第172話 旅立ち組修行1日目後半
さてと、プロメア達も構えましたね。
まず、メウロが攻撃。ガイアが、遠距離射撃。プロメアは、加速のポーションをメウロに投げる。ルイスは、ニコニコしながらガイアの先制攻撃を回避。そして、隙を突いたメウロの攻撃を爆弾を投げて牽制。前に出る訳にも行かず、メウロは後ろに飛んで回避するがルイスは前に加速して投げ飛ばす。
ガイアは、素早く回復するが少ない。プロメアも、回復ポーションを投げる。が、それは大きな隙でもある。プロメアは、爆弾を投げるがルイスも爆弾を投げて相殺からの防御の構えで無傷。
プロメアは、自信の爆弾が無効化され、ショックで動けなくなる。メウロが、プロメアを庇う様に立って剣を構える。ガイアも、詠唱を開始している。
プロメアは、泣きそうになりながら爆弾かポーションか悩む仕草。プロメアは、ポーションを投げる。
メウロは、驚いてスキルミスして硬直状態。ガイアは、異常回復という手間が出来て詠唱破棄する。そして、回復してからプロメアを怒った雰囲気で見ている。プロメアは、青褪めてオロオロしている。
「なるほど…。プロメア、今回は今の実力を見る為の試合です。いつも通り、動いてください。」
ルイスは、腕を組んで3人が立て直すのを待つ。周囲は、可哀想とか虐待とか言っているが知らない。
「ルイスさん、いくら何でも酷くないか?」
「今、痛い目を見て努力するか。逃げて、目の届かない場所で死ぬか。今の君達では、僕達の戦闘に参加させる事は出来ません。選びなさい。」
ルイスは、無視して低い声音で堂々と言い放つ。これには、周りも不満そうだが黙り込む。
「「「努力します!」」」
3人は、立ち上がり武器を構える。ルイスは、小さくため息を吐き出すといつもの優しい雰囲気に。
「挫けなくて、良かったです。僕は、君達に死んで欲しく有りません。だから、修行をさせるのです。本当は、もっと時間が欲しいのですが……君達だけを、優先できない状況です。そこは、リーダーとしても家族としても申し訳ない限りですが。」
ルイスは、困った様な苦笑を浮かべていう。
「こういう場を、時間が無いのに設けてもらうだけでも感謝してます。ましては、僕は他人なのに。」
メウロは、真剣な雰囲気で言う。
「マスター、ありがとう。ちゃんと、僕達も理解しているよ。ごめんね、忙しいのに時間を作ってくれて。ちゃんと、真剣に向き合ってくれて。」
ガイアも、メウロに続いて感謝する。
「パパは、悪く無いよ。主に、足を引っ張っているのは私だから。けど、何とかしようと動いてくれたんだよね。パパ、ありがとう。私も、頑張る。」
プロメアは、気合の入った雰囲気で言う。取り敢えず、周りの外野が煩いので休憩室に移動。鍵を閉めて、声が漏れない様に防音結界を張る。
「では、今の戦闘から分かった事を説明します。」
ルイスは、ベンチに3人を移動させて座らせる。ルイスは、3人の前に立って師弟の腕輪を外し、装備も変更する。そして、3人にHPを回復するお菓子。それと、MPを回復するジュースを渡す。
「まず、プロメア。」
プロメアは、足を引っ張っている自覚があるのか固まる。ルイスは、真剣な雰囲気で続ける。
「プロメア、例え話ですがメウロが遠距離攻撃してガイアが敵に突っ込めばどう思いますか?」
「えっと、驚くし対応できないと思う。」
ルイスの問いに、プロメアはキョトンと答える。
「そうです。プロメアが、さっきした事はそういう事なんです。だから、驚いてスキルミス。対応できなくて、仕方なく詠唱破棄からのキュアです。」
すると、2人は無言で頷く。プロメア、泣きそう。
「私、どうすれば良いの?爆弾を使っても、足を引っ張ってしまうしポーションも駄目…。」
「そこは、開き直っちゃいましょう。どうせ、足を引っ張ってしまうなら、いつもの通りに動くべきです。そしたら、2人がフォローしやすいでしょう?勿論、ポーションの使い方も教えて行きます。けれど、慣れないうちはそうすべきだと思います。君は1人じゃ無い、仲間が居るのだから協力し合うべきです。3人でも、分からないのなら僕に会いに来て良いのです。大人に頼る事は、間違いじゃないですから。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥です。」
