第257話 ペンタチコロオヤシ戦
さてと、目の前には松明を咥えたワタリガラス。取り敢えず、どうしましょうかね?フィールドには、まだ入ってませんが視線はガッツリ合ってます。
「前衛が、多いよな。どーする?」
マッキーは、暢気にルイスを見ている。
確かに、前衛が多過ぎますよね。ブレイブさんは、タンク継続で。ルーカスは、死霊術師でデバフを。グレンとマッキーさんが、アタッカーですね。フレドさんには、鍛治師にジョブチェンジしましょう。そうすれば、僕は回復と蘇生に集中が出来ます。
ルイスは、素早く考えをまとめると伝える。
「待て待て、鍛治師って…」
フレドは、あたふたと言う。
「あれ、知らんの?鍛治師のスキルって、戦闘でもかなり使えるんだよ。もしや、使った事…」
マッキーは、キョトンとして困惑する。
「あるわけないだろ!」
フレドは、叫ぶように即答する。
「ルイス、どうする?」
グレンは、苦笑している。しかし、ルイスは落ち着いた雰囲気である。そして、フレドに言う。
「使った事がないのなら、今からでも使ってみれば良いんですよ。それが、回り回って大切な仲間の為にもなるはずです。僕も、サポートするのでまずはやってみましょう?やってみて、それでも駄目なら笑って諦めて出来る事を全力でやるだけです。」
ルイスの、落ち着いた雰囲気に冷静になるフレド。マッキーは、思わず優しく笑いルーカスも無言で頷いている。ブレイブは、驚きフレドを見て頷く。
「すまない、つい不安で叫んでしまった。」
グレンは、それを見て安堵する。
「大丈夫ですよ。さあ、行きましょうか!」
ルイスは、少し歩いて振り向き背中を押す様に笑う。その右側をグレン、左側をマッキーが素早く通り過ぎる。ブレイブも右側を通り過ぎて、盾を構えている。左側を、ルーカスが歩いて通り過ぎる。
「分かったよ、信じてるからな?」
フレドは、走り出した。ルイスも、合わせる様にフィールドに入った。ペンタチコロオヤシは、羽を広げて威嚇すると脅す様にひと声鳴くのだった。
「ルイス、目の前にモフみが有るけど?」
グレンは、ニヤニヤした雰囲気でいう。
「確かに、首の周りはふさふさですし、羽の色艶も綺麗で素晴らしいモフみです。大きくなければ…」
すると、ルーカスは思わず笑う。
「それに、羽の色艶はフィンの方が綺麗なのです。モフみも、フィンの方がありますし。」
ルイスは、ロザリオを出して聖人様装備になる。そして、指輪を外してストレージへ。ブレイブは、ヘイトを集めている。マッキーとグレンが、攻撃。
「死者達よ、踊れ唱え!その舞は、生ある者を魅了し、その歌は魂を奪い去る!デスソングロンド!」
ルーカスは、死霊魔術を詠唱して発動。
「フレドさん、鍛治師が戦闘で使えるのは今の所は大きく3つです。分解、強化、品質です。」
ルイスは、聖域を作り説明したする。
「まず、耐久値は、MAXだし大丈夫だ。分解は、距離が遠過ぎる。強化は、フレド以外なら。」
苦々しい雰囲気で、気弱に言う。
「了解です、強化をお願いします。」
ルイスは、優しくお願いする。
「すまない、戦闘スキル…」
「謝るの禁止、さっさと強化するのですよ。」
落ち込ませない為に、わざと言葉を遮るルイス。
「わ、分かった。」
「取り敢えず、僕もバフ掛けるので引き続き強化をお願いします。耐久が、減り出したら強化を止めてください。さあ、敵が動きそうなのです。」
羽を広げて、羽を飛ばす。ひらひらと、黒い羽が落ちるが…この羽には幻覚作用がある。
しかし、龍人の常時発動スキル『真実の瞳』は実害の無い異常スキルを全て無効化にする。例を上げるなら、幻覚や眠りそして麻痺などのダメージを受けないスキルだ。真実の瞳は、嘘を見抜く看破の種族強化バージョンである。実害の無い、異常を無効化するのは副次効果であり本来の効果では無い。
異常回復をルイスが使い、動きを止めていたルーカスが死霊に羽を回収させる。ブレイブが、爪の攻撃を受け止める。素早く、動き出すマッキー。
「雷撃疾風!」
合わせる様に、グレンも遅れて動き出す。
「業火聖剣!」
すると、羽を飛ばす攻撃。ルイスは、聖結界で全員を守る。また、羽を飛ばそうとしている。
「この距離なら…」
フレドは、羽を全て分解してしまう。ルイス、苦笑してしまう。ルイスは、羽が欲しいのだから。けれども、何も言わずにバフと回復に専念する。
「あと少し、俺にできる事は。」
「ジョブチェンジして、前衛としてコンボを積む事ですかね。さあ、油断せずに行きましょう。」
最大火力で、マッキーとグレンが攻撃して終了。
「なあなあ、フレドさんやい。」
グレンは、苦笑しながら言う。
「何だ?」
「羽分解したら、駄目だろぉ!」
ブレイブは、焦った雰囲気で言う。青ざめるて、泣きそうなフレド。ルーカスは、困った雰囲気だ。
「ルイスの兄貴?」
「まあまあ、全く取れなかった訳じゃない。」
マッキーは、苦笑しながら言う。
「余り、気にしなくて良いですよ。それより、鍛治スキルを使ってみてどうでした?使えそうです?」
ルイスは、のほほんと明るく笑ってから話題を変える。その優しさに、フレドは感謝しながら答える。
「勉強になった、もう少しスキルを取ってみる。」
「はい、いろいろ挑戦してみてくださいな。」
このあと、お茶をして司会組とは解散するのだった。そして、今回の配信を終わることを告げて配信を切る。2人は、暫くしてアメリカサーバーに帰って行った。ルイスは、安堵に息を吐き出した。
そして、旅支度をするとホームから去るのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます