第233話 厄介な現状
取り敢えず、ルイスは戻り説明をする。
ガイアは、連れては行けないのでプロメア達とお留守番である。ルイスは、深呼吸してから進む。
マップが使えないが、ノッカー達が音を立てて道を教えてくれる。キリアさん達が、真剣に聴き分けて先導してくれる。ルイスは、苦笑する。
坑道の中は、果汁酒の様な甘い匂いがする。
しかし、その匂いの裏には痺れる様な甘ったるい匂いが隠されている。この、甘ったるい匂いが本来の妖華の匂いなのでこれは別の理由があるはずだ。
にしても、少しだけ僕もクラクラします…
「ルイス、大丈夫か?」
気付いたグレンが、慌てた雰囲気で言う。
「ダメじゃない、龍人は獣人より五感が強いんだから。せっかく、プレゼントしたのに着けなよ。」
鍛治屋のノーム、リケは心配そうに言う。
「え、えっと…これですね。」
すると、何事も無かったかの様になる。
「お前、話せたのかよ?」
グレンは、素早くツッコミを入れる。
「嫉妬深い王子様に、虐められて黙ってました。」
リケは、あっさりと言えば納得する周囲。
「それは、大変ですね。で、嫉妬深い王子とは?」
ルイスは、心配する様に聞く。周りは、思わず苦笑する。すると、リケはうんうんと頷いてから言う。
「君は、そのままで良いよ。取り敢えず、僕も限界だしそろそろ逃げる。皆んな、気をつけてね。」
リケは、出口の方へ走って行った。
「んー、お困りの様ですし後で調べるべきです?」
違うんだ、お宅の王子様ですよとは誰も言えない。
「取り敢えず、後回し!と言うか、忘れてOKだ。」
グレンは、苦笑しながら言う。全員が頷くので、ルイスはキョトンとして頷く。そして、歩き始める。
大きな、人喰い花サイズの花が咲いてます。その下では、魔物達が集まっていて花を守っている様ですね。なるほど、守る対価に花の蜜を貰うと。
で、プレイヤーに勝てばプレイヤーが妖華の養分。負ければ、魔物達がそのまま妖華の養分となると。随分と、頭が回りますね。しかも、本体じゃないのにこれ程の知能です。本体は、どれ程に厄介なのやらですね。取り敢えず、進める場所までです。
ルイスは、短刀を抜き素早く走り出す。追う様に、breezeメンバーも妖華下の魔物を討伐する。
「相変わらず、硬いな…連戦は避けたいが。」
トキヤは、操られた魔物が集まるのを見て苦笑。
「そうは、問屋が卸さないみたいだぜ?」
グレンは、真剣な雰囲気で剣を構える。
「終わりを考えると、気が遠くなりそうっすね。」
「無心で動くと、少しは楽だぞ。終わりとか、楽な方法を考えるよりは精神的に安定するし。」
グレンは、魔物を倒しながら言う。
「不安で、気が狂いそうです。」
キリアは、珍しく弱音をこぼす。
「キリアさんは、1人じゃないです。此処には、仲間が居ます。気持ちで負けていては、引きずられて呑み込まれちゃいますよ?そうなれば、立て直しは不可能です。だから、取り敢えず皆んなが一歩踏み出せる様に、序盤の敵くらい片付けましょう?」
ルイスは、優しい声音で言うと不敵に笑う。
「余り、得意では有りませんが。」
短刀を四方に投げる、そして最後に足元に短刀を刺し祈りを捧げる。すると、その範囲に桜が舞い周囲の敵が倒され味方が回復させる。
ルイスが、初めて範囲攻撃を使ったのだ。
「祈祷師の儀式術、桜花乱飛だっけ?」
グレンは、見た事は無いが言えばルイスは頷く。
「MP消費が、少ないので龍人になります。」
すると、桜花乱龍飛にスキル名が変わり範囲が2倍になる。キリア達の戦闘に、力が戻る。
「おー、戦い易いな。ルイス、サンキュー!」
グレンも、楽しそうに暴れている。
「グレンとルーカス、温存で他は全力です!」
「うぇ?」
グレンは、驚いて変な声をだす。
「グレン?僕達の目的は、魔物退治ではなく妖華の分体を燃やす事ですからね?本題、忘れてます?」
ルイスは、呆れた雰囲気で言う。
「おう、分かってる分かってr…すまん、忘れてたよ。だから、その笑ってない笑顔やめろ!?」
「緊急時なので、見逃して差し上げましょう。」
ルイスは、ため息を吐き出して短刀を回収する。
「取り敢えず、一本目!不死破滅の業炎!」
「死霊達、呪詛を歌えっす!呪詛歌の合唱!」
取り敢えず、43本(死散)あるので残り42本。
ルイスは、深呼吸してロザリオを出す。そして、走り出すのだった。皆んなも、それに続いて走り出した。ルイスは、短刀を抜いて魔物達に言う。
「邪魔です、退きなさい!」
魔物が、吹き飛んで行くのだった。
作者の謝罪
日付、確実に変わりますな。次を投稿して、明日の夜まで書いて土日投稿にもどりますか。
うん、そうします。
ごめんなさい、頑張りましたが無理でした。
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