第246話 トークショー開始!

瑠衣達は、少し早くに並んでいたので直ぐに順番が来る。取り敢えず、タブレットに住所と氏名と電話番号を書く。そして、プレイヤーIDとネームもだ。この2つは、別に書くのは自由となっている。


身分証明書と顔を見せて、首から下げる来客者カードを受け取り、狐面を着けて速やかに次へ進む。勿論、高めの仕切りで、他の人には見えない。有名人が、来た時の配慮である。指定された席に座り、暫く待つ事に。カード数枚と地図を渡される。


いざ、トークショーへ。牧田とアーサーが、イベント開始を告げる。オープニングが、始まった。


お馴染みの、クイズを解答していく。


「今回は、新しい問題も増えたな。」


神崎は、書きながらも呟く。


今回は、瑠衣と他2人の3人だけが全問正解。時矢と神崎は、おめでとうと笑っている。景品を貰う。


今回は、クリスマスBOX。家に、送って貰うようにも出来るようなので、送って貰う事に。次に、トークショー。からの、ビンゴゲーム。こちらは、当たらず。その後に、機能追加などの最新情報。


「あ、七王称号の上の七皇称号が出来たのか。」


時矢は、暢気に呟く。


「王称号を弟子に渡し、試練をクリアすると貰えると。え…、七王決闘がまたあんの?なるほど、条件付きなのか。なら、トラブルは回避出来るな。しかも、審判は運営さんがするのか。安心だな。」


神崎は、考える雰囲気である。瑠衣は、早く継承させようと無言で決意する。勿論、七皇になるつもりは今の所は無い。何気に、引き籠る事を諦めていない瑠衣。しかし、黙っててもバレる人にはバレる。


「無理だと思うけど。」


時矢は、瑠衣を見て呟く。


ゲストが呼ばれて、参加型イベントが始まる。来客者が、ゲストと戦う事が出来るイベントである。


「じゃあ、ゲストを紹介しようか。」


牧田が、明るく笑いながら隣を見る。


「中国サーバー白龍人、ジェイドことシンさん。」


すると、会場が騒めき出す。


「シンだ、本業は俳優だな。よろしく、頼む。」


知っている、かなり有名人の登場に観客歓喜だ。


「次は、イギリスサーバー蒼龍人。こちらも、ゲームでは有名のヴァンことヴェインさんっす。」


「よろしく、ゲーム配信者してます。」


軽く手を振り、アピールしている。


「次は、アメリカサーバー紅龍人ブレイブさんことベックさん。あの、アメリカ最強の相棒だな。」


「ヨロシク、オネガイシマス!」


ベックは、アピールポーズをしている。


「フランスサーバー紫龍人、ロナことラジアンさんっす。こっちも、一応はゲーム配信者っすね。」


ピースして、頑張ってアピール。


そして、隣には…


「そして、今回のスポンサーの1人。日本サーバーのランカー1位のセロンことダーソンさん。」


「お邪魔するよ。今回は、よろしくね。」


「こちらは、イギリスサーバー最強クランのリーダーである、ロゼさん事ガランさんっす!」


「あー…、ヨロシク。」


すると、会場から歓声がする。


「ここからは、自分で自己紹介をお願いします。」


牧田は、笑顔で男性2人と女性1人を見る。


「NPCランキング、1位キリアのAI声を担当してます座木 冬馬です。よろしくお願いします!」


爽やかに、笑いながら言う。


「NPCランキング、2位カリオストロのAI声を担当してます口橋 広大と言います。こういう場は、初めてですがよろしくお願いします。」


礼儀正しく、控えめに笑いながら言う。


「始まりの街、ギルドマスターであるカレンのAI声を担当してます。声優の霧先 文香です。よろしくお願いします!すみません、緊張してて…」


少しだけ、緊張しながらおどおどと笑い言う。


「以上の、9名ゲストを迎えてやって行こうと思います!司会は、マッキーこと牧田と…」


「ルーカスことアーサーが担当するっす!」


トークショーの、最注目イベントが始まろうとしていた。まずは、トークである。


「今回は、種族ランキング1位の龍人のプレイヤーがゲストに呼ばれると聞いていたが…」


シンは、周りを見渡している。


「日本のイベントなのに、彼は居ないんだね?」


ヴェインは、頷いてから言う。


「彼は、未成年者だし身バレを考慮した結果だが、今回の参加は取り敢えず無しとなったそう。」


牧田は、明るく笑いながら言う。


「ちっ、つまんねーの!」


英語で、ベックさんが言う。


「ベックさんは、ルイスと戦いたいの?」


牧田は、英語でベックに笑いかける。スクリーンには、英語と訳が書き込まれる。ルーカスが、素早くパソコンで打ち込んでいる様である。


「勿論!寧ろ、彼に会えるかもと期待してた!」


ベックは、少しだけ興奮気味に言う。


「残念だけど、ルイスには後で話しておくな。」


「ああ、ありがとう。是非、アメリカサーバーにも遊びに来てくれ!歓迎するともな!」


牧田は、OKと笑いながら頷く。


そして、最初のバトルは声優陣が行く事になった。


「3人は、誰と戦いたいっすか?」


「俺は、グレンさんですね。剣王、カッコいい。」


冬馬は、ワクワクした雰囲気だ。


「俺は、トキヤさんかな。」


広大は、暢気に笑う。


「見事に、breezeメンバーだな。日本サーバー1位の生産クラン、その副リーダーのトキヤ。剣王で、錬金王ルイスの相棒グレン。2人とも、見てる?」


牧田は、出ないだろうと踏んで笑う。


「あ、あの…私、ルイスさんのファンクラブ会員なんですよね。その、ルイスさんと戦いたいです。」


「3人とも、breezeっすか。これは、正直な話っすけど無理かも…。でも、一応は募集するっす!」


ルーカスは、苦笑しながらも進行をしていく。




瑠衣達は、どうするかと考えてみる。時矢は、LINEで作戦を素早く打ち込む。驚いて、スマホを見る。


『取り敢えず、早押しで出て相手が戸惑ったらキャンセルしよう。名指しの、御指名だしな。』


時矢のLINEに、2人は無言で頷く。


全員機械を着けるように、言われて会場の客は装着する。そして、受付番号が出たので素早く打つ。



牧田は、パソコンを確認する。


「さて、誰が来たかな。」


牧田は、名前を見て思わず固まる。アーサーは、覗き込みあっさりとした雰囲気で呟く。


「珍しい、ノリが良いっすね。」


その言葉に、何かを感じる龍人プレイヤー。


「取り敢えず、おめでとう?グレン•トキヤそして我らが日本サーバーの龍人ルイス。」


すると、驚きに言葉がでない客とゲスト。


「え?え?」


「マジ?いや、その…ネタだったんだ。」


「運営さん、そういう冗談はいらない!」


牧田は、素晴らしい笑顔で


「さっき言ったろ?運営は、ルイスを呼ばなかったんだよ。つまり、本人確定ですが何か?」


3人から、謝罪の嵐。キャンセルされる。


「大丈夫、キャンセルされたっす。」


これで、やる気が出た龍人プレイヤー達。ダーソンは、思わず腹を抱えて笑っている。ガランも、優しい微笑みを浮かべている。良い雰囲気である。


「仕切り直しで、もう一度同じ番号で待ちます。」


牧田は、軌道修正する様にマイクを持ち進行する。こうして、賑やかに始まるのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る