ルイスは、優しく言う。プロメア達は、ノートにメモしながら聞いている。ルイスは、次にガイアを見ている。ガイアも、気付いて言葉を待っている。
「ガイア、回復が得意ではないですよね?」
「うん、いつも焼け石に水で…」
落ち込む雰囲気のガイア。
「別に、苦手ならそれで良いんです。無理にやれとは、誰も言いませんよ。それより、君の長所は何ですか?それを、何に活かせるのでしょうか?」
ルイスは、暢気に問いかける。
「僕の長所…、バフとデバフかな?ちょっと待ってね、僕の使えるスキルをノートに書いてみる。何に活かせるか…えっと、回復系…補助系…あっ!」
ガイアは、何かに気付いてから表情を赤くする。
「自分のスキルなのに…、ごめんなさい。プロメアの事、責められないや…回復補助が有るのに。」
「そうですね。プロメアが、ポーションを投げる前に使えばきっとフル回復してたでしょうね。」
ルイスは、真剣な雰囲気である。
「スキルは、増えるものです。定期的に、確認して編成しないとこうなります。スキル編成に、迷った時は3人で話し合いましょう。三人寄れば文殊の知恵です。それでも、迷ったら相談してください。」
ガイアは、無言で頷くとノートにペンを走らせる。メウロは、どんとこい!って雰囲気だ。
「メウロ、君は3人の中で唯一のアタッカーです。どんな場面に置いても、矛であり盾なのです。」
メウロは、頷いている。
「基本的に、純粋な剣士には追い討ちを掛けるものです。追撃や貫通攻撃、そして力技攻撃の3つが来ます。ちなみに、体術は追撃と力技攻撃の性質を持つ攻撃です。剣士にしてみれば、体勢を崩されたり押し負けた際に受けると大ダメージを受けます。」
メウロは、必死にメモしている。2人もである。
「しかし、追い討ちを回避する方法はあります。基礎にある、防御の構えです。それをすれば、武器や魔法は弾かれ掴みかかられる事も有りません。その僅かな時間で、体勢を戻して仕切り直しすれば相手も長期戦を強いられます。耐久戦に持ち込めば、強いのは剣士なのでまだ有利に動けてましたよ。」
ルイスは、笑いながら説明する。
「そこに、ガイアのバフ。プロメアの牽制が、上手く連携できたなら…擦り傷など容易かったはず。」
3人は、顔を見合わせて考えている。
「スキルや個性、仲間との協調性などは十人十色ですから。こればかりは、実戦で培っていくしか有りませんね。取り敢えずは、以上でしょうか。」
4人でアトリエに戻り、子供部屋をなくす。空き部屋にプロメア達の個人部屋を作る。アトリエは、とても広いので一部屋あげても問題ないのだ。
キリア達が、夕食を作っている。ルイスは、部屋に戻るとグレンがソファーで寛いでいる。
「あ、お帰り。掲示板、見たか?」
ルイスは、さっきの虐待とか言われてたことを思い出して深いため息を吐き出す。
「で、どんな悪口や暴言が?」
グレンは、真顔で言う。
「意外だが、悪口は少ない。暴言に至っては、まったく無いしな。チラッと、俺も見てたけどな。」
ルイスは、キョトンとしている。
「運営さんが、頑張っていらっしゃるのですかね?どうやら、言い過ぎには注意してますし。」
掲示板を開きながら、考える雰囲気のルイス。掲示板を、どんどん遡り見知った名前を複数発見する。どうやら、同盟メンバー…マッキーさんやシャルムさん達が事情を書いてくれてますね。
とても、感謝です。
そこからは、好意見も多く書かれてます。
ルイスは、ドカッとソファーに座りだらしなく横たわる。いきなり、疲れが出てきたのだ。
「まさに、お疲れだな。」
「そうですね。何か、考える事が多過ぎて…。そろそろ、目が回りそうなのでトキヤさん達にも相談しようかなと思っている所です。漏れなく、グレン含む一部の皆様も巻き添えですよ。えっへん♪」
ルイスは、おかしいテンションである。
「まあ、一人で抱え込むよりはとてもマシだな。分かった、自ら巻き込まれに行ってやるぜ!」
グレンは、明るく笑い飛ばしながら言う。ガリレフたちが、微笑ましそうに見ている事に気づかないまま。ルイスは、起き上がると掲示板を閉じる。
そして、ルイスとグレンはガリレフ達に声をかけてログアウトした。3人は、ルイスが居ないのに気付いて、少しだけ落ち込んだのは内緒な話。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます