第154話 リアルイベント!
んー…、眠いですね。兄さんは、早朝に出勤してしまいました。取り敢えず、珈琲を飲みますか。
下に降りると、お母さんがパソコンで仕事中。
瑠衣は、珈琲を置いてからソファーに座る。テレビをつけて、天気予報を確認している。そして、珈琲を飲みながらスマホを膝に置く。
ピーンポーン♪
「あれ、少しだけ早い到着ですね。」
インターホンカメラを確認して、慌ててコップを洗って玄関に向かう。そして、いつもみたいに言う。
「おはようございます。」
『おはよう!』
そして、車に乗り移動する。瑠衣の隣は、春華である。会場で、アルコール消毒と検温をして入場。
そこで、万が一の連絡先などを書いていく。
そして、会場でトークショーが始まる。牧田やアーサーが、上手い具合に観客を笑わせている。
そして、クイズの紙を渡される。報酬は、お菓子の詰め合わせ。ルイス達は、次の最難関クイズを解いていく。しかし、全問正解は神崎と瑠衣そしてその他6名の8人である。ちなみに、報酬はゲーム内の課金通貨である。すると、ゲームの案内ピクシーの長…アリナの形をした。お菓子の詰め合わせが欲しかったのか、近くで子供が泣き出した。
瑠衣は、慌てて泣き止ませようとする母親を見る。そして、少しだけ声をかけて何かの許可を取る。
そして、目線を合わせて言う。
「こんにちは、ちょっとお兄さん困ってるんだ。」
「どうしたの?」
小さな子は、嗚咽を零しながら言う。
「お兄さん、歩きだからアリナをお家には連れて帰れないんだ。だから、君が連れて行ってくれないかな?ここは、僕を助けると思ってさ。」
すると、子供は母親を見る。母親は、瑠衣にずっとお礼を言っていた。子供は、嬉しそうである。
「歩きなのは本当だし、気にしないでください。」
そう言うと、子供にバイバイと微笑む。子供は、嬉しそうに手を振り親と去って行った。
「さてと、トークショーも終わったしどうする?」
智也は、暢気に笑って言う。
「何か、お絵描きイベントしてる。行こうぜ!」
裕太が、言うと全員で移動。せっかくなので、全員で絵を描く事になる。瑠衣は、何を書くか悩む。リルやソルを、描けば身バレしそうでやめておく。
瑠衣は、F LLの紹介動画に出てきた少年少女を描こうと思い、スマホで画像検索する。しかし、顔がはっきり書かれている画像がない。瑠衣は、悩んだ末にイメージだけで顔も描いていく。
周りの人が、瑠衣が下書きを書いた時点でカメラで撮影していたが、瑠衣は気にせずに無言でペンを走らせる。3人は、魔物の絵を描き終わったのか、瑠衣の絵を描く様子を見守っている。
「うーん…、少しだけ雑だけど仕方ないよね。」
瑠衣は、そう言うと4人は頷いてお姉さんに絵を渡す。そして、次のエリアに向かう事になる。
そして、グッズを買ったりわいわいとする。
「そろそろ、昼前だし食べに行こうぜ。」
神崎が言うと、全員が頷く。そして、マップを開きながら、お店の紹介冊子なんかを読み、何処で昼ご飯を食べるか話し合う。年相応に、わいわい。
「この店、良さげじゃね?」
智也が、冊子を指差して言う。
「良いと思う、美味しそうだね。」
瑠衣が、少しだけルンルンで言えば、全員で寄り道しながらも移動する。瑠衣は、帽子を深く被る。
そして、お店に到着。智也達は、入ってからUターンしようとする。店員さんは、キョトンとしてる。運営メンバーが、食事中だったのだ。
「あ、俺達には気にしなくて良いぞ?」
大河は、優しい雰囲気で言う。それでも、オロオロする4人に苦笑。そして、瑠衣を見てから言う。
「瑠衣、イベント楽しんでるか?」
すると、全員が驚いた雰囲気だ。
「うん、とても楽しいよ。」
「身バレ防止か?なら、ここは運営と身内だけだし演技はいらんぞ。そろそろ、牧田達も来るしな。」
瑠衣の口調に、キョトンとしてから笑う。
「そうなんですね。それは、良かったのですが。4人とも、そろそろどうするか決めてください。」
すると、運営陣はマジか!?の雰囲気。そして、4人ともハッとした雰囲気で話し合う。
