第178話 気分転換

さてと、ログイン…。あれ、フィン?


飛び掛かろうとする、スコルの頭を前足で押さえ同時にハティは首根っこを嘴で甘噛みして止める。


えっと、教育中…ですかね?


ルイスは、キョトンとすると2匹の横を通り抜けベッドに座る。そして、チャットなどの確認。


すると、2匹はテトテト歩いてベッドによじ登る。


途中、ハティが落ちそうになってルイスは驚くが、フィンが器用に咥えてベッドに乗せてあげる。そんな様子が、とても微笑ましくてルイスは思わず笑ってしまう。フィンは、撫でろ!とルイスの右肩に軽く頭突きしてくる。勿論、照れ隠しなのだが。


ルイスは、撫でながらもプルプルと笑ってしまう。


フィンは、暫くするとリルとソルを呼ぶ。そして、力比べを始めたのだ。おそらく、遊びと見せかけて上下関係を作るためだと思われる。


2匹は、びぇーん!っと泣きながらルイスに甘えている。ルイスは、困った様に笑ってモフモフする。


すると、ゴロンと転がってヘソ天状態になる。


ルイスは、2匹を抱えると3匹に声をかけて、ゆっくりと部屋を出るのだった。スコルとハティは、ワクワクした様に大人しくしている。ルイスは、2匹が暴れないか心配していたが少しだけ安堵する。


「ん?おチビ達、少しは落ち着いたのか?」


グレンは、アイテムを選別しながら笑う。


「フィンが、優秀過ぎました。」


ルイスが、冗談っぽい雰囲気で言う。フィンは、やれやれと座ったルイスの背後に座る。ソルは、スコルとハティの遊び相手。リルは、フィアとお話ししている様だ。ルイスは、目を閉じて考え事をする。


さて、戦力を上げるためにアズライールのもう一つの魔導書を見つける必要が有ります。実は、短剣だけでは本来の力が出せない事が判明しました。


それと、聖職者クエストが2つ追加されてました。ちなみに、これは全ての聖職者が対象でした。グレン達にも、別のクエストが追加されてたので、おそらくは全プレイヤーに追加されてますね。


一つ、聖騎士の誓いと聖なる祈り

二つ、失われた守護聖物と聖女の涙


夏イベも、有りますしやる事が多過ぎます。


ルイスは、目を開き思わず深いため息を吐き出す。グレンは、そんなルイスを見てから笑って言う。


「ルイス、気分転換に外に行こうぜ。」


「ん?クエストとか、素材集めですか?」


すると、グレンは違うと首を横に振る。


「ルイス、ゲーム内に公式のお店が出来たらしいんだけど。まだ、一度も行ってないだろ?」


すると、ルーカスが入って来て言う。


「つまりは、let's shoppingっす!」


イェーイ!行くぜ!行くぜ!な雰囲気である。


「今回は、武装解除して私服装備で買い物だ!」


グレンも、元気に言うとノリノリである。ルイスはというと、買い物は好きなので少しだけ悩む。2人は、遊びに行こうぜー!な雰囲気だ。すると、無言で会話を聞いていたトキヤが優しく微笑むと言う。


「まあ、たまには良いんじゃないか?最近、考え事が増えてるし気分転換は大事だと思うぞ。」


そう言われればと、ルイスは悩んだ末に頷いた。


「ルイス、先ずは私服装備から買いに行くぞ。」


「えっと、そこから買い物するんですね。」


ルイスが立ち上がると、グレンとルーカスに急かされる様に押される。ルイスは、アワアワとなりながらも後ろを振り向きトキヤに何とか言う。


「えっと、すみません。後は、お願いしますね。」


「こっちは、気にしなくて良いし任せろ。という訳で、気をつけて行ってらっしゃい。」


トキヤは、そう言うと素材の整理を再開した。




私服装備、シャルムさんのお店ですかね。


「お邪魔しまーす。」


「あら、2人はともかくルイスは珍しいわね。」


シャルムは、手を振り忙しいはずなのに対応してくれている。どうやら、Annさんが対応を変わってくれたみたいです。取り敢えず、用件を言う。


「あの、個人的な事なので大丈夫ですよ。」


「Annちゃん、聞いた?ルイスが、個人的な事で来たの。仕事や同盟、関係ない個人的な事でよ…。」


すると、Annだけでなく数人のプレイヤーが商品を持って来る。勿論、2人の服候補もである。


「今の流行、3人のイメージを考えてお薦めを持って来たわ。3人で、ゆっくり選んでね。」


そう、笑うと忙しそうに戻って行った。


「思いっきり、邪魔してしまいました…。」


ルイスが、少しだけ落ち込めば店員プレイヤーは、違う違うからとルイスを励ます。


気を取り直し、3人で服選びをする。服は、夏のお出掛けをイメージしてコーディネート。選ばれた服を作った人達は、無言のガッツポーズ。次は、選ばれるぞ!っと気合いを入れる人も数人…?


「リアルでも、3人でお出掛けしたいな。」


装備変更して、鏡の前で確認する。


「もう少し、待って欲しいっすかね。もう少ししたら、日本の滞在許可証が貰えそうなんっすよ。仕事関係で、5年間は日本に住む事になるっす。ゲームの事で、ルイスの兄貴達の地元にお世話になった関係で。だから、冬くらいには遊べるかもっす。」


ルーカスは、暢気な雰囲気で言う。


「それは、楽しみですね。」


ルイスは、ノホホーンと笑いながら言う。


「じゃあ、公式ショップに行こうぜ!」


「「おー!」」


グレンの言葉に、ノリで答えてワイワイと歩く。そんな3人を、周りは微笑ましく見ている。


公式ショップに入ると、来店記念品を受け取りましたとアナウンス。後で、見ようと思いながらのんびりと歩く。さて、何から見て回りましょう?


「何か、広くてワクワクするけど…」


「迷いそうっすね!」


グレンの言葉に、ルーカスは笑いながら言う。


「大丈夫ですよ。マップが、使えますから。自分の現在地点と、お店ので入り口が表示されています。フレンドが居れば、緑丸で表示されますし、それをタップすると電話機能が使えるみたいです。」


ルイスは、迷子対策も万全ですね。と笑う。


「取り敢えず、いろいろ見て回るか。」


そう言って、武器屋•スキル屋•消耗品屋•雑貨屋•装備屋などを見ている。ルイスは、スコルとハティに3着ずつ服を買っていた。その際、グレンやルーカスもノリノリで服選びを手伝うのだった。


さて、ホームに戻り荷物を整理しようとする。すると、突撃ぃー!とばかりにスコルとハティが来る。勿論、勢いよく向かって来る。すると、リルとソルは前足で踏んで止める。そして、首根っこを噛んで連行して行った。そして、お説教している。


フィンは、お帰りと小さく鳴くと目を閉じた。どうやら、さっきまではフィンがスコルとハティのお世話をしていた様だ。フィアは、心配そうである。


「フィン、お疲れ様です。」


ルイスは、買い物した物を片付けて一息つく。


「さあ、明日から夏イベです。頑張りましょう。」


1人で、気合を入れたつもりだった。


『おー!』


breezeメンバーから、返答が来て驚くルイス。そして、グレン達を含めたbreezeメンバー全員で、のんびりとお茶をしてログアウトするのだった。













作者から謝罪を…

最近、体調を崩しておりまして…。投稿が、不安定になる可能性があります。その時は、遅れててもまとめて2話投稿するのでご了承ください。


投稿が遅れて、すみませんでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る