第194話 新イベント

ルイスは、ポーションを作っている。すると、プロメア達が寝ぼけた様に入って来る。どうやら、入る部屋を間違えた様だ。キリアが、慌てて連行する。


クスクスと、ルイスは笑いながらポーション作り。


「おはよ、久しぶりに狩に行かないか?」


トキヤは、ルイスを見てから言う。


「良いですが、お目当てのBOSSは何ですか?」


ルイスは、手を止めてのんびりと言う。


「考え中だ、不死鳥狩りにしようと思ったけど。」


フィアを見てから、苦笑する。フィアは、不機嫌そうである。そして、ルイスの肩に乗る。


「フィア、大丈夫です。行きませんから、機嫌を直してくださいな。フィン、ヘルプなのですよ。」


フィンは、やれやれと近づくと短く会話する。フィアは、何か言いたげな雰囲気で鳥籠に戻る。


「ん?えっと、何か言いたげでしたね。」


「ルイス、フィアをもふらないよな?」


トキヤは、ルイスを見て素っ気なく言う。


「最初、嫌がったので。女の子ですし、仕方ないですよね。だから、モフリませんよ?」


すると、フィンはなるほどと頷いている。


「ルイス、フィアは甘えたいんじゃないか?」


「さあ、どうなのでしょう?」


ルイスは、キョトンとして道具を片づける。


「まあ、いいか。さて、何に行こうか?」


「出来れば、蛇肉は見たくないです。」


遠い目で、ルイスが言えば思わず笑うトキヤ。


「おはよ、ルイスさドロップに金リンゴあった?」


グレンは、暢気な雰囲気で入って来る。それを聞いて、ルイスは真剣な雰囲気になっている。


「グレン、おはよう御座います。さあ、鞄の整理をしていないので何とも言えませんね。それが、どうしたのでしょうか?すみません、トキヤさん。」


ルイスの雰囲気に、トキヤは無言で頷く。


「ハルトが、鞄に入っていたらしくてな。」


「……『不和の林檎』。」


ルイスは、考える雰囲気である。2人は、ルイスの口から溢れた不穏なワードに真剣になる。


「えっと、どういう事だ?」


「ヒュドラもバジリスクも、ギリシア神話の怪物ですよ。つまり、その黄金の林檎もギリシア神話のものでしょう。そして、ギリシア神話で黄金の林檎と言えば有名なのはパリスの審判です。」


すると、グレンは考えてる。トキヤは、苦笑する。


「マジか…。トロイア戦争でも、起こす気かよ。」


「やめて欲しいですね。この世界で、そんな事されたら邪神も動いているのに被害が…。」


ルイスは、少しだけ深刻な雰囲気である。


「ごめん、パリスの審判って何?」


パリスの審判 (ウキペディアより)

ゼウスが開いた、ペーレウスとテティスの結婚の祝宴に招かれなかった争いの女神エリスは、宴の最中に黄金の林檎を投げ入れた。


黄金の林檎には、【最も美しい女神に】と書かれていた。3人の女神、ヘラ•アテナ•アフロディーテがこの林檎に相応しいものとして要求した。


ゼウスは、人類で最も美しい男、トロイアのパリスが、間もなく行われる雄牛の審査会の審判をする事に気づき、雄牛に変えたアレスを遣わした。ゼウスは、パリスが公正公平な審判をすると知っており、パリスに判断させようと考えたのである


彼は林檎をヘルメスに持たせ、パリスにそれを届けて、女神たちが彼の判断を議論抜きに受け入れることを伝えよと命じた。女神たちはパリスのもとに現れ、それぞれ林檎を得るための賄賂としてパリスに贈り物を約束した。


ヘラは、「アシアの君主の座」を、アテナは「戦いにおける勝利」をパリスに約束した。最後のアプロディーテーは、「この世で最も美しい女」、すなわちトロイアのヘレネー(この時点ではスパルタの王妃)を妻に与えようと約束した。


パリスはアプロディーテーを選び、これがトロイア戦争の発端となる。パリスはすぐに兄弟と、ヘレネーとメネラーオスの結婚を祝うために出かけた。彼らはそこで夜を迎え、メネラーオスはアガメムノーンに呼び出されると、ヘレネーとパリスだけが残された。このとき二人は愛を交わし、ヘレネーはメネラーオスを捨ててパリスとともにトロイアへ向かった。ここからトロイア戦争が始まった。


ルイスは、インターネットを使いグレンに説明中。


「なるほど、だから不和の林檎か…」


「クエストだろうな。ギリシア神話か、まさか神様と戦うとか無いよな?某ゲームみたいに、ゼウスを倒せとか神様を倒せとかだったら嫌だな。」


トキヤは、苦笑している。


「ゲレティー様に、それとなく聞いてみます。」


「頼んだ。」


トキヤは、頷いている。


「これは、どういう意味なんでしょう?不和の林檎…。僕にも、入ってました。詳細も不明ですが、食糧ではなく素材ですか。不老不死の効果を持つ林檎で、不老不死の薬でも作れと?うーん…。」


ルイスは、真剣な雰囲気で悩む。


『うん、それは作って欲しいかな。まずは、レシピを見つける事が先だけど。言っておくけど、確かに金リンゴには不老不死にする力がある。けれど、永遠では無いんだ。現に、北欧神話では食べなくなって死んじゃったでしょ?だから、不老不死の薬も効果は切れちゃうんだ。だから、大量にいるかもね。だから、黄金の林檎を集める必要があるよ。』


ゲレティーは、ルイスに神託で話す。


「どういう意味ですか?」


ルイスが、そう呟けばゲレティーは言う。


『この世界に、別の神話が混ざって来た。神を追い返せば、平和になるはずだよ。というか、昨日のイベント詳細に書いてあるからちゃんと読んで。』


ルイスは、小さく書かれたお知らせに台パン。


「こんな重要なイベント、小さく書くなです!」


トキヤとグレンは、キョトンとしてお知らせを読み苦笑する。ルイスは、深いため息を吐きだす。


「林檎は、イベント前から集められるのか。」


「ここには、書かれていませんがギリシア神話の怪物のみからドロップしそうですね。」


ルイスの呟きに、ゲレティーの神託が切れる。トキヤは、無言で頷くとギリシア神話BOSSで素早く検索している。そして、ルイスを見ている。


「トキヤさん、トモ君とユウユウ君の所属するクランと一時的な共闘関係を結びましょう。」


ルイスは、真剣な雰囲気でチャットを打っている。


「了解、こっちで準備する。」


トキヤも、書類を作りに部屋から出て行く。大きなイベントが、動こうとしていた。ルイスは、真剣な雰囲気で立ち上がると本を読みに移動する。


グレンは、考えてから掲示板から情報を探す事にするのだった。新イベント、混沌神話伝…開始!

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