「取り敢えず、入ったし行くか。」
「そうだな。」
裕太の言葉に、神崎も頷いて席に座る。すると、牧田とアーサーが入って来る。瑠衣は、神崎を見ると頷く。瑠衣は、いつもより声を低くして違和感を出さない雰囲気を作る。そして、ファンの振りする。
「ルーカスさん、凄いカッコよかった!」
「あ、ありがとうございます。」
牧田は、思わず肩を震わせて笑いを堪える。
「牧田さん?えっと、どうしたんですか?」
アーサーは、混乱した雰囲気である。
「なるほど、あの口調は普段使いではないのですね。リアルでは、初めましてでしょうか?」
瑠衣は、帽子を取り微笑む。
「ルイスの兄貴!?」
驚いて、固まり嬉しそうにハグする。
「お前、出せる声の種類多すぎだろ。」
牧田は、笑うと瑠衣達の席の隣に座る。
「そうですか?では、僕もアーサーさんを驚かせるの成功。もとの席に、戻りましょうかね。」
すると、他のお客さんが入って来た。しかし、直ぐに運営を見て帰ってしまった。瑠衣は、リアルロールを再開して、座るとメニューを見る。運営の人達は、社員を残してお店から出て行ってしまった。
「皆んなは、何食べるの?」
それを見て、スゲェー…と思う牧田達。
「このスイーツ、美味しそうだな?」
「僕は、遠慮しとくかな…。」
瑠衣は、少しだけ困った雰囲気で言う。
「以外、かなりの甘味好きだと思ってたけど。」
神崎は、素っ気なく言う。
「僕にだって、甘味に好き嫌いはあるよ?」
瑠衣が、苦笑すれば笑う智也と裕太。
「僕は、コッチにしようかな。」
「な、なら…私もそれで。」
春華は、少しだけオドオドして言う。
「あれ、ベリー嫌いじゃなかった?」
瑠衣は、キョトンとしている。
「昔の話です。その、今では大好きです。」
春華の言葉に、「そうなんだ。」っと笑う瑠衣。そこで、瑠衣のスマホに電話がかかる。瑠衣は、慌ててお店から出て行った。一同沈黙…。
「どうするかな。このままだと、普通に終わりそうだけど。春華、言いたくないけどさ。」
智也は、瑠衣の雰囲気を感じ取っていた。
「たぶん、瑠衣に告白はやめた方が良い。」
すると、大河が飲み物を吐き出しかけ。牧田は、何を言ってるのか理解できず固まる。アーサーは、何の話だと真剣に聞き耳を立てている。
「だな、出来れば古傷を抉る様な事はやめろ。それにだ、最初に振ったのはお前の方だろ。」
時矢が、そう言いながら入って来ると、牧田達と同じ席に座る。瑠衣は、戻って来て微妙な雰囲気にキョトンとする。智也は、言う。
「瑠衣は、春華の事をどう思う?」
「友達だけど。」
すると、智也と裕太と神崎は苦笑する。
「えっと、その…」
春華は、恥ずかしくて言えない。
「えっと、何かの罰ゲーム…かな?大変だね。」
瑠衣は、少しだけ困惑した雰囲気で言うと座る。
「そ、そうですね。」
春華は、少しだけ俯くと頑張って微笑む。そして、ご飯を食べて雑談しながらスイーツを食べる。お昼になり、4人は帰ってしまう。
「さて、僕達も帰る?」
瑠衣は、暢気に言う。
「なら、俺達と回ろうぜ。」
牧田が、変装しながら言う。時矢も、優しく頷く。
「瑠衣は、今でも春華さんを恋愛的に好きか?」
「いや、好きじゃないよ?というか、僕が彼女を好きだったのは5年前なんだけど…。どうしたの?」
すると、時矢は少しだけ躊躇って説明。
「なるほど、あの微妙な雰囲気はそれでですか。」
瑠衣は、口調を戻して苦笑する。
「瑠衣の兄貴も、大変っすね。」
「いえ、そうでもないです。だって、もう割り切れてますから。気持ちは、嬉しいのですがね。」
アーサーの言葉に、瑠衣は暢気に言う。こうして、席を立ち支払いをすると、外に出るのだった。
作者の独り言
投稿、遅くなりました。急用が、出来まして…汗
さてと、恋愛事終了。
リアルイベント中ですが、恋愛はもう出ません。そろそろ、ゲーム世界での楽しい事を書きたいので。
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