第213話 ハロウィンの始まり

さてと、あれから食事会をして日本サーバーに戻ってきました。加速時間だったので3時間しか経過してません。さてと、ハロウィンの準備をしなければですね。でも、今日は疲れたので寝たいのですよ。


「ジェイドに、凄く質問攻めにされてたな。」


トキヤは、笑いながら言う。


「正直、面倒だと思ってました。」


ルイスは、深いため息を吐き出している。


「でもまあ、葛葉の正体が僕だってバレてないのはラッキーでしたね。バレたら、永遠と恨み言を言われそうです。それは、疲れるので…。」


「ルイス、無視してたし相手も諦めてないぞ?」


そう言って、トキヤは笑うのだった。


「むぅ…、仕方ないです。」


少しだけ、不機嫌そうにルイスは頷くのだった。




ハロウィンイベント当日、ルイスは皆んなに任せて学校へ行く。学校の帰り、時矢からLINEが。


どうやら、イギリスサーバーはハロウィンイベントが出来る状態ではなく、しかもメンテナンスがはいるらしいのです。遊びたいなら、他サーバーに移動して欲しいと運営さんに言われたのだとか。


つまり、ロゼさん達が日本サーバーに来てます。


しかも、お店のお手伝いをしてくれるのだとか。なんか、そういう特別クエストがある様です。


まさか、ジェイドさん達も来てたりしませんよね?ジェイドさんは、中国サーバーですから帰っているはずです。そう、その筈なのです。


瑠衣は、苦笑してから歩き出す。ハロウィンは、バイトは休みだ。何でも、お客さんであふれて戦場状態になるのだとか。若い君には、まだ早い。


そう、言われてしまいました。


まあ、breezeはいつも戦場なので、慣れてはいるのですが。まあ、ロゼさんも来ている事ですし、早めにログインするのも良いかもしれませんね。


瑠衣は、上機嫌で駅に向かう。


「よっ、LINE見た?」


神崎は、暢気に笑いながら言う。


「あれ、部活は?」


「今日は、短めだったんだ。」


2人で、話しながら駅に向かう。すると、春都が後ろから来て一緒に電車に乗る。そして、話しながら駅の自転車置き場へ。春都は、自転車で別れる。


瑠衣は、神崎と暢気に話分かれ道で別れる。


「じゃあ、先にログインしとく。」


「はい、僕は少し時間がかかりそうです。」


そう言うと、神崎は家に入り瑠衣も帰るのだった。



さてと、そろそろログインをしなければ…。


ルイスは、ゆっくりと目を覚ます。疲れていて、自室のベットでログアウトした事を思い出した。


「こんばんは、ルイス。」


ロゼが、笑顔でドアを開けて手を振る。


「こんばんは、そして…ようこそ、breezeへ。」


すると、グレンが逃げる様にルイスの後ろに隠れている。かなり、珍しい光景である。


「グレン、どうしました?」


「いや、ハロウィンの衣装をだな。」


ルイスは、そのフリフリの服を見て固まる。


「えっと、グレン?僕を、巻き込まないでくださいな。取り敢えず、ロゼさん達もその可愛い衣装を閉まってください。ほら、グレンも仮装衣装を用意してましたよね?急いで、着替えて来てください。」


そう言って、グレンを部屋から出す。残念そうに、ハロウィン衣装をしまうロゼ達。


「取り敢えず、僕も牧師服に変えちゃいます。」


装備変更すると、自動で髪形も変わる。


「おお…、髪形のせいかな。いつもより、大人の色気がある。まあ、ルイスは大人っぽいしロリコンとモフモフ好きでなければまともだからね。」


「それ、褒めてます?貶してます?それと、僕はロリコンじゃないです。娘が、可愛いだけです。」


デデン!すると、皆んなが優しく笑う。


「こりゃ、プロメアちゃん嫁に行けないね。」


「僕を倒してから、物申してくださいな。」


ロゼが、笑っていうとルイスも笑顔で答える。




取り敢えず、お店に行くと全員がハロウィン衣装。そして、ルイスはある人物を見つけて、トキヤの後ろに素早く隠れるそしてトキヤは思わず笑う。


「トキヤさん、絶対に知ってたでしょう!?」


「忙しいと聞いて、手伝いに来たのだが。」


ジェイドは、少しだけ仲良くなりたそうだ。


「あ、はい。それは、ありがとうございます。」


「まあ、時間が有ればいろいろ聞きたいのだが。」


メモとペンを片手に、ルイスを見るジェイド。ヴァンも、ニコニコと笑っている。こちらも、何かありそうである。ルイスは、頭が痛そうにため息。


「何でしょう、この感覚…エレナさんみたい。」


すると、ルーカスも確かにと笑う。


「何だ、姉さんをしっているのか?」


ルイスとルーカス、沈黙する。


「ん?」


ジェイドは、キョトンと首を傾げる。


「俺、エレナの姉貴に連絡して来るっす!」


「これは、面倒な予感…。」


ルイスは、苦笑している。


「……もしや、憧れの天才錬金術師と姉さんが呼んでいた人か。なるほど、確かに聞いた通りだ。」


ジェイドは、頷いて手伝いに戻っていった。


「ルイス、妹弟子の実の弟らしいがどうする。」


「確認が取れれば、多少であれば…。」


ついに、ルイスは折れるのだった。ジェイドは、とても嬉しそうに笑う。そして、ルイスの面倒見の良さと優しさに憧れをこっそり抱く。


これが、あの葛葉だというのだから驚きだな。


ジェイドは、少しだけウキウキしながら、テキパキと仕事を終わらせていくのだった。ハロウィンの夜は、始まったばかりである。


ルイスは、小さくため息をつくのだった。

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