第231話 特殊解毒作り

ルイスは、カーバンクルから貰った妖華の種と花びらを見ている。今から、抗毒と解毒を作るのだ。


「ルイス、今から作るのか?」


グレンは、キョトンと言う。


「はい、効果が高けれ高い程に良いので、今回は全てレシピなしで作りますからね。」


ルイスは、髪を解きフィン達から貰った呪い紐で髪を結ぶ。そして、机を拭くと錬金道具を出す。


そして、伸びをしてから素材を並べる。


錬成鍋で、まずは種を茹でます。花びらは、水につけて放置します。ルイスは、窓を開けてメンバー全員を部屋から追い出す。毒なので、仕方ないのだ。


花びらを取り出すと、花びらの色が水に出ている。


これに、なるべく胞子が飛ばない様にゆっくりと入れて混ぜる。これは、これで放置する。


種を錬成鍋から取り出し、皮と中身を分ける。


皮は、水切りネットの上で乾燥させる。鍋に布を張り、胞子を溶かした花の色の水を入れる。そして、縛って胞子のカスは乾燥させます。上から、種を茹でたお湯を鍋の半分くらい入れて錬成させる。


種を細かく切り、投入してから茹で汁を八分目まで入れば特殊解毒の完成です。


ルイスは、ゆっくり息を吐きだす。


3つの毒が邪魔し合い、解毒の効果をもたらしますね。ついでに、少しだけ強化バフもつきます。


花びらを刻み、乾燥した種の皮をすり鉢でゴリゴリします。胞子の搾りかすを入れて、合成させて混ざったら刻んだ花びらと花の蜜を入れて混ぜます。


個体になったらスプーン一杯分くらい手に取り丸めます。一口サイズの、お団子みたいな見た目です。


これで、抗毒も完成ですね。


ルイスは、特殊解毒をポーション瓶に。抗毒は、皿に並べてストレージへ。手を洗い、一応解毒ポーションを飲むと机の上にを片付ける。


「ふぅ…、なかなかに疲れるのですよ。」


一応、宿には迷惑をかけたく無いので掃除する。


「ルイス様、終わりましたか?」


ノックして、キリアが聞いてくる。


「はい、終わりましたよ。」


どうやら、口につける布を買いに行ったのだとか。


「途中、お菓子を見つけたので買って来ました。もし良ければ、ルイス様も一緒に食べませんか?」


キリアは、少しだけ窺う雰囲気で言う。


「わーい、お菓子です。勿論、食べます。」


ルイスは、素晴らしく純粋な笑顔で言う。


「お茶でも淹れますから、キリア君はお菓子をお願いします。ルイス様は、座っててください。」


ランコルは、優しく笑う部屋を出て行った。トキヤとグレンは、ピカピカの部屋を見て苦笑。


「生産部屋を、借りれば良かったでした。」


ルイスは、疲れた様に呟く。


「そうだな。」


トキヤは、頷きながら言う。


「お菓子たべたら、部屋をとって来ます。」


ルイスは、うんうんと頷いている。


「なら、武器を受け取りに行くし3人で行くか。」


と言う訳で、ケーキをいただきました。


少し、硬めですが甘過ぎず美味しいです。思わず、表情が幸せ過ぎて緩んでしまいましたね。


「美味しいですね。」


すると、キリアは嬉しそう笑う。


「紅茶だけでなく、珈琲にも合いそうだな。」


トキヤは、甘過ぎない味が気に入った様だ。


「この後、少しだけ出かけて来ますね。」


「どちらに?」


ランコルは、キョトンとしている。


「大変だったので、生産部屋を借りようかと。」


「俺とグレンも、武器を受け取りに行くし、一緒に生産部屋にも行って来る。ゆっくりしてな。」


3人で生産ギルドに…


「はい、部屋を借りたいんですね。7番の生産部屋を、お使いください。鍵を返した時点で、貸出終了という扱いになります。鍵は、無くさないようにお願いしますね。無くした場合、罰金となります。」


「はい、分かりました。ありがとうございます。」


ルイスは、そう言うと部屋を確認して外に行く。次は、武器の受け取りに向かう。


視線は感じるが、ルイス達は無視する。


「ルイス、あれに勝てたのか?」


「ノーム、倒したんですね。せっかくの、精霊王の祝福が…。やはり、消えてしまいましたね。」


ルイスの言葉に、マッキー達はショックそうだ。


「なるほど、祝福を失ったのは痛いけど…」


マッキーは、ルイスを見ている。


「まあ、ルイス達と居る限りはワンチャンあるだろと思ってる。そうか、ノームは倒すなか。」


そう呟いて、仲間を連れて行ってしまった。


「♪」


あ、鍛冶屋のノームさん。


「こんにちは、買い物の帰りですか?僕達も行くので、お荷物を運ぶのお手伝いしますよ。」


ノームは、嬉しそうに笑って頷く。


そして、武器を受け取り帰ろうとする。すると、ノームが小さな箱を渡す。お礼を、くれました。


「良いんですか?では、ありがとうございます。」


ノームは、手を振り見送る。3人は、手を振り宿屋に向かう。ノームは、苦笑している。


「僕からは、近づいてないもん。」


リケは、ガイアを見て無罪を主張する。


「マスターは、天然過ぎて困るよ。」


ガイアは、深いため息を吐きだすのだった。


「確かに、精霊に好まれやすい天然だね。」


「だから、困るの!毎回、追い払ってるのに…」


リケは、ドンマイと笑うと荷物を運ぶのだった。

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