第191話 男子会?

えっと、先ずはお店に入ってと。あ、グレンさんと他2人は誰だろ?学校で、見た事ある様な感じだ。


「お、来たな。じゃあ、移動しょうぜ。」


「えっと、分かった。」


アビスちゃん、可愛いなぁ…。さてと、中にはトキヤさんとマッキーさんとセロンさんだな。


「ん?珍しいメンバーだな、お茶淹れようか?」


トキヤは、キョトンとして言う。


「いや、お茶なら俺でも淹れられる。」


グレンは、キッチンに向かって行く。


「初めましてだな、俺はトモだ。」


「初めまして!ユウユウだぜ!」


2人は、笑顔で自己紹介する。


「えっと、ハルトです。」


「2人は、高校も同じだし俺とルイスとも中学校は同じだぜ。トモに至っては、小学校からルイスと同じクラスだった。はい、珈琲は飲めるか?」


グレンは、珈琲を置きながら言う。


「ありがとう、飲める。」


「あ、俺の事もグレンって呼んでくれ。」


ハルトは、無言で頷く。休憩に来た、キリアが気を利かせてお菓子を出して、離れた場所で休む。


「そもそも、ルイスって小学校で最初の頃はゲームと同じキャラだったんだぜ。明るく、笑顔で。」


すると、トキヤ達も知らなかったのか、紅茶を飲みながらトモを見ている。セロンは、首を傾げる。


「ハルト、お前は自分の人格や好きな物を否定された事はあるか?ルイスは、小学2年の頃に否定されちゃったんだ。だから、どうして良いか分からなくて喋らなくなった。そして、周りを伺いながら本当の自分を出さなくなっちゃったんだよな。」


トモは、悲しそうに苦笑している。


「もしかして、虐められてたのか?」


グレンは、言いづらそうに言う。


「いや、ルイスが無言で居る事を心配した、クラスメイト達のおかげでそれはなかった。」


トモは、珈琲を飲み真剣に言う。


「だから、ルイスを悪く思わないでくれ。たぶん、あいつにとってリアルバレって、かなり怖い事なんだよ。普段、見ない様な動揺振りだったしな。」


「勿論、そんな事は思ってない。」


ハルトは、真剣に言う。


「さて、悲しい話はこれまで!まだ、楽しい時間は取り戻せる。まだ、学生だからな。という訳で、俺からのアドバイス。外堀は、埋めとけよ?」


「え?外堀って、何だよ?」


ハルトは、キョトンとしている。


「ルイスの周り、大人達しかり俺達しかり仲良くなっておくって事だよ。グレンも、その為に俺達やトキヤさん達を集めたんだよな?」


トモは、グレンを見てからニヤニヤ言う。


「正解。それと、ルイスは逃げ癖があるから。俺もさ、最初ゴリゴリに話しかけて、オロオロしてちょっとかわいそうになって。だから、ちょっと引いたらピューンと投げちゃってさぁ…。困ったよな。」


グレンは、思い出したのか困った様に笑う。


「ああ…、あれね。だけど、そのうち逃げなくなって会話してくれる様になったんだよな。」


ユウユウは、お菓子を食べながら言う。


「という訳で、仲直りした事だし友達になりたいと思うなら、どんどん話しかけてくれ。あいつは、自分から話す様なタイプじゃないからな。」


なるほどと、頷くハルト。トキヤ達は、そんなハルトを見て少しだけホッとする。


「あ、特にプロメアとはお友達になっとくべき。」


グレンは、暢気にお菓子を食べながら言う。


「えっと、白髪赤目のちびっ子だよな。」


「そそ、ルイスの娘…ホムンクルスだな。当然だが、物扱いとかしたらルイス激怒案件です。」


そして、そのままお茶していると…


「昨日、ルイス君から言い過ぎたって謝罪のディスコがあったよ。僕が、やらかしたのにね。」


セロンは、苦笑して紅茶を飲む。


「まあ、そこら辺は後で仲直りしとけ。」


トキヤは、セロンに笑いながら言う。


「そうだね、何を狩りに行こうかな?」


え?何を狩りに行くって…、どういう事だ?


