第221話 次に踏み出す為に… 1

ルイスは、真っ白な紙を見つめて考える。


やっぱり、話し合いの時間を作るべきでしょうね。今までは、僕が適当に決めていました…。けれど、もっと意見を欲しいのも本音なのです。


今まで通り、僕が決めても仲間達は何も言わないでしょう。寧ろ、積極的に協力してくれるのは目に見なくても分かります。大切な仲間ですからね。


けれど、そこにメンバーの意思は尊重されているのでしょうか?時折、不安になるのです。


今の僕の言動は、独裁的ではないかと…。


ルイスは、思わず深いため息を吐きだす。勿論、周りのメンバーは心配そうにルイスを見ている。


「ルイス、悩み事か?」


グレンは、心配そうにルイスを聞く。


「うーん…どちらかと言えば、たぶんそうなのでしょうかね?うまく、考えが纏まりません。」


ルイスは、考えてから立ち上がる。


「ルイス、出掛けるのか?」


トキヤは、キョトンとして言う。


「はい、気分転換に少しだけ。」


ルイスは、伸びをしてから苦笑して言う。ルーカスやカリオストロ達も、心配そうだが無言である。


ルイスは、いつもの笑顔を浮かべて部屋を出た。


「……悩み事、何の事だろうな。」


トキヤは、考えながら小さく呟く。


「さあな、けど…多分だけど大切な事だと思う。」


グレンは、真剣に言うと珈琲を飲むのだった。


「無事に、解決すれば良いっすね。」


ルーカスも、暢気に笑い小さく欠伸をする。




はぁ…、心配をかけてしまったかも知れません。マッキーさん達はクランの決め事とかどうしているのでしょうか?聞きたいですが、ここ最近は同盟全体での強化期間で皆さんレベリング中なんですよね。


breezeでも、勿論ですがやってます。


なので、なかなか会えない話せないんです。


トキヤさんは、炎天時代はどうしてましたっけ?うーん、思い出せませんね。やはり、ここは頼れるトキヤさんに…あ、ホームに居ませんね。


うーむ、困りました…。


もう、このままレベリングに行っちゃいましょう。ソロは、久しぶりですけど…どうせなら、この不安による苛立ちを八つ当たりさせてくださいな。


ルイスは、短刀を片手に暴れるのだった。


何でしょう、これだけ八つ当たりしても晴れないとは…。でもまあ、レベルも上がりましたし良しとしましょう。素材を、回収しなければ…。


「おいおい、随分と大暴れしたな。」


マッキーは、笑いながら言う。


「えっと、どうかしました?」


「同盟の掲示板、ちゃんと見たか?」


マッキーは、困った雰囲気で言う。ルイスは、確認して苦笑する。会議したいとの事、返答を待っていると書かれている。ルイスだけが、返答なしだ。


「ご、ごめんなさい…全く見てませんでした。」


慌てて、返答を書くルイス。


「んで?大暴れするほど、何にイライラしてるんだよ?まあ、そんなルイスは珍しいと思うけど。」


ルイスは、無言で驚き一瞬だけ躊躇する。


「ルイスが、トキヤも頼らないって事はあいつも何かの対象って事だろ?取り敢えず、場所を変えようぜ。俺達で良ければ、相談に乗るからさ。」


「達?」


そして、周りを見渡すと同盟リーダー達が全員揃って居る事に気がつく。そして、固まるルイス。


「えっと、その…もしかして、探しましたか?」


ルイスは、申し訳ない雰囲気で言う。


「当たり前だろ、ルイスが盟主なんだし。それに、この手の返答はいつも一番最初に返答するお前が、なかなか返答しないなんて珍しいからな。」


マッキーは、心配そうにルイスを見る。


「会議が終わったら、悩み事を聞いてください。」


「断る!」


マッキーは、即答で言う。ルイスは、苦笑する。


「会議前に、その悩み事は聞く。じゃないと、ルイスは会議の内容が頭に入ってこないだろ?」


セロンやシャルムも、うんうんと頷いている。


「ありがとうございます。」


ルイスは、自分の不安と苛立ちを打ち明けた。


「なるほどな…。取り敢えず、一つだけ言えるのはルイスは独裁的じゃないって事だな。こうして、周りの意見を聞こうとしたり、相談してくるだろ?」


マッキーは、励ます雰囲気で言う。


「意見が欲しいのは、とても分かるわ。リーダーなら、誰しもが抱える問題よね。特に住民は、忠誠心が強いからYESマンになりがちだし…。」


シャルムは、苦笑しながら言えば全員が頷く。


「要望を聞いても、このままで良いとか言われるの困るよね。君ら、その素材は必要ないじゃん!欲しい素材とか、もっと有るよね?はっきり、言ってくれよ!って僕もなる。手伝いたいのに…。」


セロンは、深いため息を吐き出して呟く。


「やはり、全員が持っている不安なのですか?」


すると、全員が頷いて苦笑する。


「ルイスは、人が少ないから進路相談でもしてみればどうだ?話し合いは、大事だぜ。例え、実りのない会話だとしても…な?頑張れ、ルイス。」


マッキーは、優しく言うのだった。それから、リーダーの愚痴大会が終わり、会議をするのだった。


会議が終わり、リーダー達は優しい雰囲気でルイスを見ている。会議の内容を、紙にまとめるルイスはいつものルイスだ。そして、解散となった。


ルイスは、考える雰囲気でホームに向かう。


すると、トキヤ達もレベリングの帰りらしい。ルイスは、大量の素材を思い出して冒険者ギルドへ。


「あれ?結局は、レベリングになったのか?」


トキヤは、暢気に笑いながら言う。


「はい、取り敢えず全力で視界に映った敵を、手当たり次第にボコボコにしてました。うっかり、会議の返答を忘れちゃうくらい集中してましたね。」


すると、その場の全員が無言になってしまう。


「えっと、悩み事で癒しを求めてたんじゃ…」


グレンは、気まずそうに聞いてくる。


「ちょっと、苛立ってしまい…えへへ。」


すると、メンバーは視線で会話する。


「でも、まあ解決したので帰りましょう。」


アドバイス通り、まずは話し合い…ですね。


こうして、帰るのだった。








作者の独り言

うっかり投稿しました。まあ、いっか…

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