第203話 感謝のSS 日頃の感謝を込めて…

*チビ達のハロウィン


プラメアは、魔法使いの格好で鏡を見ている。


むぅ…、髪がまとまらない…。アビスお姉ちゃんなら、出来るかな?でも、パパと鉢合わせするかも。


「プロメア、準備は出来た?」


「ガイア…」


ガイアは、ヴァンパイアの仮装である。


「ルイスさん、まだ来てないしまだ間に合う!」


メウロに言われ、いそいそと移動する。大人達は、そんな3人を優しく見守っている。


「まったく、うちの主は愛されてるな。」


バロンは、ハロウィンの飾り付けをしながら言う。


「まあ、ルイス様だからな。」


キリアは、お菓子を作りながら笑う。ローアンは、お菓子を並べつつも微笑ましく3人を見る。


「おはようございます。僕も、何か手伝いましょうか?えっと、何処まで終わってます?」


「ルイス様、大変に申し訳ないのですが…。少しだけ、お使いを頼まれてはくれませんか?」


キリアは、素早くリストを書くとルイスに渡す。


「はい、分かりました。では、行ってきます。」


そう言って、ノホホーンと部屋を出て行く。


「おチビ達、行ったぞ。」


バロンが言うと、いそいそと部屋に戻る3人。


5分程して、ルイスが帰ってくる。そして、学校の為にここでログアウトして行く。


「パパに、美味しいお菓子をあげるぞぉー!」


「「おー!」」


ランコルと、カリオストロが見守りをする。ガリレフも、何やら作業している様である。その他は、出かけている。そして、夕方までそれは続いた。


「ただいまです。」


ルイスが、部屋に入ろうとするが、その部屋はプロメア達がラッピング中である。すると、廊下を走る足音がしてドアノブから手を離す。


スコルとハティが、飛びかかって来たのだ。


さりげなく、フィンがドア前に立ち通せんぼう。ルイスは、やれやれとスコルとハティを抱えてドアを素通りして行く。引き戻してこない様、リルとソルがルイスの後ろから着いていく。


ルイスの声が、遠のいてからゆっくりドア前から離れるフィン。プロメア達は、ナイスと笑う。


フィンは、早く行けと小さく鳴いて歩き出した。


トキヤは、思わず無言で笑いを堪える。グレンは、明るく笑うと頑張れと応援する。ルーカスは、微笑ましく3人を見てから少しだけ考え込む。


おチビ達のハロウィンは、これからであった。






*ゲレティーの悩み


さてさて、今日もお供物があるね。彼も、律儀だよね。僕の為に、月に一度お供物をしてくれる。しかも、感謝のお供物とかもしてくれるからね。


「また、お供物ですか?良い信徒ですね。」


マーレイは、微笑ましく笑っている。


「そうだね。そうだ、お茶にしようか。」


ゲレティーは、お茶をしながらも仕事をする。


「あら、信徒ってもしや…女性ですか?」


マーレイは、お供物中のルイスを見てブラックオーラを放っている。ゲレティーは、驚いて固まる。


ガタッ!


マーレイは、素早く出て行ってしまう。ゲレティーは、慌ててルイスの場所に向かうのだった。


「ルイス、ちょっと助けてくれない?」


「へ?」


ゲレティーの言葉に、驚いた雰囲気で変な声になるルイス。すると、マーレイが現れるのだった。


「やはり、私よりもその方のほうが…」


マーレイは、涙目で肩を震わせている。


「なるほど…。」


ルイスは、それを見て納得したと頷く。


「納得してないで、助けてくれないかい?」


杖で殴られたのか、頭を押さえながら言うゲレティー。ルイスは、困った雰囲気でマーレイに言う。


「マーレイ様、お初にお目にかかります。私は、ルイス。ただの差がない、男の薬師です。」


そう言って、困った様に笑う。


「え?え?あの…」


マーレイは、冷静になって気付いたのか赤面する。


「はい、僕は男なので安心してください。」


ルイスは、優しく笑うと言う。


「マーレイ、これで僕を信じてくれるかい?」


ゲレティーは、ホッとした様に言う。


「私、なんて事を…ごめんなさい、ルイス君!」


「いえいえ、誤解が解けたなら良かったです。」


ルイスが、優しく笑うとマーレイも微笑む。


「にしても、もっと早く助けてくれても良いんじゃない?絶対に、君さ!わざとでしょう?」


「さて、何のことでしょう?」


ルイスは、明るく笑うと逃げる様に去るのだった。

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