第180話 夏イベ2日目 海の家!

先ず、海の家の位置決めは、くじ引きで決められます。勿論、運営さんがくじ引きの箱を持ってます。


まず、数字の書かれた設置場所の図が張り出されています。各リーダーが、運営さんの持っている箱から紙を一枚取り出します。その紙の数字と、図の数字がある場所に海の家を設置できます。


くじを引いたら、その場でくじ開き運営さんに見せます。運営さんは、張り出された図にクランやパーティー名を書いて行きます。勿論、場所の交換も運営さんを通してやれば許可されます。


さて、一番最初にくじを引くのはbreezeです。


「ありゃま、人が来やすい場所だな。」


「大丈夫ですよ。」


ルイスは、静かな雰囲気で微笑む。すると、マッキーが来て小さな声でルイスに意見を聞きに来る。


「ルイス、同盟の戦闘職は素材集めを請け負う事になったんだ。お金は、後払いで渡した素材は互いにメモする事にする。レベルの低い戦闘職は、バイトとして雑用を同盟の海の家でさせたいかなって。」


「それは、有り難いですね。こちらからも、よろしくお願いします。これで、素材問題はOKです。」


ルイスは、明るく微笑み言う。マッキーは、頷くと爽やかに手を振って去って行った。


すると、涙目で可愛い系ショタが近づいて来る。


ルイスは、天然な雰囲気MAXでノホホーンとした態度である。暫くすると、可愛い系ショタたはルイスに怯える様に声を掛けて来る。


「あ、あの…えっと、場所交換してください!」


まだ、全員がくじ引きし終わってないので、その場に全員が居るのにルイスに言う。その場の人達は、その礼儀知らずな行為に驚き不愉快そうだ。


「良いですよ。」


ルイスは、ほわわーんと笑いながら頷く。


「え?」


思わず、可愛い系ショタの作り顔が崩れる。


「ですから、良いですよ。くじ引きが、終わったら交換しましょう。運営を通してチェンジです。」


ルイスは、ノホホーンとOKを出す。


「本当に、良いんですか?後で、やっぱり辞めたとか無しですよ?絶対ですからね?」


可愛い系ショタは、捲し立てる様に早口で言う。それに対して、ルイスは嘘か本当か分からない、ショボーンとした雰囲気で可愛い系ショタに言う。


「breezeが、信用が出来ないですか?でも、大丈夫なのですよ。こんな大勢を前に、嘘をついてしまえばお店の信頼問題に関わりますから…酷いです。」


すると、しまった!っと周りを見渡す。可愛い系ショタに、その場の殆どのプレイヤーが怒りや不愉快そうな視線を向けている。知名度がたかい、クランに言い負けてしまったので尚更に立場が悪い。


「あ、えっと…すみません。言い過ぎました。」


このままでは、マズイと謝罪する。


「それに、そちらに何かしらの思惑がある様に、僕達にも僕達なりにいろんな考えが有るのですよ。」


ルイスは、わざとこの言葉を選んで言った。


「思惑って、言葉が悪くないですか?」


可愛い系ショタは、不機嫌そうに噛み付いてくる。


「ん?誰だって、売り上げ上位を目指したいという思惑は有ると思いますが?うちは、今回は売り上げ上位を目指さない考えなのでそう言いましたよ?」


え?別に、言葉も意味合いも間違ってないよね?っという雰囲気で言う。そして、その様に考えるという事は、breezeに何かしら悪い感情を持っている。そう、自ら暴露してしまった様なものである。


