第153話 ゆっくりした時間

さてと、今日はリアルイベント開催日です。breezeも、今日は休日なので皆さんゆっくりタイムです。


「ルイス達は、何時まで居るんだ?」


「昼まで、友達と居る予定です。男友達は、昼から部活らしく。他の女子も、習い事と部活で昼には帰るみたいです。グレンは、どうするんでしょう?」


ルイスは、暢気に微笑むと珈琲を飲む。全員が、戦闘服でも店員制服でもない…私服である。ルイスも、いつもの和服を封印して黒いTシャツに白い半ズボン。そして、青色の薄いパーカーを羽織っている。靴下に、ベージュのスリッパである。


トキヤも、蒼チェックのシャツにジーパンだ。


勿論、他メンバーも緩い雰囲気である。ルイスは、眠そうに目を擦り、読んでいた本を閉じた。


「眠そうですね、珈琲を飲みますか?」


キリアは、思わず微笑むと言う。


「飲みます。昨日、電話で話が盛り上がり過ぎて、寝る時間が遅くなったのですよね。」


ルイスは、クッションを抱き締めて言う。


「珍しいな、でも良いんじゃないか?」


トキヤは、優しく笑う。


「俺は、朝食の準備をして来ますね。」


「なら、俺も手伝おう。」


キリアが、言えばローアンも立ち上がる。


「パパ、大丈夫?」


「眠気覚まし、作ってこようか?」


プロメアが、心配そうにルイスを見ている。ガリレフも、やれやれと笑うと言う。


「残念ながら、リアルの僕には効果がないのですよね。なので、お気持ちだけ受け取っときますね。」


ルイスは、困った雰囲気で言う。グレンは、寝癖のついた頭で慌てた雰囲気でログイン。


「おはよ、寝坊した…。まさか、2時近くまで話してたなんて…。やばい、眠過ぎる…。」


ルイスは、思わず笑ってしまう。


「まったく、お前らは…。」


ドラコフは、呆れた雰囲気だ。カリオストロは、子供らしく笑うルイスに思わず微笑む。ルイスは、何処か大人になろうとしている所があるからだ。


「グレンも、珈琲を飲むか?」


キリアは、キョトンとして言う。


「ありがとう。」


珈琲を受け取り、ルイスの隣に座る。グレンも、赤いTシャツに黒いズボンである。


「あ、ルイス7時半に来るから。何か、やっぱり混雑するらしくて。帰りも、電車になるかも。」


グレンは、思い出した雰囲気でルイスに言う。


「どうしましょう、起きてられる自信が有りません…。あれだったら、着いたら電話ください。」


ルイスは、声を震わせてワナワナと言う。


「お、おう…分かった。」


グレンは、少しだけギョッとして言う。


「ルイス、気合いだ!やー!」


トキヤは、ニヤニヤしながら言う。


「気合いで、どうにかなるもんなのか?」


グレンは、珈琲をひと口飲んでから呟く。


「どうにかなるとでも?」


ルイスは、真顔で言えばグレンは吹き出すように笑う。ルイスは、笑顔でクッションをグレンに軽く投げる。そして、立ち上がると伸びをして、カーテンを開ける。すると、プロメアが抱きつく。


「だいぶ、目が覚めてきたな。」


トキヤは、暢気に笑って言う。


「まだ、気は抜けませんが。」


「ルイス様達も、朝食は食べますよね?」


キリアは、少しだけソワソワと言う。基本、ルイス達が一緒に朝食を食べる事はない。ルイスは、振り向いて笑顔で頷く。すると、嬉しそうなキリア。


「僕に、手伝える事は有りますか?」


ルイスは、キッチンのメンバーに言う。


「いえ、ルイス様は座ってて大丈夫です。」


「ん?そうですか、取り敢えず本を返して来ます。ここに、置いてたら汚れるかもなので。」


ルイスは、机の本も手に取り抱える。


「僕も、この絵本なおす。」


ガイアは、絵本を掲げる。プロメアは、クマのぬいぐるみを抱えている。ちなみに、過去に使ったデコイだ。どうやら、気に入ったらしい。キリアは、隣の部屋に食事を運ぶ。ルイスも、確認して言う。


「じゃあ、一緒に行きましょうか。」


そう言って、3人は部屋からでていく。ルイスが、家の事をする必要がなくなった。そのため、ログイン時間が早くなり長く居る様になった。


その分、メンバーと冗談を言い合ったり、素材集めや戦闘をしに行く時間も増えた。


現在、breezeはお店も安定していて平和だ。


そして、ルイスが居るとメンバーが安心する。なので、ピリピリした雰囲気もなくなった。


『いただきます!』


全員で、そう言い食事をしている。


「そろそろ、僕達はログアウトの時間です。」


「え?パパ達、もう居なくなっちゃうの?」


プロメアは、泣きそうな寂しそうな表情だ。


「プロメア、気持ちは分かるけど駄目だよ?」


ガイアも、少しだけ俯きながら言う。


ぐふーっ!この瞬間が、まさに心が痛むのですよ。トキヤも、少しだけ苦笑している。グレンも、複雑な表情をしている。大人達が、プロメア達を連れて行った。ルイスは、深呼吸してログアウト。




神崎side


さてと、もうそろそろ来るな。その前に、珈琲でも飲んでおくか。宿題しながら、カメラ通話で話してたら2時で、慌ててお開きにしたけど。瑠衣は、宿題は終わっててマグカップを机に置き、ノートと教科書を片手に俺達に勉強を教えていた。


さすが、優等生…。


「いや、たまにアホの子が出るけど。」


神崎は、リルをモフモフするルイスを思い浮かべて呟く。そして、ギャップが凄いなぁと思う。リアルでは、大人しくって基本は無口なクール系優等生。口を開けば、モフモフ大好きな天然系オトメン。


「瑠衣、アニメのネタキャラ並みのギャップ。」


珈琲を飲み、リュックを背負って言う。


ピーンポーン♪


「はいよ、今行く!」


神崎は、急いで玄関に向かうのだった。そして、車にて…。智也達と、座りながら話をする。


「あの、私が瑠衣君の事が好きなんです。」


『知ってる。』


神崎を含めた、全員が同時に言う。


「けど、私…過去に瑠衣を振ってるんです。」


『……は!?』


全員が、驚いて雰囲気だ。


「小4の時に、告白されたんですけど。その時の私は、ぽっちゃりしてて。自分より細くて、可愛いくて女子力の高い事をきにしちゃって。つい、『自分より可愛くて、女子力の有るオトメンとは付き合えない!』って言ってしまったんです。」


神崎は、瑠衣の心境を考えて苦々しく笑う。


「それは、不味くないか?瑠衣の性格から、一度振られたら忘れて次に繋げるタイプだろ?」


裕太は、苦笑してから神崎を見る。無言で頷く。すると、春華は泣きそうな雰囲気である。


「ま、まだよ!今日が、あるじゃない!」


夏樹は、春華を励ます様に言う。そうこうしているうちに、瑠衣の家まで着いてしまうのだった。

















作者の独り言


読者の皆さん、待たせたな!の雰囲気で投稿w


恋愛系、苦手な人は暫くは休憩してください。

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