第205話 革命イベント1日目前編
さてと、準備は出来ました。取り敢えず、サーバー移動の為にレインを呼び出します。
「イギリスサーバーに行かれるんですか?」
レインは、心配そうな雰囲気だ。
「はい、獣王国で知り合いがまってます。」
「分かりました、では同盟で登録します。転移先はもう、戦争が始まっています。気をつけて…。」
レインは、しぶしぶと頷く。そして、イギリスサーバーに飛ぶ。すると、獣王国軍が赤旗。中立派が緑旗。そして、革命軍が青旗である。
ルイスは、革命軍の旗を見る。
ふいに、3つの不愉快な視線を感じてルイスは警戒する。トキヤは、それを見てキョトンとする。ルイスは、警戒心が高く他人の視線に敏感だ。特に、感情がこもった視線は嫌でも気付いてしまう。逆に言えば、トキヤ達が気付かない程の僅かな気配の視線だという事だ。ルイスは、深い深呼吸…。
戦いは、もう始まっている…ですか。
「こんにちは、革命軍に加勢に来ました。」
「ありがたい、ようこそ革命軍へ!」
ルイスは、登録すると青年に言う。
「ここに居るのは、全て革命軍ですか?」
「そうだよ。けど、森で待ち伏せされててね。」
森で待ち伏せ…。なるほど、確かに獣王国前には広い森が広がっています。狙いは、物資でしょうか。
「武器は、何を使われているか分かります?」
ルイスの言葉に、青年はちょっと驚く。
「基本的、弓とナイフかな。」
「なら、そこまで脅威ではないですね。」
すると、同盟メンバー以外が驚く。
「森は暗いし、暗殺者がいるんだぞ?」
ルイスの言葉に、革命軍の男が言う。
「それは、陸路で行く場合です。僕達は、飛べますから。弓は、垂直には放てない。ナイフでも、威力が落ちるので問題は無いのですよ。」
ルイスは、フィンを撫でながら言う。
「俺達も、連れて行ってくれ!」
「条件があります。」
男の声に、ルイスは真剣な雰囲気で聖結界を2つ作る。そして、旗持ちの青年を呼ぶ。
「まず、革命軍は右の結界に入ってください。一人ずつ名簿と照らし合わせます。それで、一致した人は左の結界に入ってください。飛行途中に、後ろから斬られるなんてごめんですからね。」
ルイスの声に、一部の人が非難するがルイスの言いたい事も分かるので始める。そして、逃げ出そうとした、3人を倒してから飛行準備をする。
「ルイス、いつ気付いた?」
「来た時に、嫌な視線を感じました。」
トキヤの声に、ルイスは複雑な雰囲気で答える。
「マジかよ。敵さん、かなりやるな…。」
マッキーは、戦慄して震える。
「敵は、かなり頭が回る様です。」
ルイスは、そう言うとフィンに乗る。
「取り敢えず、お前の知り合いと合流だな。」
トキヤの言葉に、頷いてルイスはチャットを見る。そして、飛ぼうとすると赤旗の男が言う。
「革命軍は、物資は個人で報酬はなし。有るのは、勝利報酬だけだ。しかし、我々は100万ゴールドを払う。しかも、昇格もある。」
「あ、いりません。さて、全員出発です。」
「聞いた感じ、こっちでの物資調達は難しそうだな。人の分配を、よく考える必要がありそうだ。」
トキヤは、ルイスの隣を飛び言う。
「そうですね。」
「ルイス、元気がないな?」
イギリスサーバーの蒼龍人ヴァン
中国サーバーの白龍人ジェイド
「敵に、2人も龍人が居るとは…」
ルイスの言葉に、トキヤも苦笑している。
「盟主兼参謀、最近は楽してただろ?」
トキヤは、意地悪な雰囲気で言う。
「うーん…、厄介極まりないですね。」
ルイスは、ため息を吐き出して呟く。
「俺達も、勿論だが協力する。けど、相手のレベルが想像以上に高すぎる。現役の軍人でも、入り込んでいるかの様な奴も居るしな。そうなると、正面から出しゃばれば潰されてしまう。そうだよな?」
「…そうなんですよね。取り敢えず、情報が足りなさ過ぎます。上手く、合流が出来れば良いのですがね。さっきから、チャット会話が不穏なのですよ。おそらく、奇襲されそうで逃げてる様です。」
ルイスは、真剣な雰囲気で言う。
「何か、いきなり後手に回ったな…。」
「………。」
ルイスは、考える雰囲気で黙り込む。
「ルイス、そろそろ野営地だ。」
「はい、まずは挨拶ですね。グレンとルーカス、僕だけで取り敢えずは行って来ますね。」
ルイスが言うと、全員が頷く。
「お前みたいだチビが盟主だ?寝言は寝て言え!」
と、言われたので本人は来ていませんが勝手にやらせて頂きます。と言う訳で、忍者集合!
「烏丸さん、情報集めを。」
急いで机を出して、地図を広げる。ルイスは、真剣な雰囲気で考える。すると、忍者が入ってくる。
「王国軍の物資が、荷馬車にて運ばれる様です。」
「どの道です?」
ルイスは、手短に言えば頭を下げてしまう。
「それが…」
「大丈夫ですよ。おそらく、この8本ある獣道のどれか…。僕の予想では6番目ですね。適度にリスクがあって、誰も通るとは予想しないでしょう。」
ルイスは、優しく声音で言うと頷く忍者。
「一応、偽の荷馬車も潰しておいてください。遅れて、本命は到着するので油断と時間稼ぎが出来ますから。さてさて、中立派…どうしましょうかね。」
ルイスは、真剣な雰囲気で考える。
「ルイス、サラッと怖いぞ?」
グレンは、座りながら言う。
「しかし、手加減が出来るほど生優しい相手では無いのですよ。だから僕もなりふり構わず行きます。僕が龍人なのは、隠しておきたいですね。」
「もう、口止め済みだ。」
トキヤは、お茶を置いて座る。
「夜営準備は?」
「終わった。今は、ご飯作ったりだな。」
ルイスは、頷くと地図をもう一度だけ見て考える。そして、悩む様な表情をする。
「ルイス、どうした?」
「交戦が、始まったみたいです。マッキーさんを、呼んで来てください。ちょっと、話したいです。」
暫くして、マッキーが入ってくる。
「どうした?」
キョトンとして、ルイスを見る。
「どうやら、獣王国軍との交戦が始まったみたいです。マッキーさん達、フリューゲルに加勢に行って欲しいのですよ。ここで、頭を潰されるのは後々に響きます。絶対に、避けたいのですよ。」
「おう、分かった。じゃあ、行ってくる。」
マッキーは、頷くと安心できる笑みを浮かべた。ルイスは、申し訳なさそうに食糧を渡して言う。
「お、ルイスの手作りじゃんラッキー。」
「勝つ必要は、無いです。重要なのは、全員無事に帰還する事。決して、無理はしないでください。」
ルイスの言葉に、マッキーは頷いて出て行った。
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