完全に、可愛い系ショタはやってしまった。


「え、えっと…そういう意味だったんですね。」


少し動揺して、表情を引き攣らせオロオロ言う。


「どう、勘違いしたか分かりませんが…。思惑という言葉は、決して悪い意味合いだけで使うものじゃ有りませんよ。次からは、気をつけてください。」


ルイスは、素晴らしい笑顔で言う。伊達に、生産クラン1位のリーダーはやってないと、理解させられる可愛い系ショタ。周囲も、一部の人が失笑する。


可愛い系ショタの、完全敗北である。


「舌戦で、挑んで来るとはアホだな。」


トキヤは、呆れた雰囲気で笑う。


「伊達に有名な、同盟の盟主をやっている訳じゃないのに。奴ら、ルイスを舐めて掛かりすぎたな。」


マッキーも、苦笑しながら言う。


「まあ、これで運営さんの監視対象確定だな。」


トキヤは、ニヤリとそう言う。


「まったく、大人しくしとけば良かったのに。」


マッキーも、ニヤリと同意しながら言う。


ルイスは、くじ引きが終わり運営さんに声を掛けている。運営さんは、鬼崎さんを呼んでお願いする。


「一応、確認しますね。本当に、交換しても大丈夫ですか?交換した事で、トラブルを起こさないですか?この事に、YESと答えられたら交換します。」


「勿論、YESですよ。」


ルイスは、ノリノリで言う。


「YESです。」


すると、鬼崎さんは何かを操作。そして、他の運営さんに声を掛けて図の名前を書き換える。


「ちなみに、これは私の興味本位ですが、ルイスさんは何故に海の端の位置が良いんですか?」


「先程も言いました通り、僕達はそこまで本気で上位を目指すつもりは有りません。それに、もしもあの位置でうっかり繁盛してしまうと、入り口を塞いでしまいかねないのですよ。海目的のプレイヤー、住民さん達の邪魔にならない為ですね。」


鬼崎の言葉に、ルイスは詰まる事なく答える。すると、なるほどと周りのプレイヤー達が頷いている。


こうして、海の家完成からのスタート。


「やはり、こうなりましたか…。」


お店は満員、外は行列である。列整備に、数人のアルバイトが外に出ていった。大繁盛である。


「すみません、素材を分けてくれませんか?」


例の可愛い系ショタが、入ってきて言う。


「買うという事なら、分けても大丈夫ですよ。何が欲しいんでしょうか?現金払いでお願いします。」


「えっと…」


そう言って、ルイスにリストを渡す。ルイスは、計算機能で素早く計算する。そして、合計を言う。


「支払い金額、70万5千2Gです。」


「あの、少しだけ安く出来ませんか?」


その言葉に、お店に居た全員が驚く。


「無理です。これは、既に相場表の値段で計算してますから。手数料や交渉料、税金などを取ると80万Gを普通に超えてしまいます。これらの金額を、取らずに売って差し上げるのに、厚かましいとは思わないのですか?交渉決裂で、良いでしょうか?」


ルイスは、静かな雰囲気でニコニコ言う。


「それは、脅しです!」


「違います。あ、運営さんコチラです。」


運営さんは、ログを確認してから駆けつけてくれていた。監視対象だったので、動きも迅速であった。


「ヤマさん、約束しましたよね?トラブル行為は、起こさないと。しっかり、会話のログを見て運営が計算しました所…。ルイスさんは、端数を計算に入れてませんでした。勿論、交渉料・手数料・税金も入れていませんでした。それらを、全て合計するとですね。100万7千8百Gになります。」


全員が、ルイスの太っ腹計算に驚いている。


「僕も、かなり妥協した計算したのですよ?希少品で高値な物ほど、税金は高くなりますからね。勿論ですが、足りないお金は僕が自腹で出す予定でしたよ。素材問題は、理解してましたからね。」


こうして、可愛い系ショタはマナー違反とルール違反で閉店。ルイスは、少しだけ気を抜くのだった。その後にも、素材を分けてくれないかと人が来たりもしたが、しっかり全額を交渉料とかも含めて払って行った。協力の精神で、1日目は終了した。


さあ、2日目も頑張るのですよ!











作者の謝罪


すみません、寝落ちました。

と言う訳で、夜にもう1話投稿します。



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