第235話 妖華戦

最奥には、妖華の本体が居ました。


ルイスを見た途端に、妖華は花びらを散らして魔物達に時間稼ぎを命令した。魔物達は、動き出す。


「本当に、頭が良いです。」


「どういう事だ?」


ルイスの言葉に、グレンはキョトンとする。


「花散らしたら、種を作るに決まってるだろ。」


トキヤの言葉に、全員が青ざめる。


「仮に、本体を倒しても種から分体が生まれて、その中から1番強い個体が本体の役割をします。」


ルイスは、短刀を抜き言葉を続ける。


「まあ、種を作るには時間が必要みたいですが。」


全員が、武器を構えている。


「全員、範囲攻撃するか。」


トキヤは、考える様に言う。


「ある程度、倒したら無視して本体を狙います。」


ルイスは、真剣に答える。全員が、頷く。


「一応、2人…そのまま、魔物を倒してて欲しいのですが。敵が、此方に来ない様にです。」


「俺が、しよう。」


「久しぶりに、暴れるかね。」


カリオストロとドラコフが、元錬金王と元剣王が名乗りをあげる。ルイスは、優しく微笑むと。


「2人とも、信じてます。」


言葉には、出来なかった。死なないでくださいとは


この、危険な場所ではその言葉は返ってプレッシャーになる。だから、言葉を呑み込んで笑った。


「「任せろ。」」


ルイスは、頷くと範囲攻撃が始まる。


「よくもまあ、ここまでの魔物を誑かしたな。」


トキヤは、苦笑している。


「モンスターハウスみたいだ…」


グレンは、うんざりした様に言う。


「取り敢えず、討伐っすよ!」


ルーカスは、困った雰囲気で言う。


「なかなか、減ってくれませんね。」


ルイスの言葉に、全員が頷いた。


そして、全力で本体を狙いに走り出した。


「業火聖剣!」


燃やそうとするが、種だけ燃えてしまう。妖華が、燃えた種を見て悲痛の叫びをあげる。


それに反応して、魔物達が来るがカリオストロが、素早く爆弾で吹き飛ばした。


「すまないが、邪魔をするな。」


「行かせねーよ!」


ルイスは、嬉しそうに微笑む。


次の瞬間、蕾だった方が甘い匂いとともに花が咲き、花を散らした方が茶色く枯れる。ルイスは、警戒を上昇させて注意を促す。全員、頷いた。


次の瞬間、魔物達が死んでしまった。


そう、妖華が与えた蜜には毒が入っていたのだ。それを食べて、生きていた魔物達は支配が切れた瞬間に、毒で死んで栄養として吸収されたのだ。


「クソ怠い!」


グレンが、汚い言葉を吐き出す。


「マジか、そんな隠し技を…」


トキヤは、焦る雰囲気である。


分体は、全て燃やしたがもし残ってたら無理ゲーとなっていただろう。けど、まだ目の前の敵は倒せる敵だ。ギリギリでも、ボロボロになっても…今ここで、諦めるわけには行かないのだ。


「皆さん、行きますよ!」


ルイスは、鼓舞するように言う。全員が、答える様に力強く答えるのだった。第二ラウンド…開始!









※次からは、土日投稿となります。

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