第210話 革命イベント4日目後半
さてと、取り敢えず在庫確認と配分記入は終わりましたね。次は、奪って来た物資の整理ですね。
「葛葉、俺も手伝うよ。」
「おやおや、皆さんありがとうございます。」
葛葉は、取り敢えず仕事がひと段落して木の下に座る。すると、グレンは無言で反対側の木に寄りかかって葛葉を護衛している。葛葉は、苦笑している。
「グレンさん、忙しいのでは?」
葛葉としてなので、呼び捨ては無しで言う。
「お前も、理解してるだろ?」
グレンは、暢気にそう言うと飲み物を渡す。葛葉は少しだけ苦々しく笑うと深いため息を吐き出す。
「美味しい、ありがとうございます。」
葛葉は、立ち上がり仕事を再開しようとしたが…。
「やっぱり、暗殺に来るよな。」
「まあ、これだけ動けば仕方ありません。」
グレンは、ジョブを剣士に戻す。葛葉は、誓いの刃といういつもと違う短刀を持つ。そして、構える。
「お前、徹底的だな。」
グレンは、呟く。構え方が、いつもとは違うのだ。
「せっかく、カリオストロに教えてもらった短刀の構え方ですから。こういう時に、使わなければ。」
錬金術師は、戦闘においては体が基本である。護身術を、心得てないといけない。それを教わる上で、カリオストロ直伝の構え方を教えられていた。
しかし、当時はその構えが知られ過ぎていた為に、使えば対策されて負けてしまう事が多かった。
けれど、その構えは受け継がれて来なかった。
ルイスもとい、葛葉しか今では扱えないだろう。一応は、プロメアにも教えてはいるのだが。
「さてと、じゃあ頑張りますか!」
グレンは、素早く走り出した。
「護衛対象から、離れるとは馬鹿だな。」
「残念ながら、守らなきゃならない程に葛葉は弱くは無いんだ。寧ろ、近くに居たら邪魔になる。」
グレンは、素早く剣撃を入れて黙らせて行く。葛葉
も、軽やかに敵を沈めて行く。
「うーん、思ったより弱いな。」
「おそらく、此方の実力を知ろうとしています。」
葛葉は、そういうといつもと違う短刀のしまい方をすると歩き出す。グレンは、苦笑して追いかける。
それから、5回も襲われてしまう。ロゼ達が、近くに居ても関係なく葛葉だけが狙われる。トキヤは、驚いて素早く葛葉を護衛する。ロゼも、険しい雰囲気で獣王国軍を追い返している。葛葉は、真剣な雰囲気である。そして、頷いてからロゼに言う。
「残念ですが、私もこれ迄の様ですね。命あっての商売ですから、この革命から引かせて頂きます。」
ロゼは、一瞬だけ固まるが『私であって、僕が引くわけでは無いですよ?』っと葛葉が呟けば頷く。
「そうだね、これ以上は君に迷惑はかけられない。これまで、協力をありがとう。また、平和になったらこのイギリスサーバーに来れば良いよ。」
「はい、それでは失礼します。」
葛葉は、テントに戻るとホッと息をつく。。
「これで、暫く葛葉は封印ですね。」
「じゃあ、その前にお仕置きしとこうか。」
モフっと、尻尾に触られて短く悲鳴をあげる葛葉。
「命狙われる程、一体この姿で何したんだ?」
「ちょっ、待って!待ってください。やめっ、モフるのやめてください。ちゃんと、話しますから!」
葛葉は、ぐったりなりながら言う。
「自業自得。」
グレンは、ため息を吐き出して言う。
「えっと、こちら葛葉の活動報告ですね。」
ルイスに戻り、素早く紙を渡す。
「なるほど、コレは激怒するよな。」
トキヤも、素晴らしい笑顔である。
「ルイス、罰として暫くはテントで書類仕事な?」
「プロメア達に、会おうかと思ってたのですが。」
ルイスは、おずおずと言えば。
「うん、終われば会えるぞ。」
「そ、そんなぁー。」
ルイスは、机に突っ伏すのだった。
ジェイドは、真剣な雰囲気で報告を聞いていた。
「むっ、仕留め損ねたか。だが、ここで革命軍を抜けるのはどういう事だ。ますます、分からんな。」
「なら、脅威はなくなった?」
ヴァンは、キョトンと聞いている。
「まあ、今の所はな。にしても、トキヤとグレンが注意人物に追加だな。breezeか、そのリーダーであるルイスの情報も欲しいんだがな。」
ジェイドは、考える雰囲気で呟く。
「一応、調べて貰ってはいるんだけど。」
ヴァンも、ため息を吐き出して困り顔である。
そして、ジェイドは三番勝負で探ろうと決意する。勿論だが、本人と会えれば尚更よい。
「にしても、葛葉とフレンドなりたかったなぁ。」
ヴァンは、思わず呟く。
「平和になったら、また来るみたいだし会えたら良いな。その時は、俺も挨拶くらいはしたいな。」
ジェイドは、優しく微笑み立ち上がるのだった。
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