第176話 フェンリルさんはお疲れの様です

えーと、現在進行形でリル達使い魔は洞窟の奥に、フェンリルさんに運ばれて連れて行かれてしまいました。一応、見える距離ではありますけど。


僕は、何故が天国…コホンッ、失礼。モフモフに、囲まれている状態であります。僕が、異常で動けないのを良い事にやりたい放題です。取り敢えず、頭をグリグリしてきたり膝に乗ったりと甘えて来てます。少しだけ、くすぐったいですが動けないです。


もうね、うちの子が激おこなのですよ。けど、フェンリルさんにお説教されているので動けないと。


さて、どうしてこうなったのやら…。




遡る事、数時間前…。


到着したので、用件を言おうとしたのですが…。僕の静止も無視して、4匹とも元気に戦闘開始。


鼻で笑われて、異常コンボ。


ルイスは、慌てて異常回復をかける。戦闘中も、注意を促すが暴れ隊とばかりに突撃している。


人でさえ、こうなれば勝ち目は無いのだ。


「ぐふっ…。」


フェンリルは、4匹を無視するとルイスに攻撃。ルイスは、立て直しに忙しく無防備であった。


フェンリルは、右手でパチーンと叩く。


そして、子狼召喚するとルイスを見てから言う。


「お前も、苦労しているようだな。」


「えっと、いきなり襲う形になってすみません。」


ルイスは、オロオロと申しわけなさそうに言う。


「取り敢えず、子狼の面倒を頼む。」


そういうと、ルイスと同じく異常で動けないリル達を咥えて洞窟の奥に行ってしまった。


ルイスは、どうしたものかと考える。


すると、子狼がついにルイスの尻尾で戯れだす。そして、ついに甘噛みしてしまうのだった。


「ひゃあっ!」


ルイスの悲鳴に、フェンリルはキョトンとするが尻尾を見てその子狼を咥えて寝床に連れて行った。


「すまない、体温が下がらない様に子狼の世話を任せたのだが…。龍人の尻尾に、感覚があったとは思わなかった。その、わざとではないぞ。」


ルイスは、変な声を出したのがとても恥ずかしかったのか、赤面してそのまま俯いてしまう。


獣人は、耳と尻尾を触られるとゾクっとします。なので、プレイヤー同士でも勝手にモフるのはマナー違反。セクハラに、なってしまうのです。これは、使い魔にも言えます。気の許した人にしか、耳と尻尾は触られたく無いみたいですね。容赦なく、全力で噛みます。不愉快そうに、威嚇しながら。


この機能は、本当にどうにかして欲しいです。


幸い、フサモフな獣人ではないので触られる事は有りませんでしたが…。何度、リルソルにターゲットにされた事か…。そうなると、納得しました。


取り敢えず、異常が切れてきました。取り敢えず、早く…早く人間に戻らなければ!


「調子に乗るな!駄犬!アホ鳥!」


駄犬…。アホ鳥…。何か、こう言っては何ですが。フェンリルさん、クールな男性なのに肝っ玉お母さんっぽい何かを感じるんですよね。うん…。


「お前達は、戦いに夢中で主を守らんとは…」


お疲れな雰囲気で、つらつらと説教しています。そして、説教が終わったらしく此方に来る。


「取り敢えず、俺に挑むなら400近くまでレベルを上げるべきだ。それと、お前もちゃんと止められなかったから罰を与える。この子を、頼む。」


と言って渡されたのは、先程に尻尾に噛み付いた子狼ともう1匹。これは、もしかして…もしかして。


何でしょう、途轍もなく汗がですね。


「えっと、頼むというのは?その、暫く預けるという意味ですか?それとも…、そういう意味です?」


「そういう意味だ。血の繋がりは無いが、情はあるし我が子の様に育ててきた。だが、大きくなってからはやんちゃで手が回らなくてな…。2匹、受け取って欲しい。お前なら、信頼できるからな。」


フェンリルは、苦笑している雰囲気だ。


「な、なるほど…。それで、名前は?」


「無い。他の子狼は、属性魔狼だ。しかし、そいつらは私と血の繋がりがあるんだ。」


ルイスは、頭が痛そうである。


「スコルとハティ…。」


スコルは、北欧神話に登場する狼です。魔狼フェンリルと鉄の森の女巨人との子。その名前は、古ノルド語で【嘲るもの】•【高笑い】を意味します。名前の語源によっては、【騒音】•【まどわし】といった意味合いもあります。常に太陽を追いかけており、日食はこの狼が太陽を捕らえた為に生じると考えられていました。ラグナロクの際は、太陽に追いつき飲み込むとされてます。そして、太陽を飲み込んだ場合、地上の人々は鍋を叩いて吐き出させたそうです。狼の姿をした、巨人だと考えられてます。


ソル!逃げて!全力で、逃げてくださいな!


※ソルは、炎属性(隠れ属性:太陽属性)です。


ハティも、北欧神話に登場する狼です。古ノルド語で、【憎しみ】•【敵】を意味します。月を、絶えず追いかけており月食はこの狼が月を捕まえた為に生じるとされていました。ラグナロクの際には、とうとう月に追いつき大損害を与えるとされてます。


リル!逃げて!全力で逃げて!


※リルは、氷属性(隠れ属性:月属性)


ちなみに、ファンは暴風属性(隠れ属性:空属性)。フィアは、不死属性(隠れ属性:輪廻属性)。レベル200後半に、隠れ属性は解放されます。


取り敢えず、挑戦してみようというノリで来たのですがね。ちなみに、この2匹は性格の悪い事で有名な魔狼です。まあ、フェンリルさんも北欧神話ではなかなかヤバイ魔狼ではあるのですが。ゲーム補正で、クールな雰囲気の優しい魔狼になってます。


これは、大変ですね。頑張らなければ…。


「まあ、お前にはこれをやろう。迷惑をかけるし、罰とはいえ苦労をかけ過ぎるからな。」


と、いくつかアイテムを貰いました。


取り敢えず、帰りましょうかね。ルイスは、自室に素早く入り部屋のもの全てを収納箱へ収納。ベッドと机だけの部屋になる。ルイスは、スコルとハティを置いて部屋を出るとリルとソルを避難させる。慌てて逃げ出すリルとソル。フィンは、部屋から出ようとするスコルとハティを威嚇する。フィアは、鳥籠に自ら入って眠ってしまった。


ルイスは、疲れた様にため息をつく。


「スコルとハティか、厄介なのを押し付けられたなぁ。取り敢えず、ちゃんと面倒は見るんだぞ?」


トキヤは、苦笑しながらいう。


「今頃、机は傷だらけでベッドはズタズタでしょうね。仕方ないです、主人と認めてない現状では。」


ルイスは、深いため息を吐き出して悩むのだった。










作者の謝罪

短い連休が終わり、全然投稿できてない事に気がつきました…。本当に、申し訳ないです。



小説も、不穏な雰囲気ですが安心してください。



夏イベ描くまでは、平和になる予定です。

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