第157話 駆け引きとは?
さて、今回は転移門で獣王国へ。ここで、ブリューゲル以外のクランはホーム待機。ギルドで依頼を受けて、執事に連れられ謁見の間に向かいます。
さあ、たくさんの貴族が待ってますね。
「単刀直入に言う、罪人にキリア殿を任せる訳にはいかぬ。こちらで、保護したいから引き渡せ。」
そう、豚の獣人が言う。貴族達は、そうだと頷く。一部は、見守る雰囲気である。ガリレフは、無言でルイスを見ている。ルイスは、ニッコリ笑う。
「いろいろ、ツッコミ所が満載ですね。」
「黙れ!誰が、口を開いて良いと…」
ルイスは、威圧を発動させる。
「君こそ、黙ってくれます?」
豚の獣人は、威圧に尻もちをついてしまう。
やっぱり、来ましたか。良いでしょう、全力で頑張っちゃいますよ。キリアさんは、breezeの初めてのお客様であり、初めての仲間でしたからね。それにです、うちの店員を侮辱するのは許しません。
「そもそも、ガリレフさんは罪人じゃありません。我々の仲間を、これ以上侮辱するので有れば、それ相応の対応しますが。勿論、覚悟はいいですね?」
それはそれは、素晴らしい笑顔である。
「次に、キリアは僕に忠誠を誓ってます。なので、今現在キリアは僕が主人です。だから、何も問題ないです。それと、質問ですが保護の具体案をお聞きしたい。場合によっては、預けても良いと。」
その言葉を聞いて、ガリレフは驚く。キリアは、青ざめると少し震える。バロンは、キリアを心配そうに見ている。ルイスは、ニコニコである。
「王宮にて、保護し書類仕事をさせる予定だ。」
「なるほど、王宮に閉じ込めて軟禁するんですね。個人の意見は、全てガン無視してストレス満載の書類仕事を押し付けると。それで、人権無視のあくまで表上の優しさを押し付けると。なるほど、頭の中身…本当に、入っていらっしゃいますか?」
いきなりの、ルイスの毒舌にトキヤは苦笑する。マッキーも、ガタガタと震えている。グレンは、ルイスの腹黒毒舌を久しぶりに見て固まる。カリオストロは、無言で頷いている。ランコルも、ニコニコ。
「くだらん妄想だ!」
「じゃあ、自由に王宮から外に出られるんですね?勿論、結婚も自由なんですよね?」
すると、固まる豚野郎…。
「あの、気付いてないと思ってます?君達が欲しいのは、キリアさんじゃなく…英雄の血筋でしょ?」
すると、一部の貴族達は負けを確信する。
「それに、キリアさんより保護を必要としてい種族はたくさん居ます。何故、そちらを助けないのでしょうか?そちらが、優先されるべき事案ですよ?」
「勿論、それもする!」
すると、ルイスはニヤリと笑う。
「皆さーん、保護してくれるそうですよ!」
後ろから、歓声が聞こえる。崩れ落ちる豚野郎。
「今のは、録音しておきました。それと、ガリレフさんの無罪の証拠と裏も取れてる事をお伝えしておきますね。さあ、後は王様を癒やして訴えてやるだけなのです。選びなさい、我々に味方して居なかった事にして貰うか。豚野郎に味方して、後ろ指を指されるか。まあ、僕はどちらでも良いですよ。」
すると、トキヤは苦笑して言う。
「流石に、妨害されるだろ?」
「大丈夫、同盟メンバー呼んだから。」
マッキーは、ニヤリと笑って言う。
「いざとなれば、チ•カ•ラ•ズ•クです☆」
ルイスの、素晴らしい笑顔に思わず吹き出す。
「Power!っす!」
力こぶつくって、マッチョポーズするルーカス。
「ん?何だ、お掃除なら得意だぞ!」
グレンは、ニコニコで言う。
「君達、駆け引きって知っているかな?」
ガリレフは、頭が痛そうに言う。
「これも、れっきとした駆け引きです。」
ルイスは、悪気もなく言う。
「駆け引きとは?」
バロンは、思わず苦笑してため息を吐き出した。
僕達が、何も準備せずに来ると思いましたか?って話なのです。馬鹿にするのも、大概にして欲しいですね。優しくしているうちに、降参してください。
「結論、勝ち申した。」
トキヤは、王室にて呟く。ルイスは、治療を終えてカットフルーツを作っている。
「お前達には、申し訳ない事をした。私も、キリア殿の事は知っていた。そして、影からお前の事も聞いていた。敵対は、したくなかったんだが。」
「おや、僕はただの薬師ですよ。」
ルイスは、皿を渡してから微笑む。
「炎天神楽、創生4柱が1人。鬼才の名匠、生産頭ルイス。炎天神楽の、影であり名参謀だったか?」
すると、ガリレフもローアンも目を丸くしている。トキヤは、苦笑している。マッキーは、笑う。
「性格は、穏やかになっても内なる鋭さは変わらんな。拠点は、法律国家から移動したのか?」
獣王は、少しだけ悪戯っぽく言う。
「炎天神楽は、乗っ取り事件が起きて解散。創生4柱の2人は、この世界に別れを告げました。現在の炎天神楽は、僕達のとは別物ですよ。僕達は、錬金術兼喫茶店breezeとして活動してます。」
ルイスは、真剣な雰囲気で言う。
「なるほど。なら、引き抜けるか?」
獣王は、小さな声で呟く。
「え?」
ルイスは、少しだけ警戒した雰囲気だ。
まさか、ローアンさんとキリアさんを?うーん、どうしますかね。まあ、そうと決まった訳では有りませんし、取り敢えずは警戒しましょうか。
違うのだ、獣王が、引き抜きたいのは…
「ルイス殿、うちにこないか?」
「へ?」
その場の全員が、驚きに叫ぶのだった。
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