「βテスターのお約束、仲直りしたら一緒にBOSSを倒しに行くんだ。まあ、薄れたお約束だな。」


トキヤは、ハルトの顔を見てから説明してあげる。


「どうせなら、ハルトもやるか?ルイスも、βテスターだしそのお約束も知っているぞ。」


マッキーは、暢気に笑って言う。


「でも、ルイスさんが嫌がるんじゃ…」


『そこは、お願いとゴリ押せば何とかなる。』


全員が、同じ事を同時に言う。


「あ、でもレベル的に僕とハルトは別で行くべきかもね。何処に行くか、決めておかないと♪」


セロンは、上機嫌で考えてる。


「俺達は、バジリスクかヒュドラーかな。」


グレンが言えば、トキヤは固まりマッキーは苦笑している。3人は、知らないのか首を傾げる。


「トキヤさん達、ここに居たんですね。」


ルイスは、少しだけ疲れた雰囲気で来る。


「セロンさん、この間は言い過ぎました。」


「いやいや、僕が悪いんだから気にしないで。寧ろさ、何かこっちもごめんね。後で、仲直りのBOSS狩りしよう!BOSSは、僕が考えておくよ。」


セロンは、申し訳ない感じで言う。


「はい、分かりました。」


「ルイス、ハルトが仲直りのBOSS狩りしたいってさ。そんで、オススメはバジリスクかヒュドラーなんだけど。あ、勿論だけど俺達も着いて行く。」


すると、ルイスは呆れた雰囲気である。


「グレン、BOSSのレベルは覚えてますよね?」


「ヒュドラーが、300レベル。バジリスクが350レベルだよな。3人の、レベリングも出来るし、良いと思うんだけど。目指せ、レベル300!」


グレンは、明るく雰囲気ではっちゃける。


「無理だ!!」


ユウユウは、即答する。


「スパルタ過ぎないか!?」


トモは、驚き固まり何とか言葉を出す。


「あの、俺のレベル200ちょっとなんだが?」


ハルトは、困った雰囲気で言う。


「大丈夫!ルイスが居るから、死にはしない!」


グレンは、デデーンと言っている。


「グレン?僕の負担が、やばいのですが。」


「お前なら、出来るだろ?お願い!」


ルイスは、真面目にやるんです?と無言で問う。グレンは、勿論だと頷いている。ルイスは、深いため息を吐き出して頷く。そして、3人を見る。


「それでは、準備してここに集合で。明日は、学校もバイトもお休みなので、時間が許す限りお手伝いしますよ。仲直りBOSS狩りなら、頑張ります。」


その言葉に、4人は出て行く。ルイスは、トキヤ達の席にお邪魔してセロンとの狩りの話し合い。


暫くして、グレンが来たのでルイスは移動する。


「それで、3人とは何を話していたんです?」


「悪気は無いけど、お前の小学校の時の話とか。」


グレンは、少しだけ罰が悪そうに視線を逸らす。


「ふむ、小学校ですか。余り、良い思い出はありませんね。けど、その時代があったから中学時代は笑えたと思います。まだ、いろいろ怖いんですけど。けど、今が楽しいからそれで良いんです。」


ルイスは、お菓子を食べながらノホホーンと笑う。


「そっか。さてと、3人はまだかね。」


「まだ、かかるのでは?それにしても、久しぶりの周回ですね。欲しい素材も、取れちゃうので僕にとっても美味しい案件です。特に、毒とか毒とか。」


ルイスは、ニコニコと言っている。


「ルイス?その毒は、いったい何に使うんだ?」


グレンは、冷や汗ながらにルイスに聞く。


「ふふふ…、秘密です♪」


ルイスは、明るい雰囲気で言う。


「怖ぇえよ!?」


グレンは、思わず突っ込みを入れる。


「冗談ですよ。抗毒薬、解毒薬そして予防薬の素材に適しているのですよ。毒のレアリティが、高ければ高い程に良い薬が出来ますからね。そして、これらの薬は毒を使う敵には必須な物となります。」


ルイスは、クスクスと笑って説明する。


「なるほど。最近、毒を使う敵も増えたしな。」


ホッとしつつ、グレンは頷いている。トキヤ達は、そんな2人のほのぼのした雰囲気に笑っている。


「そうですが、残念ながら不死鳥狩りが今の流行ですからね。呪い対策、出来ているんでしょうか?」


ルイスは、珈琲を飲みその後に小さく欠伸をする。


「何か、お疲れだな。」


「あはは…、お客対応は精神的に疲れるのですよ。リアルもこちらも、そう変わりませんね。」


ルイスは、苦笑している。


3人が来て、ルイスとグレンは立ち上がる。ルイスは、トキヤ達に声を掛けて4人と出掛けた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る