第201話 驚愕の事実
さてと、素材が全部集まりました。すると、自動的に設置されます。聖職者達は、詠唱を開始する。
すると、少年の腕は綺麗に浄化される。
「あれ、ここは…」
少年は、キョトンと座っている。
「なあなあ、お前何者なの!名前は?親は?」
興味津々で、周りの人達が聞いてくる。すると、耳を塞ぎ震える仕草をする。すると、男達を周りが引きずって引き離す。ルイスは、静観している。
「ルイス、どうする?」
「暫くは、静観します。」
ルイスは、深いため息を吐き出す。しかし、誰も動こうとはしない。好感度が、一度落ちた住民からプレイヤーが信頼を勝ち取るのは難しいのだ。失敗すれば、他の住民からの信頼度も下がってしまう。つまりは、リスクが大きいから誰もしたくないのだ。
「腹が立つ…。ルイスに、無言でやってくれと訴えるとか。ルイスに、都合が悪い時だけ何もかも押し付けて。本当に、そういう態度が気に入らない。」
グレンは、低い声で言う。
「だって、NPCの好感度が1番高いのはルイスさんだろ!少しくらい、落ちても問題ないだろ?」
「お前達に、それを決める権利は無いっすよ。」
ルーカスは、静かに冷たい視線で言う。
「でも、それが最善策だろ?」
「別に、ルイス以外にも好感度が高い奴はいるだろう。どうして、ピンポイントにルイスを狙う?」
トキヤは、疲れた雰囲気で言う。
「だって、それが1番平和的な方法だから。」
その言葉に、名もなき同盟の全員が激怒する。ルイスは、龍の威圧で強制的に全員を黙らせる。そしてから、ゆっくりと近づき優しい声音で言う。
「怖がらせて、ごめんね。」
すると、ゆっくりと顔を上げる少年。ルイスは、それに合わせて目線を合わせる。そして、優しく頭を撫でて少年が落ち着く迄ゆっくり待つ。
「君は、悪くないよ。大丈夫、ありがとう。」
少年は、おずおずと言い小さく笑う。
「僕は、ルイスと言います。お名前は?」
「僕は、ダートムと言います。」
なるほど、なんでしょうこの違和感…。
「それより、僕は帰らなきゃ…父様が心配する。」
「それは、大変ですね。父親の名前は?」
ルイスは、本当に心配そうに言う。
「断罪の神エブラス」
んー?今、何とおっしゃいましたー?
ルイスは、思わず無言で固まってしまう。それは、周りのプレイヤーもである。そして、意を決してルイスは申し訳なさそうに質問する。
「君は、何の神様ですか?」
「平和と英雄の守護神だけど?」
ルイスは、無言で考えている。そして、聞く。
「不躾で、すみません母娘は秩序と均衡の女神でしょうか?そして、父親は…その…。」
「うん、大丈夫だよ。ありがとう、ルイス君。父親は、断罪の神…君達からしたら邪神だよ。」
ルイスは、雷に撃たれたかの様に固まる。
「ありがとうございます、ダートム様。」
「てっ、照れるからやめて欲しいかな…」
少しだけ恥ずかしそうに言う。
「ヘラの呪いは、何故に悪化したのです?」
「ヘラの要望を、父様は無視したんだけど、その腹いせに呪いを掛けに来たんだ。けど、父様は僕を庇って傷ついてて。傷を癒すため、眠ってたの。だから、一生懸命に撃退したけど呪いから父様を庇って。悪化したのは、父様に触れたからだと思う。」
なるほど、邪神の瘴気によって強化され、彼の腕から呪いが一気に広がったのでしょうね。たぶん、邪神…エブラスは、知っていて避けていたのかと。
「ちなみに、秩序と均衡の女神の名は?」
「ごめん、知らないよ。」
申し訳ない雰囲気で言う。
「質問ばかりで、ごめんなさい。でも、いろいろと助かりました。本当に、ありがとうございます。」
ダートムは、少しだけ考えると言う。
「うん、決めた。君だけは、僕と向き合ってくれたから2つだけ教えてあげるね。一つ、この世界に邪神なんて存在しないんだ。そもそも、邪神とは浄化しきれなかった瘴気に汚染されて狂った神の事を言うんだ。けど、父様は今は正気だから…」
「現在時点では、邪神ではないと?」
ルイスが、驚いて聞けば嬉しそうに頷くダートム。
「それと、ダートムしかりゲレティー様しかりこの世界での名前はこれだけど、君達の世界では名前が変わるんだ。ちなみに、僕の名はダアトだよ。そして、ゲレティー様はケテル。マーレイ様は、マルクトと呼ばれているんだ。驚いたでしょ?」
違和感は、これだったのですね。生命の樹(セフィラの樹)関連だったのですか…。となると、エブラスはどの神様なのでしょうか。確か、断罪ですよね?なら、当てはまるのは峻厳…ゲブラーですか!?
待ってください、事が大き過ぎて頭の整理が…
ルイスは、真剣に考えている。すると、ゲレティーが現れてダートムを連れ去ってしまうのだった。
ゲレティーは、仕事が増えたと苦笑していた。
こうして、ワールドクエストが終わるのだった。
作者の謝罪
寝落ちからの、寝過ごしました!すみません!
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