第189話 バレました。
さてと、平和な日常に戻って参りました。追加クエストも、早々にクリアしたので暇なのです。
ルイスは、本を読んでいると、オズオズとハルトが入って来る。ルイスは、無言で目を丸くする。
「あ、ごめん…その、道に迷って!」
「セロンさんは、どうしたんですか?」
ハルトは、凄く混乱している雰囲気だ。ルイスは、セロンをチャットで呼び出してみる。どうやら、うっかり置いてきたらしい。しかも、クエストを受けてしまって、直ぐには戻って来れないとの事。
ルイスは、紅茶を出して読書を再開する。
「……瑠衣だよな?」
ルイスは、警戒する雰囲気である。
「あー…、本を読む仕草が瑠衣なんだよな。」
ハルトは、視線を逸らしながら言う。
「これだから、君とは近づきたくなかったのに。」
ルイスは、少しだけムスッとして言う。
「あー…、なるほど。避けられてたのは、気のせいじゃ無かったんだな。あ、勿論だが言わない。俺の所属するクランでは、瑠衣…ルイスさんは重要人物だしな。ごめんて、そんなに不機嫌になるなよ。」
ハルトは、困った様に笑いルイスに謝る。
「知ったからには、協力をお願いしますね。」
ルイスは、ブラックオーラを纏い微笑む。
「おっ、おお…。俺に、出来る事なら任せろ。」
ハルトは、その迫力に何とか頷いて言う。
「あーもう、面倒な事になったのですよ!」
すると、トキヤが入って来る。どうやら、聞いていた雰囲気である。本棚に、本を戻すとハルトを連れて行ってしまった。ルイスは、キョトンとする。
暫くして、青ざめたハルトが帰って来る。
「保護者組、怖ぇえ…。」
「ん?トキヤさん達に、何か言われました?」
すると、グレンとルーカスが入って来る。
「ルイス、シャルムさんが待ってる。」
グレンは、そう言うとルイスの手を取り連行。ルーカスは、満面の笑顔で優しくハルトとお話し。
「グレン?」
「セロンの奴、後でボコボコにしてやる。」
ボソッと、グレンは聞こえない様に呟く。
「グレン、何か言いました?」
「いや、装備の修理が終わって良かったな。」
グレンは、いつもの笑顔でルイスに言う。
「そろそろ、次の国を攻略したいですね。」
ルイスは、考える雰囲気でホワホワと言う。グレンも、暢気に頷いて同意する。ルイスは、嬉しそうに装備を受け取る。リル達用の装備も、納品されたから更にである。ルンルンな、ルイスに微笑む周囲。
暫くして、息切れしたセロンが来る。そして、本当に申し訳ない感じで青ざめている。
「セロンさん、僕は前もって教えてましたよね?彼とは、同じクラスの人だし身バレしたくないと。」
ルイスは、不貞腐れた口調で言う。
「本当に、済まない。他の人との話に夢中で、彼に帰る事を伝えるのを全く忘れていたよ。」
セロンは、とんでもない事をやらかしたと焦る。
「まったく、口止めはお願いしましたけど。」
ルイスは、どら焼きをパクリッと食べると不安そうな表情をする。ルーカスは、ルイスの隣に座る。
「大丈夫っすよ。話してみたっすけど、正義感が強くって常識的な人みたいっすから。」
「何か有れば、ルイスは引き篭もるだけだし。」
トキヤも、頷いて優しく安心させる。ルイスは、無言でどら焼きを食べている。グレンは、良くないと判断してどら焼きを回収する。ルイスは、リルを抱きしめて無言で座っている。かなり、バレた事にストレスを感じている雰囲気であった。
「えっと、えっと…ルイスさん?」
ルイスは、無言でハルトを見る。
「守護騎士の誓いを、受け取ってくれないか?」
「……?」
ハルトの言葉に、ルイスは無言で首を傾げる。
「クエストで、追加される守護騎士と聖騎士のスキルだ。誓いを立てた、相手の不利益になる事が出来なくなる。あ、悪事の場合は例外だ。まあ、俺が思うにルイスさんが悪事をするとは思わないけど。」
ルイスは、素早く調べる。ハルトは、ステータスを公開して真剣にルイスを見る。ルイスは、深いため息を吐き出す。そして、首を横に振る。
「その誓いは、君の未来の主人の為に取っておくべきです。取り敢えずは、様子見ですかね。」
「でも…」
ルイスは、緑茶を飲み学校の口調で素気なく言う。
「もったいない。僕は、別に君に守られる程に弱くはないよ。それに、頼れる仲間達も居るからね。そのスキルは、2回しか主が変えられないんだよ?」
「ありがとうな、瑠衣。」
ハルトは、明るく笑うと感謝する。
「そうだ、ゲトウやユナツとフレンドって嘘?」
話題を変えて、少し明るい口調で聞く。
「僕、滅多にフレンド申請しないよ。それに彼ら、レベル170だし僕達と会えるはずがない。だって、僕達は400レベル超えたし、攻略エリアが違うからね。次の国の、ヒント探し中だよ。」
ルイスは、キョトンとして首を傾げる。
「もしかして、クラスメイトの名前とレベルと職業。全て、把握してる感じか?」
「全てでは、ないですがある程度は…。」
ルイスは、疲れたのか口調を戻して言う。
「知らないとはいえ、ルイスさんを雑魚扱いした陽キャ組に合掌だな。てか、無反応だっよな?」
合掌してから、ルイスに質問する。
「言いましたよね、怒る気力が無いと。別に、勘違いされて困る内容では無いですし。いっそ、そのまま勘違いをしてくれた方が、僕にとっても都合の良いのですよ。擦り寄られても、面倒ですからね?」
ルイスは、苦笑しながら言う。
「…ルイスさんさ、リアルじゃ余り感情を見せないけど、この世界だと表情豊かだよな。俺としては、リアルでもそうあって欲しいけど…嬉しいかな。」
ハルトは、本当に嬉しそうに言う。グレンは、少しだけ驚き考える仕草をする。トキヤは、ルイスを無言で見ている。ルイスは、少し躊躇う様に言う。
「だって、ここでは自分らしさを出しても受け止めてくれる、信頼できる仲間が居ますから。」
ハルトは、その言葉に少し驚くが頷く。
「ルイスさんも、苦労しているんだな。」
そのあと、暫く話してハルトは帰るのだった。
作者の謝罪
台風の影響で、6回の停電が起きまして…。流石に更新は、無理だと判断して今日投稿しました。
皆さんも、気をつけてお過ごしください。
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