第211話 革命イベント最終日前半

あれ、何か騒がしいですね。トキヤさんは、少し前に出て行きました。ここには、ルーカスとハルト君とグレンが居ますが。外を気にしている様です。


「今日、三番勝負の試合があるんだ。」


「おや、そうなんですね。」


グレンの言葉に、ルイスはあっさり頷いている。


「その、トキヤさん達に黙っとく様に言われて。」


ハルトは、オドオドとルイスに言う。


「まあ、僕も独断でいろいろやったので言える立場ではないのですよ。それに、考えがあっての勝負なのでしょう?なら、皆さんに任せますよ。」


ルイスは、紅茶を飲んでから机の書類に視線を戻している。本当に、興味がない様なのだ。


「ルイス、相手はヴァンとジェイドが居る。しかもだ、3人目はアメリカサーバーの最強様だ。」


「そうなんですね。まあ、どうにかなるでしょう。負けても、それは僕達のせいじゃないですから。」


ルイスは、素っ気なく言いつつ書類確認。


「あんまり、心配してない?」


「まあ、ロゼさん達を信じていますから。」


グレンの言葉に、ルイスは優しく微笑む。


「取り敢えず、俺達は気になるから見て来る。」


グレンは、そう言うと外に出ようとして固まる。トキヤは、深刻な雰囲気である。


「おや、お帰りなさい。でっ、どうでした?」


「結論、負けた。やはり、ロゼではジェイドを止められなかった。それで、3つの要求をされた。」


ルイスは、考える雰囲気で続きを促す。


「一つは、物資だな。二つめは、金だ。最後は、ルイス…お前と会わせろと言われた。」


ロゼは、悔しそうにルイスに謝罪する。


「本当に、ごめん!」


「大丈夫ですよ、僕はどちらの可能性も考えていました。さてと、ではジェイドさん達に会いに行きましょうかね。ふふっ、では行きましょうか。」


外に出ると、獣人貴族達が怒鳴っている。


「おはよう御座います。朝から、お元気ですね。」


「貴様、俺を誰だと思ってる!頭を下げて、名を名乗るのが当たり前だろうが!」


全員の視線が、ルイスを見ている。


「ごめんなさい、誰ですか?僕の名前は、ルイスと申します。初めまして、breezeのリーダーです。」


ルイスは、いきなりアホの子を演じてみせる。ヴァンは、驚いてルイスを見る。ジェイドは、苦笑。


「何故、こんなに物資が少ない。」


「ん?何でというのは?」


ルイスは、ほわわーんと首を傾げる。


「こんな、少ないはずが無いだろ。」


「いえ、革命軍の物資はこれで全てですよ。」


ルイスは、アホの子を演じながら笑う。


「何故、こんなに物資が少ない。」


「だって、他の物資は個人の物ですから。渡されたら、革命軍の物資ですが渡されてないのなら?」


ルイスは、ホワホワと言う。


「軍として、勝負する以上は個人の物資を取る事は出来ません。あの、狐の商人さんの入れ知恵ですがね。そして、それはお金にも同じ事が言えるそうですよ。なので、それだけお持ち帰りくださいな。」


ジェイドは、葛葉の入れ知恵に苦々しく笑う。そして、ルイスを見ている。ヴァンも、ため息をつく。


「そうだな、ではポーション2本と30G確かに受け取った。さて、話をしようかルイス。」


ジェイドは、真剣にルイスを見る。


「僕とですか?」


ルイスは、状況を理解していない雰囲気で言う。


「そうだ。」


「では、お茶でもいれましょうか。」


ジェイドは、調子が狂うと感じる。


「負けたくせに!」


「ふふっ、残念ですがまだ総合点は僕達が勝ってます。総合点で決まる以上、物資も奪えなかった貴方達が有利という訳ではないのですよ。」


ルイスは、子供っぽい雰囲気でわんぱくに笑う。


「そうだな。だから、勝手な事をするな!」


獣人貴族達に、威圧するジェイド。


「それで、何処で話し合いします?」


「そうだな…。ルイスのテントは、大丈夫か?」


すると、ロゼは険しい雰囲気だ。


「本部で良いじゃ無い!」


「それでは、俺が危険だろ?」


ジェイドは、素っ気なくあしらう。


「別に、構いませんが…護衛はどうします?」


ルイスは、少しだけ不安そうな雰囲気で言う。


「出来れば、2人だけで話したい。」


「無理です。僕は、2人っきりとか嫌ですよ!」


ルイスは、抗議する様に言う。


「勿論、俺は攻撃するつもりはない。」


ルイスは、無言で考えると頷くのだった。そして、テントには、リル達が大きい姿で居る。


「お茶をどうぞ、隣のは羊羹です。」


2人は、座る。


「何も、置いてないんだな。」


「モフモフが居れば、良いのです。」


ジェイドは、苦笑している。


「まったく、良くその性格でリーダーやれてるな。もしかして、マスコット要員じゃないよな?」


「基本は、周りがやってくれるのです。」


ジェイドは、読めないルイスの言葉に諦めた。


「そうか、もう良いしね!」


ジェイド以外の、メンバーが来る。


「確かに、ジェイドさんしか攻撃しないって言ってませんもんね。まあ、想定内なのです。ですが、良いのですかね。ここが、何処だかお忘れです?」


トキヤ達は、素早く入って来ると応戦する。


「では、僕は逃げますね。」


ルイスは、素早くテントから出て行く。ジェイド達は、撤退するしかなくなる。ここでボルドという審判の神様がパーティーのお知らせをしたのだった。

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