第188話 ダリア同盟VS名もなき同盟
不動産屋に着いたので、ルイスは無言で座って飛梅が来るまで待っている。暫くして、飛梅が来る。
「その、待たかな。えっと、何で不動産屋なの?」
「勿論、貴女のホームを取り戻す為です。」
ルイスは、立ち上がり不動産屋の主メルルを呼ぶ。
「お待たせニャ!それで、要件は何ですかニャ?」
スーツ姿の、三毛猫の獣人が明るく笑う。
「メルルさん、少しだけお話がありまして。」
ルイスは、事情を話しながら交渉していく。
「ふむふむ、250万Gでどうニャ?」
メルルは、満面な笑顔で言う。しかし、その瞳はまったく笑っておらず、冷気すら感じられる。
「高っ!?そんなお金、私払えないよ?」
飛梅は、オロオロと言う。
「あ、お願いします。」
ルイスは、ケロッと笑って頷く。
「流石、生産クラン1位のリーダー…。そんな、あっさり大金を出してしまうなんて。はっ!じゃなくで、私そんな大金を返せないよ?無理だよ?」
飛梅は、青ざめてルイスを見ている。
「別に、返せとは言ってませんが?」
ルイスは、少しだけ呆れた雰囲気である。
「でもでも、それは絶対に駄目だよ!」
「勿論、きっちりと回収しますよ?レナさん達からね。せっかく、あちらから喧嘩を売ってくれたんです。勝利して、しっかり稼がせて貰いますよ。」
ルイスは、小悪魔な笑みで明るく笑う。すると、周囲の冒険者達が思わず笑っている。メルルも、優しく笑いお金を受け取るとカードを渡す。
「これを、折ればクランホームが初期化されてマイホームになるですニャ。初期が、マイホームとして登録されてるからニャ。一応、本人確認の為に音声と顔認証をお願いするニャ。これは、義務ニャ。」
「じゃあ、行ってくるね。」
そういうと、飛梅はメルルに着いて言った。ルイスは、無言で頷くと近づく人影に微笑む。
「あちらは、動きなしでござる。」
「見張り役まで、ありがとうございます。」
ルイスは、申し訳ない雰囲気で言う。
「拙者で良ければ、いくらでも助太刀するでござるよ。それよりルイス殿、我ら『道楽嬉笑』も同盟に加盟させて頂きたいのでござるが。」
烏丸は、少しだけおずおずとお願いしてくる。
「それは、こちらとしても嬉しいですね。」
ルイスが、ノホホーンと笑えば烏丸はホッとする。
「感謝するでござるよ。では、拙者はこれにて。」
そう言うと、ドロンと姿を消してしまう。暫くすると、飛梅が戻ってくる。そして、カフェに入るとケーキと飲み物を選び、打ち合わせをする。
「では、そういう事でお願いしますね。」
「うん、私…頑張るよ。」
そして、喧嘩が開始されようとしていた。相手は、ルイス達の戦力に威圧されている。ルイスは、ニコニコとしている。そして、攻撃開始の合図。
敵は、ホーム防衛装置を起動させようとする。
「飛梅さん、やっちゃってください。」
「うん、わかったよ。」
そう言うと、カードを真っ二つに折った。止まる防衛、そしてホームから追い出されるダリア同盟。身を隠す、立派なお城を無くした彼らの殆どが、心が折れてしまっていた。更に、追い討ちをかける様に嫌々と従っていたクランが降伏していった。
ルイスは、容赦なく前進。
「名もなき同盟盟主、ルイスと申します。」
「……くそがぁ!」
「シャコルさん、降伏しません?今なら、話し合いで手を打ちますよ。一方的な蹂躙は、余り好きでは有りませんから。平和的に、解決しませんか?」
ルイスは、最後のチャンスとして話し合いを提案。
「うるせぇーんだよ!」
「そうですか。では、手加減はやめて普通に戦っちゃいますね。全員、手加減なしでお願いします。」
すると、全員が装備変更して暴れ出す。余りのレベル違いの戦闘に、敵は戦意消失し飛梅達も息を吸うのを忘れるレベルで見入ってしまう。
「はい、旗は頂きました。僕達の勝ち♪」
ルイスは、旗を飛梅に渡す。
「今度は、奪われないでくださいね?」
「あ、ありがとうございます。」
ルイスの、盟主としてのカリスマ性に思わず敬語になる飛梅。ルイスは、思わず笑っている。
「さてと、貰う物は貰いましたし撤退しますよ。」
ルイスは、仲間達に話しかけて去っていった。
「カッコいい。私も、盟主として頑張らないと。」
飛梅は、小さく呟く。
「梅ちゃん、まさか名もなき同盟を味方に着けるだなんて驚いた。ルイスさん、カッコいいなぁ…。」
朔夜は、憧れのアイドルを見るかの様に言う。
「朔夜、ごめんね。私、周りが見えてなくて…」
すると、朔夜は笑って言う。
「私、これでも同盟の副盟主だよ?梅ちゃんが、辛そうなら支えるのもまた私の仕事。だから、一緒にあのボタンを押しちゃお!私達には、その権利があるんだから。さあ、皆さん纏めて追放じゃーい!」
2人同時に、ボタンを押して笑い合う。
「おいおい、2人で喜び合うなよ。俺も、一応は頑張っていたんだぜ?取り敢えず、今日は飲もう!」
カズヒコは、すこしだけ拗ねた雰囲気で言う。
「カズニャン、そうだね。皆んなで、飲もう!」
朔夜も、ノリノリである。
「うん、そうだね。」
飛梅は、仲間の輪に入るのだった。ルイスは、遠くでそれを見てから、優しく微笑み歩き出した。
「お前なぁ、お人好し過ぎ。」
マッキーは、少しだけ怒った雰囲気で言う。
「確かにね。けど、報酬が美味しいから僕から何か言う事は無いかな。これで、装備一式を買える。」
セロンは、同意しながらも上機嫌である。
「まあまあ、元はと言えば俺繋がりだし…な?」
トキヤは、ルイスを庇う様に言う。
「一応、俺はルイスの心配をして怒ってるんだぞ?別に、ルイスのお願いなら頼まれる。けれど、優しさだけでは相手が甘えるだけって忘れるなよ?」
マッキーは、本当に心配している雰囲気だ。
「マッキーさん、ありがとうございますね。でも、一応は相手を選んで助けているつもりです。喧嘩を売られたので、ついでに助けただけですよ。」
ルイスは、微笑むとマッキーは深いため息。
「なら良いけど、少しだけ言い過ぎたか?」
「いえいえ、とても嬉しいですよ。皆さん、僕に甘い所が有りますからね。ありがたいです。」
ルイスは、気にしてないと笑うのだった。
作者の独り言…
悲報…。スマホの画面が割れる…
ちくしょぉおおお!コホンッ、失礼しました。何とか、昨日の分を投稿しておきますね。
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