一芝居して様子見ですね。」


すると、トキヤは暢気に紅茶を飲みながら言う。


「余り、追い詰めるのはどうかと思うが?」


「大丈夫ですよ。ちゃんと、抜け道も用意しましたから。まあ、その抜け道が罠なのですけど。でも、罠だと感じない罠ですので大丈夫ですよ。」


すると、トキヤはキョトンとする。


「そういう方法も、あるという事です。」


ルイスは、伸びをしてニコニコ笑う。


「まあ、好きにすれば良いが。けど、無茶はするなよ?お前は、同盟のリーダーなんだからな?」


「はい、了解なのですよ。」


ルイスは、葛葉になると子狐になり窓から外に出て行った。トキヤは、深いため息を吐き出した。


「もう少し、俺達に発言力が有れば…」


ジェイドは、苦々しく呟く。


「種族をばらせば、手のひら返しするだろうけど。ルイスは、種族を隠してるしなぁ…。」


ヴァンも、悩む様な声音で言う。


「それは、しない方が良い。」


トキヤは、素っ気なく言う。そして、会議の内容や人員とかの書類を、さっきまでルイスが座っていた机に置く。そして、マッキーを見る。


「ルイスのやつ、楽しくなってるみたいだ。」


「相手さんに、合掌!」


マッキーは、真顔で手を合わせる。


「せめて、何をするか書類を出せよ…。」


すると、トキヤはルイスの椅子を見る。そして、苦笑すると手に取る。その内容を、サッと見て笑う。


「俺にも、見せてくれ。ルイス、お前なぁ…」


マッキーは、やれやれと笑うのだった。


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