第268話 帰って来たアメリカ最強

アメリカサーバーでの、革命を聞きつけ帰って来たアメリカ最強とその所属クランメンバー達。


「おおー、拠点があるじゃん!」


ブレイブは、ウキウキした雰囲気で言う。マッシュは、その言葉に反応して視線を向ける。


ブレイブ

アメリカサーバーの紅龍人で、アメリカ最強の相棒である。元気で、明るく脳筋な所もある。


マッシュ

アメリカサーバー、3大クランの1つ『ラッキーピエロ』のリーダー。ブレイブやフレンドに、よく振り回されており、かなりの苦労者である。


「点数も勝ってますね。まあ、彼のおかげでしょうか?あちらも、気付いた様ですし行きますよ。」


マッシュは、breezeの旗印を見つけて微笑む。フレドも、無言で頷いて拠点に向かって歩き出した。


フレド

アメリカサーバー、最強の男。ブレイブの相棒で、少し落ち着いた性格。戦い大好き人間。


拠点に着いて、breezeメンバー以外が集まる。


「やあ、頑張ってる?」


ブレイブは、フレンドリーに言う。そして、近況報告を聞く。しかし、フレドとマッシュは顔を曇らせてしまう。そして、フレドはジェイド達を見る。


「お前達が居ながら、何をやってるんだ?」


その、険しい雰囲気に苦笑するジェイド。


「俺達が、何を言っても聞き入れないからな。」


ヴァンも、同意する様に頷く。


「そうそう、よそ者だからね。」


すると、察してマッシュはブレイブを見る。ブレイブは、困った雰囲気で深いため息を吐き出す。フレドは、breezeの拠点を見てから考える。


「よお、お帰り!」


グレンは、ブレイブ達に笑顔で挨拶する。


「久しぶり、グレン。あのさ、ルイス知らね?」


「言えない。」


グレンは、真剣な雰囲気で言う。知るでも、知らないでもなく…言えない。その言葉で、ルイスが不在だと理解するマッシュ。2人も、無言で頷く。


「そうか、取り敢えず会いたいんだが。」


フレドは、困った雰囲気で言う。


「ルイス、革命行動から外されてるから。だから、会っても無意味だぜ。本人も、出るつもりない。」


すると、3人は目を丸くして驚いている。


「待て、どういう事だ!」


フレドは、焦った雰囲気でグレンを問い詰める。


「文字通りだが?詳しく知りたいなら、周りに聞けば良いだろ。俺は、これ以上は言いたくない。」


そう言うと、グレンは魔物狩りに行ってしまった。


「待て待て待て!革命から、外したって馬鹿?」


「ルイス君が、変な事をするとは思えないです。」


フレドは、周りのプレイヤーから事情を聞く。


始まりは、葛葉が木製職人を連れて来た事である事である。そして、葛葉の代わりにルイスが来た事。ルイスが、木製職人だけに優しい事。そして、物資を見せびらかした事。革命に、非協力的であると。


マッシュは、深いため息を吐き出して言う。


「確かに、アメリカでは木製職人は不遇職です。けれど、他国では事情が違うのは当たり前でしょう?それに、連れて来た事で君達に不都合があったんですか?寧ろ、とても助かってますよね?」


ブレイブも、苦々しい雰囲気で言う。


「物資の件さ、よく聞けば勝手にルイスの拠点に入って来たのはお前らだろうが。見せびらかしたは、間違ってんじゃん。それに、物資は全てルイスのお金で買った物らしい。つまり、個人の持ち物になる訳だ。物資支援は、強制じゃないし強要する権利はない。つまり、ルイスは何一つ悪くない訳だ。」


フレドも、落ち着いた雰囲気で言う。


「あのさ、拠点周りの魔物を狩るだけで、こんなに点数を稼げるはずないだろ。そして、拠点に使われている木材は、いったい何処から持って来た?」


その疑問に、周りのプレイヤーはバーズだと答えるが。フレド達も、バーズの事は知っていた。現在の彼では、この量の木材を集める事は不可能だ。そして、ポーションも使ってまで拠点を作ったとも。


では、そのポーションの出所は?


この、革命中にそんな支援を出来る人物は少ない。そして、薄々だがプレイヤーの一部は気付いていたのだ。しかし、ルイスは部屋から出て来ない。


謝る事さえ、出来ない状況だったのだ。


「確かに、俺は家を作ってやりたいと言った。そしたら、大量の木材とポーションをルイスから渡されたんだ。けど、ルイスの顔を見て分かった。最初から、お前達を見捨てる気は無かったんだってな。」


すると、一部のプレイヤーが拠点に向かう。しかしながら、トキヤ達に笑顔で追い返される。


「グレン、ルイスは何処に居る?少なくとも、拠点に居ないのは分かってる。何か、知らないのか?」


フレドは、帰って来たグレンに聞く。


「知らねーよ、最近はずっと単独行動してるし。」


装備点検しながら、素っ気なく言う。


「そうか、質問を変える。ルイスなら、何処に行くと思う?これは、トキヤさんにも聞きたい。」


振り向いて、トキヤ達に真剣に聞く。


「魔物軍じゃね?それか、中立軍しかない。」


グレンは、心配なんてしていない雰囲気だ。


「魔物軍で、性悪商人として戦況情報を集める。中立軍で、情報収集と情報操作かな。契約して、中立軍との敵対回避してそう。ていうか、絶対する。」


トキヤは、ルイスの置いていった紙を見て言う。フレドは、紙を見せて貰うと思わず笑ってしまう。


「物資を、ルイスが渡さないのは物資庫を襲撃された時の保険だそうだ。戦況不利で、物資を取られる事も予想されてる。自分達が、物資を持っているのがバレても、個人の持ち物で奪えないからな。」


「そういうの、本当に助かります。」


マッシュは、嬉しそうに感謝する。


「お帰り、ルイス。待ってたぜ。」


「おやおや、こんばんは。皆んなで、こんな寒い中お外で何しているんです?良く分かりませんが、僕も魔物狩りして来ました。楽しかったです。」


そう言うと、家に入ろうとする。


「確保!」


ブレイブは、ルイスを俵持ちで確保する。


「何です?」


「ルイス、情報共有とかしたい。」


すると、ルイスはキョトンとする。


「残念ですが、革命行動から外されているので、本当に何もしていないのですよ。情報共有されても、困るだけなのです。よっこいしょ…。」


何とか、ブレイブの腕から逃れつつ言う。まず、嘘だとは見抜けない演技。しかし、フレド達は紙を見ている。なので、真剣に考える雰囲気である。


「寒いのです、家に入りますよ。」


「ルイス、彼らの拠点…」


ルイスは、バーズの言葉途中で木材とポーションを渡す。そして、無言で拠点に入ろうとする。


「ありがとな!」


ブレイブは、明るく笑っていう。


「感謝します、また後で来ますね。」


「ありがとう、あとでいろいろ話そう。」


そう言うと、取り敢えず拠点場所を探すのだった。

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