第151話 チビ達のパパの日計画(トキヤ目線)
あれから、ガイアもbreezeメンバーに慣れて来ました。僕としては、少し安堵しましたね。
取り敢えず、お店も無事に4月15日から開店しました。今の所は、害悪プレイヤーは来ていません。まあ、ブラックリストにネームを書かれたプレイヤーは、入店が出来ない設定だからですけどね。
今日は、リアルの都合で昼までログインが出来ません。少しだけ、心配なのですけれど…
「昼から、ログインするのか?」
「はい、その予定です。」
ルイスは、紅茶を飲んでからトキヤに言う。
「分かった。俺も、いろいろと頑張る。」
トキヤは、紙束から視線を外し微笑む。
「ごめんなさい、なるべく早く戻ります。」
「気をつけて、行ってらっしゃい。」
ルイスは、ティーカップを置くとランコルが片付けてくれる。ルイスは、ありがとうのジェスチャーをして、ウィンドを操作してログアウトした。
トキヤは、ため息を吐き出して言う。
「それで?俺に、用事でもあるのか?」
「あのね、パパの日について知りたいの!」
プロメアは、キリアと素材を売りに行った際に、プレイヤーが父の日なるものを話していたと言う。
「父の日は、自分の父親に日頃の感謝を込めて、贈り物を送るリアル…俺達の世界での習慣だ。」
トキヤは、暢気に微笑みながら説明する。
「贈り物…。ガイア、どうしよう?」
「うーん、そう言われてもね。僕も、悩んでるって言うのに…。プロメアは、料理があるでしょう?」
2人して、頭を悩ませる姿を大人達は微笑ましく見ている。残念ながら、2人のお世話してくれるキリアは開店準備中である。アビスも、薔薇園の手入れをしている時間なので、かなり忙しくしている。
「2人が、ルイスの為に何をしたいか。まあ、ルイスは昼まで来ないし考えておけよ?」
トキヤは、困った雰囲気で笑うとソファーに座って在庫の確認、給料量と休日などの調整をする。
「うぅー…、プロメア料理する!」
「僕、料理スキルは持ってないんだよね。」
すると、トキヤは紙を置いてから言う。
「一応、料理スキルが無くても料理は出来るぞ。星無しシェフのエプロンなら、スキルを持たなくても料理は出来る。その代わり、何も効果は付かないけどな。普通の美味しい料理までは、センス次第だけど作れる。ほれ、取り敢えず持ってけ。」
ストレージから、エプロンを取り出して渡す。
「ありがとう、トキヤさん。」
ガイアは、嬉しそうに言う。
「なら、急いで買い物しなきゃ!」
プロメアは、気合いを入れて言う。
「バロンとランコルさん、2人をお願いします。」
トキヤは、真剣に言う。
「良いぞ、俺も買い物する予定だったし。」
バロンは、暢気に笑っている。
「私で良ければ、ご一緒に行きましょう。」
ランコルも、優しく笑うと言う。
「バロン、薔薇園にキッチンを置いたから、そこで何かするならしてくれ。ルイスが、お茶を出す時に不便だって事で、一式は揃ってるから。それと、ルイスが戸棚にお菓子を置いて来て欲しいってさ。」
トキヤは、キッチンに置かれたお菓子を見て言う。
「バレてやがる…。ルイス様、鋭過ぎるだろ。」
「キリアと、昼から入れ代わるってさ。」
トキヤは、ニヤニヤしている。
「有り難いけど、何か悔しいな。」
バロンは、苦笑している。
「大丈夫、自分が感謝されてるとは思ってないからな。あいつ、人の事はよく見てるけど、自分の事になると無関心って言うか…とても、鈍い!特に、好意的な行動や言葉も受け流してる所があるし。」
トキヤは、思わず拳を握って言っている。
「昔から、苦労してんのな。」
グレンは、ログインして来て言う。
「そう言えば、ルイスの失恋の話を思い出した。」
座りながら、暢気に言うとトキヤ以外の全員が驚きに固まる。気になるが、黙っておこうと思う。
「あれは、失恋とは言わないだろ。」
トキヤは、紅茶を飲んで続ける。
「両思いだったのに、本当にもったいない。」
そう、苦々しい雰囲気で言う。
「!?」
グレンは、驚いて固まる。ランコルとバロンは、慌ててガイアとプロメアを連れて出かけた。
プロメア達は、ケーキを作るために買い物中。細工スキルを、2人は持っているので買い物。
バロンの指導に、従いながら作っている。
「「出来た!」」
そして、ケーキをランコルにアドバイスを貰いつつ作っている。ルイスは、お店でキリアと入れ代り。
バロン達は、花園でガリレフとローアンに食事とプレゼントを渡して、久しぶりに4人で食事した。
ルイスは、少しだけ休憩する。すると、グレンはルイスの隣に座ってから、少しだけ気まずげに言う。
「前にさ、失恋の話したじゃん?何で、振られたんだ?俺には、振られる理由が思いつかない。」
グレンは、本当に分からないと聞く。
「自分より可愛くて、女子力の有るオトメンとは付き合えないって言われましたが?」
キョトンと、グレンを見て言う。
「……なるほど。」
そう言うと、グレンは戻るのだった。
「さて、そろそろアトリエに行きますか。」
ルイスは、アトリエに戻るとプロメア達が待っている。トキヤは、笑って席を外した。
「「パパ(マスター)、いつも有り難う!」」
ルイスは、驚いてから戸惑い深呼吸する。
「2人とも、有り難う御座いますね。」
そして、仲良くご飯を食べる。そして、箱を2人に渡されるカーネーションの祝福腕輪とカーネーションの匂い袋である。ルイスは、2人を優しく褒めている。匂い袋は、懐に。指輪は、ストレージになおすのだった。ルイス達は、そのまま話をした。
作者の独り言
くっ、出掛けるなんて聞いてない…。荷物持ちに、呼ばれてギリギリ滑り込み投稿!
親の人使いが、唐突で荒い件w
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